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サイボウズが内定式をやめた理由

サイボウズで新卒採用チームリーダーをしている綱嶋(@tnsm0223)です。弊社では2019年から、新卒向けの内定式の開催を取りやめました。その意図について書き残しておきます。

内定式の目的とは

そもそも、内定式とは何でしょう?

内定式とは、企業が内々定を出していた学生に対し、内定を正式に出す式典のことです。内定式の開催には、入社意志の最終確認、企業風土の浸透、内定者フォローや同期意識の醸成といった目的があります。

なるほど。「内定式」の目的を理解するには「内定」と「内々定」の意味について知る必要がありそうです。もう少しだけ、BizHintさんの力をお借りしましょう。

「内定」とは、求人への応募者に対し、入社を正式に約束することを意味します。合意がなされた日から入社日までが内定期間となります。新卒の学生を対象とした内定は、一般的に経団連が発表している「採用選考に関する企業の倫理憲章」の「採用選考に関する指針」にある「採用内定日」(一般的に卒業年次の10月1日)以降に出されます。
倫理憲章に基づくと、大学生には採用内定日以降にしか内定が出せません。ですが、それでは採用活動上、支障が生じてしまいます。そのため、企業は内定の解禁日より前に最終選考を通過した学生に対し、「解禁日以降に内定を出す」という約束、つまり「内々定」を出します。

経団連発表の「倫理憲章」に沿った採用活動を行うとすれば、10月1日以降にしか内定を出すことができない。そのため、内定を出すまでの期間として「内々定」という言葉が生まれました。ややこしいですね。

サイボウズも2018年(2019年新卒入社)までは内定式を実施していました。内定式当日の夜に先輩社員との懇親会を行う都合で、もとから10月1日の週の金曜日に行うのが慣例でしたが。

私も過去に内定式の企画を担当したので、内定式を開催する目的がいろいろあることはわかります。

・入社意志の最終確認
・学生から社会人への意識転換
・企業文化の理解、浸透の促進
・人事をはじめとする先輩社員との交流
・内定者間での同期意識の醸成
・入社前の不安(内定ブルー)の解消

などなど、挙げればわりと出てきます。

それでは、なぜサイボウズは内定式の開催をやめたのでしょうか。

サイボウズが内定式をやめた理由

内定通知書、内定承諾書の取り交わしだけなら、大がかりな式典を用意する必要はありません。さらに言えばそもそも「内定」自体には法的な拘束力はありませんので、その書面のやり取りにコストをかけることには疑問を抱いていました。

また、内定承諾書にサインをさせる行為自体が、企業側から内定者に対する「要請」に見えたことも、モヤモヤのひとつでした。会社に提示された書面にサインしたから入社するのではなく、自らの意志で、入社の日を迎えてほしい。

そんな想いもあって、2019年(2020年新卒入社)から、内定式の開催をやめました。

※そもそも、サイボウズは経団連に加盟しておりませんので、内定通知や内定式の時期について厳しく議論することもありませんでしたが。加盟していようがいまいが、内定式に対するモヤモヤはあったのだろうと想像します。

※昨年の10月にはこんなこともつぶやいていました。1年前の自分、当時から内定式をなくす気だったんだろう…笑

内定式をやめた後はどうするのか

内定式を無くしたことで、一連の内定者フォロー施策の流れにも変化が生じました。サイボウズでは内定式の廃止に伴い、内定者懇親会のあり方を見直すことで対応をしています。詳しくはまた後日noteに書きますね。

今回はこのあたりで筆を置きます。それではまた。

【追記】2020/01/13
内定者懇親会についてのnoteを書いたので載せておきます。


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