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生まれて初めてもらったボーナスで職業用のミシンを買った①

今日、生まれて初めてのボーナスで職業用のミシンを買った。

20歳になってすぐ洋裁の仕事についた。専門学校に行ったわけでも、まして他所での経験もない未経験かつ未熟な馬鹿たれの私だったが、何の奇跡か変人の社長に気に入られ、即採用された。

技術的に無知なのに加えて社交性も著しく低く、分からない事があっても素直に聞けず勝手に自己流でやり過ごすという、今目の前にタイムマシンがあったらその時の私をぶん殴りに行きたくなるような、そういう類の馬鹿たれだった。

すごく仕事が出来て真面目だけど、めちゃくちゃ怖くて周りから嫌われてる上司に何度もめっちゃ怒られた。怖過ぎて職場の横にある公園に駆け込んで大泣きした事もあったが、今にして思えば本当にありがたかった。
私の様なしょうもない馬鹿たれを見放さず(見放されかけた事はあるが)、根気強く教え続けてくれたその人の事を、泣くほど怖い人ではあったが私は尊敬していた。尊敬する人の下で働けた事は幸せだったと今も思う。
その上司のお陰で私は(技術面のみ)何とか一人前になり、仕事に少し誇りを持ち、自信が少し付いたのでそれに伴い社交性も前よりは上がった。
そして何と言っても私は洋裁の仕事が好きだった。

それまで暗いトンネルの中を歩いてる様な人生だったが(だいぶドラマチック)、少しずつ光が差してくるような感じがした。

(書き始めたら長くなってきたので続きます)



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