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トラディショナルジャズとSUNABACO今治と

好きなヒト、好きなモノ

究極的には僕は好きなヒトと好きなモノのために生きているのだと思っていて、そのためにだったらなんでも出来るし、世界中どこにでも行ける、と結構真面目に思っていたりする。

9月2日に #SUNABACO 今治で行われたTraditional Jazz Nightというイベントは、まさに僕のわがままいっぱいの好きなヒト達と好きな音楽を目一杯演奏させてもらった挙句に、沢山のヒト達をともに時間を過ごすことが出来て、好きなヒトが増えるという幸せな時間だった。

ミュージシャンたち

20年来の付き合いになるトランペット奏者の好江ちゃんにメンバーを選んで貰ったのだけど、精力的にトラッドジャズシーンで活動している現役バリバリの皆さんが今治に集まってくれることに!(本当に素晴らしいミュージシャン達だった!!)

当日に現地で初顔合わせ!というジャズ的には良くあるパターンだったのだけど、僕の緊張は大変なことに・・・。

そもそもの発端

今回のライブはSUNABACO今治のこけら落としだ。オープンのちょっと前の5月にSUNABACOの代表であるnakamakoさんとCarinさんと話していた時に

「せっかくだからステージ作りましょうよ!で、ステージには真っ赤なカーテンつけてニューオリンズっぽくしちゃいましょ!」

と気軽に言ったら

「本当に出来てる・・・」

SUNABACOさんは「やるか、絶対にやるか」の2択だとは聞いていたけど、本当にステージがそこに出来ていた。

ということで、言い出しっぺとしてはこけら落としのステージは絶対に自分がつとめなければ、と。いや、つとめたい!と思ったので「ライブさせてくださいー!」とお願いをした。

そこからライブにこぎつけるまで

僕の帰国に合わせて日程は9月2日で決め打ち。すぐにミュージシャンの確保をすべく好江ちゃんに連絡を取った。彼女とは20歳くらいからの付き合いで、20代の頃は何度かライブをやったし、その後も東京、名古屋、ニューオリンズなどで会ってはいたのだけど一緒に演奏はしていなかった。それなのに即答で「うん、やろう!」と言ってくれたことで、このプロジェクトは前に進みだした。

主に東京のトラッドジャズシーンで活躍するミュージシャンから、ベテランと若手、男性、女性とバランスよくブッキングしてくれた。こんなに良いミュージシャンを集めてくれたの!?と正直ビックリして、同時に「僕で大丈夫かな?」と不安になった。

僕の現状

僕は30歳までは音楽に人生の全てを捧げていたと言ってもいいのだけど、その後ホームレスになってしまったことから、ビジネスマンに転身した経緯がある。今でも単発で演奏の依頼が来ることはあるのだけど、現役のミュージシャンとは呼べないなぁ、というのが自己認識。そんな自分が現役でバリバリ活動しているミュージシャン達と一緒に演奏していいのかなぁ?とブッキングが完了した後に思い始めて、かなりナーバスになった。最初に気づくべきだったんだけど(苦笑)

ニューオリンズに対する思い

僕のニューオリンズという街と、その音楽に対しての思いというのは決して軽いものではないし、心から好きだし、その文化をリスペクトしているし、だからどうしても演奏したいという思った。

ただ、僕がこれまで演奏してきた音楽のジャンルというのはモダンジャズ、ブラジリアン、セネガル音楽、ポルトガルのファド、R&B、ネオソウル、スムーズジャズなどなどで、ニューオリンズのトラッドジャズの影響はゼロではないかもだけど全然違う音楽だった。

2012年に初めてニューオリンズに行って以来、すっかり心を奪われてしまった。そのニューオリンズの音楽をやってみたいと思ったことは何度もあったし、実際に自分のライブで数曲ニューオリンズの曲を演奏したことはあったけど、ガッツリとトラッドジャズを演奏したことはなかったし、きっと今後も無いんだろうなぁ、と思っていた。サンフランシスコには演奏できるミュージシャンもいないし、機会もないから。

だから、この機会を大切にしよう

自分で企画とした訳で、自分がきっかけではあるんだけど、それにSUNABACOの皆さんも、ミュージシャンたちも乗ってくれて、チケットもたくさん売れている、という状況はとっても幸せなことだし、僕が思いっきり頑張るまでだ!と腹を括った。

日本に帰国したのが8月22日。香川の高松に滞在しながら、仕事、学校、ライブの準備とバタバタと過ごしていた。この時にはSUNABACO高松さんに本当にお世話になった。仕事が立て込み、直前まで曲も決まらず、ベースの練習も追いつかない中でSUNABACOの隅っこで泣きそうになりながら練習していたのは秘密。

ライブ当日

話は飛んでライブの当日の午後3時にメンバーたちは初めて一緒に音を出した。ステージ上で曲を決めて、構成を簡単に打ち合わせ。あとはサウンドチェックを軽く。

正直、リハの段階では各自のことが良く分かっていない。音の会話はまだしていない感じ。

でも漠然と「なんとかなるかな」と思っていた。これまでのステージの経験から、本番が始まったら皆が変わるのが分かっていたし、ライブってそういうものだし、と。

正直、ライブ直前のトークイベントの時には頭があまり働いていなかったかもしれない。うまく喋れていたのだろうか?とちょっと不安だったりする。

1stセットの途中からメンバーが音で会話し始めて、2ndセットではお互いのことが好きになっていった。好きなヒトたちが増えた瞬間だった。恋焦がれていたトラッドジャズの曲たちはやっぱり優しくて、明るくて、そして切なくて最高だったし、ベース弾いてて良かったと心から思った。

今回のライブでどうしても演奏したかった大好きなニューオリンズのクラリネット奏者Evan ChristopherのWaltz for All Souls。偶然にも好江ちゃんも大好きな曲という事で心のこもった良い演奏が出来たと思う。そして、この曲からSaintsの流れもニューオリンズらしくて演奏しながら楽しくて笑顔が溢れて困った。

アンコールはHis Eye is One The Sparrow。
誰にとっても生きるって楽なことじゃないんだけど、でも楽しく生きることは出来るんだと思う。僕は「やさしく、明るく、そして切なく」というフレーズが好きなんだけど、なんかそんな人生でありたいと思うし、ニューオリンズの音楽にはそのエッセンスが詰まっているから僕は好きなんだろうな、と思っている。

最後に

こんなに素敵な時間を過ごさせて貰って本当に幸せだった。なにより好きなヒトたちと、好きな音楽を演奏したら、さらに沢山好きなヒトが増えるという幸せの渦の中に身を置けたということ。関わってくださった皆さん、支えてくれた皆さん、一緒に演奏してくれた皆さん、来てくださった皆さん、応援してくれた皆さん、本当にありがとうございました!

そして、今回演奏してくれたミュージシャン達を良かったら是非応援してあげてください!!!

またいつか!きっと!




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