No.0017　今回は重大なネタバレなし

この世界では見慣れた、何てことない、平坦な、獣も通らぬ道の向こうの岡の、樹や雲に護られた、意味のない生なまの家屋。何度も見ることで、生なまという感覚を抱けるようになった。今度はその向こうの雲に感情を抱きたい。

甃いしだたみの隅に、小さな白い花があった。可憐に目を覗かせる。たった一尺離れているだけで、美しい花に見える。

あっちの岸きしに石を投げる。そして木の実が落ちる音を、うるさい風の中から聴いてみたり、したい。孤独な岸きしの写真。写真は一面からだが、あれはきっと四面に向かい孤独を訴えているのだ。

文字が刻まれている。麺類と記号の斜視景色のよう。異様な重なりが黒と白の境界を生み、それが文字になっている。

管くだがある。この錆びた銅細工の町に、何が通っていたのか不思議だ。地下水なんてあっても空島では高たかが知れている。ガスや電気は元より無し。ゾナウギア製造機（がちゃがちゃ）かもしれないけど、少し小さくて回りくどい。覗きたい。

石が積まれ、橋が架けてある。私が思うに、普通こういう建築をするとき、もう少し高い建物を建てる必要がある筈なのだ。しかしこんなおままごとみたいな石積みしかないということは、きっと最初から雲を俟っていたんだろうと思えるのだ。

5/20分はこれでおしまい。まだまだ遊び足りないので、続く！