見出し画像

障害者のワイは可哀想な存在なのか~😭



穏やかな春の陽ざしが優しくゆれる四月某日。
関西某所にある就労A型事業所の面談スペースにて、私はイライラを抑えていた。
クソ支援員の精神的オナニーに付き合わされていたからである。


この話は読んでいて気分のいいものではないと思うので閲読注意。


 * * * * *


私は31歳、どこにでもいる平凡な発達障害者😉
就労A型パート勤務で生計を立てることを検討しており、就労A型事業所見学を行脚する日々を送っている。

6件目に行った事業所でクソ支援員に当たってげっそり疲れてしまった。


来所してまず面談スペースに通された。

ヒアリングシートを渡されたので、名前、住所、生年月日、障害の状況、職歴、資格などを記入していった。

そのヒアリングシートをもとに面談が行われた。

現われた支援員は50代くらいの女性であった。
ゴテゴテの大阪弁でマシンガントークをされる人で、良く言えばパワフルで勢いのある人であった。



支援員からの質問に、わたしは淡々と答えていく。

支援員は何かにつけて「かわいそうにねえ」を連呼した。

障害者のわたしは憐れまれる存在なのかwww


「ハァ…そうですかねえ」 
てきとうに相槌を打ちながらイライラしてきたw


支援員「聴覚過敏ってどんなものですか」
わたし「一般の人にとってはどうってことのない音や振動が苦痛に感じられて、苦手な感覚に長時間晒されると体調を崩します。」
支援員「かわいそうにねえ」

そんなに憐れまれても困るのだがwww
確かに私は、聴覚過敏という特性があるけれど、環境面を調整すればそれはハンデにはならない。
ライブ、飲み会、カラオケ等が苦手で、そういう賑やかなところには極力行かないけれど、私はもともと地味な性格で、そういうところに行きたい願望はないので特に困ってはいない。



しまいには

支援員「あなたにはA型はもったいないわねえ。今31歳でしょう、まだまだ可能性があるでしょう。結婚とか出産とか。産休や育休の制度のあるところにお勤めになった方がいいんじゃないかしら」
わたし「ハァ…」

いやいやいやいやいやいや
わたしは同性愛者だし反出生主義者なので
結婚の予定も出産の予定も一ミクロンもありませんwww

同性愛とか反出生主義みたいな特殊な事情がなかったとしても、
女性は結婚や出産するものって前提がどうなんだwww

そもそも発達障害や二次障害で障害者手帳2級をもらっていて
働くどころか生きるのに必死の状態なのに
結婚とか出産とか言われても、ハア…としか言えない。

なんというか、自分の財力じゃ買えないような高級ブランドバッグを勧められて困惑してるような気分だった。


そもそも、障害者はかわいそうな存在なんだろうか。



わたしは、障害者がかわいそうなんじゃない、社会の都合によってかわいそうな立場にさせられているだけだと考えている。

これは障害者に限らず、LGBTや黒人、在日朝鮮人、被差別部落などあらゆるマイノリティに言えることかもしれない。

車椅子の人が困っているのは、2足歩行を前提としてスロープやエレベーターを整備していない建物があるからだ。

文字が書けない、読めない人が困ってるのは、人間が文字を発明して文字情報での伝達を基本とするようになったからだ。文字が発明される前なら、文字が読めない・書けないは障害になっていなかっただろう。

精神疾患など体調に波のある人が生きづらいのは、社会人は週5日8時間、勤怠安定できて当たり前という前提が社会にあるからだ。



障害者がかわいそうに見えるのは、社会に課題があるからだ。
そしてその課題を背負うべきであるのは社会の大部分を占める、かつ権力関係において上に立っているマジョリティであるはずなのに

その現実のを見ることなく

「やさしいわたしがかわいそうな人を助けてあげる」スタンスの支援員のなんと傲慢なことか。


わたしたち障害者は、社会福祉の「ほどこしを受ける対象」ではない。
社会福祉を含め「あらゆる権利を有する主体」だ。※


かわいそうと憐れむ、つまり権利を有する対等な存在としてでなく「ほどこしを与えてあげる」のはさぞかし気持ちいい行為であろう。

面談で1時間、この行為に最後まで最低限の礼節を崩さすに付き合ってあげた私を誰か褒めてくれ。



補足
精神保健福祉に明るい人によると、就労事業所をオープンするのに資格は不要なので、気軽なビジネスとして立ち上げる人も少なくないらしく、良い事業所と悪い事業所との落差が激しいとのこと。
専門性を持ったスタッフが健全運営しているところもあれば、闇深い事業所も実在するとか😱
「闇深いところを避けるには、とにかく色んなところに見学に行って雰囲気を比較してみること。雇用契約を結ぶ前に体験すること」だそう。
読者の皆さんも闇深事業所に気をつけてくださいね!




小林健治著『差別語・不快語』(2016年にんげん出版)より引用