一期一会(大袈裟)

私はとある居酒屋でアルバイトをしているのだが、今日はいつもと少し違った。予約のお客様が来る前に1人で準備をしてた所、10名以上のご予約のうち先に3名のみご来店。

『ん?とんでもない、イケメン…?がいる』

1人とんでもないイケメンがいる。間違いなくイケメンだった。
話す時にしっかり目を見てくれるので、しっかり顔を拝める。瞳の色は少し薄く琥珀色に見えた。見えただけで実際は黒だったかもしれない。
正常な判断を不可能にしてしまうほどのパワーがイケメンにはあるのだ。

お客様は全員揃い、途中からバイトの先輩もやってきて、会話を聞いたのか全員職業が先生であることが判明。ずっと聞き耳を立てていると、どうやらスポーツ団体の集まりでもあることがわかった。

『イケメン、教師、バレー…ファーーー。』

私は考えることをやめた。
やはりイケメンは顔だけで容量がデカすぎるので、これ以上のイケメン情報を入れるには課金しなくてはならないのだ。

オーダーや、会計の場所、人数変更など逐一私の方に来てくれるのでもう最高だった。ずっと観察してた。なんの教科担当なんだろうとか…妄想した。
トイレが早いだけで2人でわきゃわきゃした。
すれ違いざまになんのアクセサリーをつけてるかも見た。しかし顔が良すぎるので直視できない。

ラストオーダーを聞いたら帰ってしまうから、とずっと2人で渋っていた。本当にガキすぎて楽しい。
帰り際、1人の先生がイケメンに
「二次会行きますー?あ、でも彼女が家でご飯作ってるんじゃないですか〜?」などというのが聞こえた。
そりゃそうだ。いるに決まってる。いない方がおかしい。こういう目に何度もあってきた。
そう言い聞かせ、2人で大きなため息をついた。

とんでもないイケメンさん、やっぱり古典とかを教えてたりするんでしょうか。最高です。また来てください。名札あるので名前覚えてください。こんなにもバイトがウキウキだったのは初めてです。アザシター。

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