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キャパが豆皿の日

今日はこれから夫のCT検査の結果を聞きに行く。
前回検査からの、このひと月の様子を見る限りでは、多分結果はあんまり芳しくない。
気が重い。
正直言って病院行きたくない。
病院最寄りの銀座で降りて、そのままどっかのパーラーに甘くて美味しいものでも食べて帰りたい。
でもそんな事しても甘くて美味しいものは多分味がしないので、今日はパーラーには行かないで病院に行く。
朝一で検査を受けに行った夫も私が来るのを待ってるし、病状が良くないなら良くないで次の話をしていかないといけないからだ。

夫が癌の告知を受けて間も無く2年。
転移がある為手術での根治は出来ず、化学療法のみが治療法と分かり、その時子供は1歳半。
副作用や家庭不和と戦いながら治療を粛々と受け続けるも、なかなか成果は出ない。
それでも投げ出さず、やるしかない。
とても大事な事だから。
分かってる分かってる。

でも行きたくないし聞きたくないなぁ。

こんな日は自分のキャパが普段の小皿から豆皿位に小さくなる。
キャパが豆皿の日は朝から子供に大声で怒ってしまうし、家にいても何も手につかずSNSばかり眺めてしまうし、こないだ友達に言われた何気ない一言にこだわって後追いで傷付いたりしてしまう。
こんな風にして病院までの時間をやり過ごすのがまた「私は本当にダメだなぁ」と思わせたりして、さらに落ち込んでしまったり。

でもねぇ、仕方ないよな。
そりゃそうなりますよ。
怖いもん。
キャパが豆皿なんだもん。

また絶望感を味わいに行くのかぁ。
それでまた必死こいて立ち上がって前に進むのよね。
あーヤダ、疲れた。

豆皿に盛り塩でもしたろかな。
多分意味ない。

豆皿に盛り塩しても奇跡が起きたりはしないし、まして私のキャパが皿鉢料理の大皿みたいに大きくなったりはしないので、豆皿は豆皿のまま、豆皿らしく行ってきます。

あ、銀座着いた。


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