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忘れられない出来事〜心の安全基地になれているのかもしれないと感じた瞬間

久々の出社で、オフィスの窓から見える春の景色を眺めていたら、ふと思い出したことがあります。

娘は今年小学4年生なので、もう3年も前のことですが、保育園の卒園式でとてもショックな出来事があったんです。

卒園係さんが、子供たち一人一人の赤ちゃん時代からの写真と
将来の夢を語る姿を乗せたムービーを作って
卒園式後の謝恩会で流してくれたのですが、

…そのムービーに、娘の分だけが
入っていませんでした。
作成者のミスで、1人分抜けてしまっていたのです。

自分はいつ映るのかと楽しみに見ていた娘の顔は
エンディングに近づくにつれて
困惑した表情に変わっていきました。

上映が終わったとき、私は思わず「えっ?」と
声を出してしまっていて
訳も分からず涙が溢れそうになっていました。

周りは何も気づいていない人がほとんどで、
先生ですら何も感じてない様子で…

娘がどう感じているのか考えただけで
血の気が引いていくような思いでした。

でも、そのとき、娘が
「ママッ!」と一言私を呼んで
座っていた私に駆け寄り私の首に腕を巻き付けて
ギュッと強く抱き締めてきました。

そしてすぐに、ぱっと離れて
何事も無かったかのようにお友達の横に戻り
普通にいつも通りのふざけたおしゃべりをし始めたのです。

私は衝撃を受けました。と同時に
あの子はすごいなぁ
強いなぁ
と、娘がとても眩しく思えました。

帰宅後も涙が溢れるのは私ばかりで
娘のほうは、ケロッとした顔で
「〇〇ちゃんの後に出なかったから、あれ?っと思ったんだよねー」と
そのときの状況を話すのです。
「悲しかった」とは言うのですが、
落ち込んでいる様子は見せないのです。

この経験を通して、私は
子供の心は思っていたよりずっと
深くて強いんだな、と
知った気がしました。

そして、
一瞬だけギュッと抱き締めに来てくれたこと
あれは
私にとってもすごく
何かが伝わった行動だったけれど、
娘にとっても
「私は大丈夫」という気持ちを立て直すために
何か大きな役割を果たしたのかもしない。
そう思うのです。

私は、娘にとっての、絶対的な心の安全基地に
なれているのかもしれない。

どうしようもなく辛く悲しいとき
いったんここに避難することで
また安心して外の世界に飛び出していける
そんな存在になれているのかもしれない。

そうであるなら
ずっとそういう場所で居続けてあげたいし、
そうであることが私に
私自身のことも大切に思わせてくれるのかもしれない。

そんなことを思わせてくれた
忘れられない出来事でした。

ちなみに、
ムービーを用意してくれた卒園係さんとは
今も良好な関係を保てています。

率直に想いを伝えた上で
お互いにわだかまりのない今があるのは
相手の方の人柄と
娘が見せた大人な対応のおかげだったと
私はおもっています。

おわり🍀





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