見出し画像

あいつ(かかりつけ医)の話は聞かんでもええんやで!っていやダメでしょ。【#8】

わたしの患者さんたちには、なるべく家族と一緒に外来に来てもらっています。病状の理解や内服コンプライアンスが良いからです。
それに患者さんも一人で来るより、なんとなくうきうきしている感じです。

ナカさん。
どこかの電気屋さんの元社長さんです。年齢は70代後半です。

頸動脈狭窄に対してステント留置をしました。
定期的に頸動脈エコーとMRIを行い、再狭窄がないか確認しています。

かかりつけの先生とも良好?な関係を築いているようで、血圧もちょっとずつ下がっています。(そのエピソードは以前の話参照)


今日は頸動脈エコーの結果を説明する日です。
ナカさんとナカさんの奥様が診察室に入ってきました。

経過は至って順調で、説明もすぐに終わりました。

その後の会話です。

わたし「かかりつけの先生の話、ちゃんと聞いていますか?」

ナカさん「あぁん、まぁ薬はのんどる。」

わたし「かかりつけの先生の所には奥さんと一緒に通院しているんですか?」

ナカさん「おぅ、これ(奥さんを指さして)と一緒にいっとる。まぁついてこんでもええっていっとるのにな。」

わたし「奥さん、優しくていいですね。」

ナカさん「まぁまぁやな(笑)。」

と、のどかな会話をしていると

ナカさんの奥さん
「つれづれ先生!!!かかりつけの先生、最近私にしか話しかけないんです。うちの主人、全く話を聞かないんですよ!」

わたし「ほんとうですか??」

ナカさん「おおぅ、もうこれ(奥さん)にまかせとるから。」

と、うんうん頷きながら

 「だから、あいつ(かかりつけ医)の話は聞かんでもええんやで。」

”ええんやで” じゃないです。関西弁チックに言ってもダメです。
なにサムズアップしてるんですか、はぁ。

奥様を信頼するのはいいですけど、奥様と喧嘩したら大変ですよ?奥様がもし倒れたらどうするんですか?!!

あいつ(かかりつけ医)の話は面白くないとかいわないでください。病院に面白さ求めてくるのナカさんくらいです。



ちょっと話は変わりますが
・理解を放棄してしまう高齢者は多いです。自分から誰かに助けを求めることができず、一人外来に通院し続けます。
・病状が悪化、入院が必要/命に関わる となって家族に連絡がいきます。
・家族から「全く知らなかった」と言われることも多いです。

・大事な家族がいるなら、病院に時々一緒にいってあげてください。
(年に1回程度でも構わないです。家族との会話も弾みます。)
・現状(病名、内服薬、気を付けることなど)を教えてほしいと主治医に聞いてみてください。
・たいていの主治医はとても喜ぶと思います(凄く忙しい時を除いて)。


ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100

スキ、コメント、フォローなどなど、してもよいかぁと思った方、よろしくお願いいたします。noteに時間を割くモチベーションになります!! ほかの記事も見てくれると凄く嬉しいです。ありがとうございます。