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生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買った③

変人の社長と揉めて退職の運びとなった訳だけれども、職場の人間関係自体は良好だった。

先輩方や同僚たちが開いてくれた送別会には部署の垣根を超えて沢山の人が来てくれた。
用事があって来られない人達は餞別や贈り物をくれた。
会の最後には皆からの寄せ書きとアルバム、そしてなんと手作りの帽子までプレゼントしてくれた。
締めの挨拶の場でプレゼントのベレー帽を被せてもらい、思い出の詰まったアルバムを胸に抱いたベロベロの酔っ払いである私はボロ泣きしながらみんなにお礼を言った。
「やっぱり辞めるのやめまーす!」と言いそうになるのを堪えるので大変だったが、
とにかく7年間働いた洋裁の仕事を辞めた。

半年間の無職の後、新しい仕事につくことになる。

当時の恋人である夫が、ほぼ1人で会社を興して初めての決算を迎える時期だった。
毎日の通常業務で手一杯の彼に経理の手助けを請われ、それに応じた。

専門学校にも行った事がなければ、まして他所での経験もない未経験で未熟な馬鹿たれ。
20歳の時と同じラインに再び立たされた。

そしてその再スタートは20歳の時よりもずっとずっと辛いものになる。

(誰に対して引き延ばしているのか。続く!)

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