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noteに初投稿するまでひと月かかった

10年以上通っていた喫茶店が昨年末で閉店してしまったことを年が明けてから知らされた。いつでもそこにあると思っていたものを失うと地味に気持ちが沈む。なかなか晴れない。そんな気分を引きずったまま散歩に出かけたとき思い出したこと。

音楽、散歩、喫茶店。この3つが休日の過ごし方の多くを占めていた頃、私は熱心に音楽ブログを更新していた。ウォークマンで音楽を聴きながら散歩に出かけ、先の喫茶店で好きな曲のレビューを書いたり推敲したりするのが何より夢中になれる時間だった。

私はあまり器用ではない。自分の感覚や解釈を時間をかけてやっと形にしても、言葉で伝わるのはほんの一部であることも知っている。けれど、こんなに私の心を動かし豊かにしてくれるものを自分の中だけにしまっておくことができなくなる。
そうしてはじめたブログだったけれど、いつの間にか更新が途絶えてしまった。あの頃もらった「そのうち書けなくなるよ」という呪いの言葉を思い出す。その通りになってしまったではないか。なんだか悔しい。

今、久しぶりにレビューを書きたいと思える曲がある。ここ数ヶ月そのアーティストの音楽に強く惹かれ続けてしまっていて、これは形にしないといけないなと思い始めた。でもまた書けるようになるかな?いろいろ忘れてしまっている。
ということでリハビリも兼ねて数年間放置していた音楽ブログのメンテナンスを先月から少しずつはじめているのだが、レビューを読み返していたら昔の自分が書いたものの解像度の高さに驚いてしまった。確かに私が書いたのに、今の私には見えないものがある。逆に今の自分だったらと思うところもある。はずかしいけどおもしろい。言葉の表現については、昔の方がハッキリしていたように思う。今はなかなか言い切れなくなっている。

その歌が自分の中でいちばん響き、距離が近いときに捉えたものを言葉にあてはめる作業は簡単なことではないけれど、自分の外に残しておくというのは大事なことなんだなとしみじみ思った。その時は大変でも、あとあと自分のためになる。今になってそう思う。
とりあえず、書くことを続けてみよう。noteは日記的文章の場になりそう。

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