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関西フィルハーモニー 城陽公演

2021.8.22    ショパン/ピアノ協奏曲第1番 チャイコフスキー/交響曲第4番

私が角野隼斗さんの演奏を聞きに行くようになって初の遠征となった京都城陽公演。2021年1月に関西フィルとのコンチェルトのお知らせが入った時は胸が高鳴りました。ショパン国際ピアノコンクールを目指す角野さんのショパンのコンチェルト!(以前フォロワーさんの2019.6月に千葉で行われた同コンチェルトの記事を読んでとても聴きたいと思っていた)ピアノの森のアニメの再放送もNHK-BSプレミアムで2020.10月より始まり、舞台がポーランドワルシャワに移り機運も高まる。また、藤岡幸夫さんとのラフ2共演を知ってから藤岡さんの番組エンター・ザ・ミュージック(BSテレ東)を見るようになり、年末の群響との第9の特集で藤岡さんの人柄に感動。関西フィルハーモニーの演奏もまとまりがあって素敵だなーと思っていたので…。遠征、京都…行くしかないでしょ!とチケットを購入。

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とはいえ、夏休みの真っ最中。音楽に興味のない夫と推し活に呆れ顔の息子たちにどう説明しようか……もうこれは「鳴かぬなら鳴かせてしまえホトトギス」作戦に持ち込むしかない。ということで家族との2泊3日の京都旅行の予約もしたのであります。なぜ真夏に京都www

でもまさかね、真夏にコロナがこんなに蔓延しようとは、チケット取った冬には想像ができませんでした。大抵高温多湿の夏にはウイルス感染症は減るものですが…。デルタ株の感染力の強さ、恐ろしい。
出発に際してはいろいろ葛藤がありましたが、夏休みといえども夫婦共働きで何も夏らしい事出来ていない事、盆も正月もない職業柄、夏の有給を使った家族旅行は我が家では超貴重な共有体験である事(2020年は自粛でできていない)親が2人ともワクチン2回接種済みで中学生の長男も1回目を打てた事、出発前1週間、体調不良者が出なかった事、より、充分な感染防御対策を行なった上で出発することにしました。


前置きが長くなりましたが、旅行最終日、朝食の後息子2人を夫に託し、別行動開始!(午前中一緒に観光する選択肢もあったのですが、そうしなくて良かったです。興奮で朝早くに目覚めてしまい完全に角野モードに、、、笑)文化城陽パルクは京都駅から近鉄京都線で京都駅から30分程度。駅から徒歩十数分歩くとパルクが見えてきました。住宅街だけど緑も多く落ち着いた雰囲気。図書館、市民プラザなどの公共施設も併設されてて地域密着型のホールのようです。

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関西フィルの前身のヴィエール室内合奏団が設立して50年(同級生w)。また城陽パルクホールとしては藤岡マエストロの50回目の記念すべき公演とのことで階段の壁に50回分のパンフレットが掲示してありました。(時間がなくしっかり見れずに残念)関フィル城陽公演では毎年その時に輝いているアーティストをソリストとして迎えて演奏するようで錚々たる顔ぶれ。記念の回に呼ばれるのも、何か今後もご縁がありそうですね。

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ホールに入ると同時に(開演15分前)藤岡さんの前説。角野さんの紹介、楽曲解説。これは本当にクラシックビギナーにはありがたい事です。グッと距離感が縮みます。笑いを取りながらのトーク、慣れていらっしゃるw。人を楽しませることが大好きなんだなぁ、藤岡さん。

オケの入場、音合わせの後、颯爽と角野さん登場。最近はオーラが半端ないです!私のお席はこちら。(幕間に撮ったのでピアノが片付けられている汗)後ろの右側かぁ…って思ってたけど中央ブロックでオケ聴くにはなかなか良い席でした。遠目だけど角野さんのお顔も見えます!

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ショパンピアノ協奏曲第1

第1楽章

藤岡さん、指揮台に乗ったかと思うとすぐにタクトを振りだした!角野さんみたいだw。重々しくはじまる第1楽章、久しぶりのオーケストラ、やっぱりいいわ〜。グッと会場が引き締まりピアノソロの出番を待つ。長い……(焦らしプレイwww)角野さんは椅子の調節をしたりオケの方を見て聴き入ったりしてましたね。そしていよいよの時おもむろに構えてジャーン♪キター♪─O(≧∇≦)O─♪思い描いていた通りのはいりで「つかみはOKですよー角野さーん」と心でブラボー送っておりました。
第1主題はせつない心をギュッと掴まれるようなメロディ。こういう曲調の表現、本当に上手いですね。オケも入ってたたみかけるように、時にオケを引っ張って行くような演奏。第2主題は夢見るようなメロディ、オケの絨毯にフワッと乗って奏でるピアノ。どっちも素敵で目を離せません。オケとの掛け合いの場面ではピアノが終わると左手でタクトを振るような仕草。時に両手でw。そして髪をかきあげる(ちょっと長いのでは…笑)ノッてきているのがわかり嬉しい。
後半13分過ぎあたり?オケの第1主題を引き継いでのピアノがより憂いを増して聞こえる。緩和の第2主題はファゴットとのかけあいが素敵でした。ラストのところ、コントラバスとの一体感が半端ないなーって聴いてたのですが、よくよく復習してみると、ピアノの左手がトリルしながらベースを弾いているんですね。角野さんがコンバスの音を出していたようだ。(もちろん本当にコントラバスも演奏しているのかもですがスコアがないしわからない…)感動のうちにオケが第1楽章を閉じる。

第2楽章

覚悟はしていたのですよ。第2楽章はヤバいって。始まった途端、ほわわぁああってなってじーーーんうるぅです。(語彙力なさすぎ泣)私は楽曲の背景やらを勉強しないまま聴いていたので、角野さんの第2楽章のしょっぱなはもう子守唄。我が子に向けた無償の愛を感じていました。そして主題が繰り返されるうちにその子(女の子)が成長して花開き、悩み苦しみながらも懸命に生きて行く姿を想像していました。なんだろう古時計アレンジのせいかしら?本当は春の夜のショパンの恋(ラブレター)の話なのに勝手な解釈すみません。。。
角野さんのキラキラのピアノにはジブリやディズニーの女の子のエッセンスが詰まっているから女性陣の郷愁をあおり惹きつけてやまないのかなぁと思ったりもします。千と千尋の劇中に7回泣く、美女と野獣のアトラクションで感動して泣く、この感性、これこそ角野ワールド。リストやゲーム音楽に代表される力強い情熱とこの純真無垢なピュアな感性が混在するからこそどんな曲もバチッとハマるのでしょうね。
途中の夢から醒める、魔法が解けるようなところはいっそうゆっくり丁寧に弾いていたのが印象的。その後はオケの主旋律に音の光をふりかけるような対旋律のピアノ。昇天案件。(お隣の殿方、第2楽章で召されました)

第3楽章

一転はじまった軽やかな踊り!右手と左手のバランス、グルーヴ感、本当好き!また、オケとの呼応、一体感が素晴らしかったです。本番前に2日間かけてリハしてくださった藤岡マエストロ、関西フィルハーモニーの皆様には感謝しかないですね。角野さんも気持ちよく演奏されていました。
右手の小指から繰り出されるキラッキラの高音の何とも言えない美しさよ!スケール、アルペジオの粒の揃ったまとまりよ!多幸感に包まれて、あ〜終わってほしくないよ〜と思っていました。
最終場面、左手のベースを効かせての右手の歌い強弱つけて、、、うんうんいいぞ!そのあと最後の最後なのにスケールのオンパレード!(私は弾けないけどショパン先生これはエグいです。)乳酸に負けるなーラストのフォルテ頑張れーと体育会系の応援をしていた私です。大団円で終演。

あー良かった!楽しかった!!!拍手喝采。幕間の私のほやほやツイートはこちら。ブラーボーカードが踊る。スタンディングオベーションも!何度かカーテンんコールに応えしまいにはマイクを持って登場。その後のやり取り詳細はこちら

「会場に来て頂きありがとうございました。こんなに(満席)嬉しいです。えっとアンコール……小犬のワルツをちょっとだけアレンジして弾きます。」

これまでの公演でもそうでしたがアンコールで弾くアレンジ曲はそれまでの全てを払拭してしまうほどの破壊力があって、もうそこは角野ワールドに。角野さんずるい(笑)

チャイコフスキー交響曲第4番

前日の夜に予習をし(いつもギリギリすぎやしませんか?私w)知っているフレーズが多くてホッとした。チャイコフスキーは本当にメロディメーカー。ビギナーにも聞きやすくて助かります。
藤岡さんの前説によると「この曲を作曲した頃のチャイコフスキーは悩んでいた。彼は同性愛者だった。」との事。

戦いの第1楽章は金管のファンファーレで幕が切って落とされ美しくもの悲しい第1主題、木管のソロも入り、弦楽器のうねりとのコントラストが素晴らしい。主題が繰り返されるごとにに音の厚みが増し、終盤は交響曲1曲終わるかのような迫力!圧巻の演奏。
オーボエのソロから始まる第2楽章はもの哀しくも懐かしい記憶をたどる感じ。小、中学とフルート吹いていた身としては木管楽器の出番が多く嬉しい。いつもテレビで見ている団員さんが変わるがわるソロを奏でるのがまた嬉しい。
第3楽章。弦楽器のピチカートで始まる。前説によるとほろ酔い気分の兵隊を表していると。一矢乱れぬ弦のピチカートに酔いしれてバレエ音楽の様な楽しさに心躍る。
静かに終わったと思ったらすかさず目の覚める第4楽章!藤岡マエストロのタクトに合わせて楽団員さんの呼吸も聞こえてくる。管楽器だけじゃなく弦も呼吸合わせるんだね。これぞ交響曲って言う感じで管楽器、木管楽器、弦楽器、打楽器が重なり合って響き合ってフィナーレへ!最後は打楽器に目が釘付け。すっごい迫力!後ろの方の席でよかったかも!

拍手が鳴り止まず、木管楽器のソリストの方がマエストロに促されて立って挨拶。自信を持って演奏されていたことが伝わる。藤岡マエストロの団員さんへの愛もひしひしと感じて、とてもいい終演だった。

そういえば2021.2月の桐生ラフ2(藤岡×群響)の時もチャイコフスキーの交響曲でしたね!(この公演に行かなかった事を私は今でも後悔している…)袖あるいは楽屋で角野さんも聴いていたよね?

終了後1階のロビーに戻るとなんとマエストロが写真撮影に応じていた!藤岡さん、なんて気さくでファン思いでスマートでダンディなんだぁぁぁ!!!感動しました。
遠征組の皆さんと色々お話ししながら京都駅に戻り、18:00の新幹線で帰路に。とても思い出に残る演奏会でした。

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ところで家族旅行のお話を少し。京都着の8/20は奇しくも京都府が緊急事態対宣言下に入った日。1週間前からの悪天候もあって街はひっそりと静まり返り、一方鴨川は今までに見たことのない荒々しさ。16:00前に平安神宮に行ったのですが、16:30に閉館との事で、ほとんど人が居ない。こんな京都は初めてです。お世話になった旅館も他のお客様とすれ違うことは殆どなく、大浴場も始終1人。いいのだろうか、こんなVIP対応…

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なか日は朝から二条城、金閣寺、清水寺、といわゆるザ・京都な観光地に行きましたが、土曜日なのに空いていてスイスイ回れてしまいました。歴史好きの長男はもちろん美的感性に優れた次男は景観に感動して写真撮りまくりw。夫のiPhoneで写真をとっては親が使ったことない写真加工技術を駆使してビックリするような完成度の写真に仕上げておりました。何はともあれ楽しんでもらえて良かった。
それにしてもタクシーは軒並み5時間待ち、と。客待ちがですよ?日本屈指の観光地がこの有様で、ある意味心配になってしまいました。経済大丈夫なんだろうか…。インバウンドで激混みの観光地もアレですが、あまりに閑散としてしまっていて。早く感染症が収まって賑わいが戻りますように。

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おまけ
公演前日の夜に角野さんのインスタストーリーに京都タワーがアップされた頃わが家も駅前で同じようなことをしておりました。推しが旅先で近くにいると思うだけでドキドキワクワクしちゃいますね!遠征ならではの楽しみを経験できました!

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