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我が思う、和田彩花考

5月13日。
BSスカパーの『フルコーラス』にアンジュルムがゲストで出演して、そこにコメントゲストとして私が登場させて頂いた。

お誘い頂いたのは道重さゆみさんゲストの時に続いて2度目である。

私は知名度もない、限りなくただのオタクだが、MCであるハマくんの友だちゆえにいじりやすいし、スタッフさん受けは良いのかもしれない。真相は謎に包まれている。
ただ、当の出演者は完全にピンと来てない様子だが。それが一番問題じゃないのか!


スタジオで観るコメント用に私は、和田彩花さんがいかに素晴らしいかと言うことについてインタビューを受けた。

話下手ながらにベラベラと1時間以上話したのだか、スタジオで使われるのは当然、1分程度である。

収録前にちょっと考えた。
どうせ1分くらいになるなら、最も話したいことをその長さに詰め込むべきではないか。握手会の気分である。

でもよく考えたら、私はそれができないから個別握手会に行かないのだ。

握手は高速がちょうどいい。個別はこちらが黙ってても形に残るチェキを選んでしまう。

これはどうやっても伝えられない。なので、話せることを話してあとはプロの編集にお任せという、ごく普通の結果になった。

なので、あの場で話したことを、ここにまとめておこうと思う。
インタビュー前にざっとメモしていたことをもとに、散文的に書いていきます。


◾️和田彩花さんとはどんなアイドルか?

これは、何も知らずに読んでくださる方もいるかもしれないのでまず基本的な解説をしておく。

和田彩花さんは、ハロー!プロジェクトのグループ「アンジュルム」のリーダーで、ハロー!プロジェクト全体のリーダーでもある、群馬県出身24歳のアイドルである。

元々は研修生であるハロプロエッグで下積みを重ね、2009年にアンジュルムの前身である「スマイレージ」としてデビューした。トータルのキャリアとしては15年くらいあるベテランになる。

若い頃はいかにも天然美少女という感じで、今回のフルコーラスの放送中にもあったが、自宅の飼い犬の犬種を聞かれて「捨て犬」と言ったり、ふわふわして掴み所ない印象だった。

それでもファンたちは、時折見せるキラリと光る鋭い感性に気がついていたと思うが、どちらかというとただただカワイイお人形さんのような部分が、アイドルとして評価されることが多かったのではないかと思う。

アイドルに物語や強さを求めがちな私は、スマイレージの頃までの和田さんにそう心動かされることはなかった。

むしろ成人式に行けなかった恨み節を切々と表明するような彼女のネガティブな部分は、あまりいい印象に思えなかった。

まあ、当時のスマイレージは、全体的にややネガティブな印象があったので、環境からくる印象もあったかもしれない。


それが今、私は驚くほど全面的に和田彩花を支持しているのだ。

和田さんは自身の成熟に伴い、その思想にも、パフォーマンスにも、独自の柱を打ち立てていった。
私はそこでグッと引き込まれたひとりである。


日本の女性アイドルは幼い女の子の職業である故に、環境次第でハラスメントや搾取の被害に会う可能性を持っている。

昨今、アイドル業界で度々話題になる悲しい事件は、だいたいそういうことで起こっているではないか。
ただでさえこの日本社会、女性の立場は低い。というか、知らず知らず低く見ている連中がたくさんいるのだ。

そして悲しいかな、アイドルファンの中にも、アイドルはある程度意志のない人形であるほうを良しとする傾向も一部にある。

これも本人たちがはっきり意識しなくてもなんとなく存在する感覚で、アイドルとアーティストの優劣問題など、いまだに時折議論になったりしていて、バカじゃないのと思っている人も多いだろう。
でも、いかんせんあるのだ。

時代は少しずつ変わろうとしているが、差別意識というものは意識しないところに潜んでいるものだ。
自戒も込めて、そう思う。

日本の女性アイドルが抱えるそういった状況は、圧倒的に世界的な感覚からは遅れている。
女性タレントの政治的発言に批判が殺到したりということが起きているわけで、私は、それは日本の遅れた感覚だと思うし、そのうち変わって行くことだろうとも思うが。

しかしそれがもしこのまま、今の感覚のままでいいと言うなら、日本のアイドル文化は気持ち悪いものとして、いつか何かのきっかけで国内外で批判にあえば、衰退してしまうのではないか!
それは困る!

ハロプロは今やそのパフォーマンスが世界中に認められ、海を越えて多くの人に元気と勇気を与えられるとても素晴らしいもの。いつまでも在ってほしい。しかし、日本の中でさえ、NGTのようなあんな辛い事件があれば、アイドルっていうものは須らくあんなもんだという印象を持つ人もいる。

これではいかんのだ。時代は変わる。価値観は変わる。私たちも変わらなければならない。



その点、和田彩花さんはというと。

「その人のらしさを、女性らしさっていう風に括りたくはない」「アイドルの水着問題もこれからは議論されないといけない」など、「卒業後もアイドルを続ける」という和田さんの言動には、現代のアイドル感を新しいものに塗り変えて行こうという強い意志が感じられる。

多様性や平等感といった、世界的な思想の流れ。和田さんはこの感覚を持っている。
日本ではなく、世界のスタンダードな感覚だ。

彼女は美術と出会い、美術と共にある人生のため、学業とアイドルを両立することを選んだ。

それは、ことさらやることの多いハロプロでは、かなり大変なことだ。

もちろん一つのことに打ち込むことは美しいが、時代は仕事もプライベートとの両立で輝く社会になってきているのも事実である。

和田さんはどちらも疎かにしたくないという想いから、美術を通して学んだ価値観や人との関わりによる影響をアイドルとしての自分に反映させていったのだろう。19世紀のフェミニズムは当時の文化にも大きく影響してきたわけで、和田さんが文化から思想を学ぶのも自然なことだったと思う。アイドルは世間知らずになってしまう可能性のある職業だ。そうなると周囲に振り回されてしまうこともある。
和田さんは、受け身ではない、主体性を持ったアイドル像を訴える。

アイドル観はこれから変わる。引っ張るのは和田彩花だと思う。


◾️和田彩花さんがアイドルでいる姿を見て思うこと

私は、今はまだ、多くのメンバーを抱えるハロプロリーダーとして、バランスを取ってる感じがする。卒業してからが本番ではないか。私はもっと過激になってくれてもいい。

和田さんの好きなエドワール・マネは、保守的な西洋絵画の改革者である。

私は、和田さんにも批判を恐れずに進む覚悟が見える。
必ずその後に道ができる。


■最もすごいなと思った(好きな)エピソード

最近ミニマリストになっているという話。
たしかに同じ私服を着ている印象がある。
特にこのSNS時代、女性アイドルはトレンドに合わせて色々な服を見せるのが当たり前だが、そういう価値観と全く別のところにいる。

この部分が放送で使われて、私が「よく同じ服を着てる」と言ったところでメンバーからそんなことない!という反応がありまして申し訳ない限りであるが、ここは「他人に流されない自分の価値観で生きている」という話を懇々としていたところでした。

◾️これからの和田彩花さんについて

ブログなどの言葉に、谷川俊太郎かというとても美しい瞬間がある。お渡し会のカードに書かれた「これはドキュメンタリーだ」という言葉に私はハッとした。この人は詩人、リリシストだと。
私の恩人に上田假奈代という詩人がいる。
同じようなものを感じた。

だから、これからは言葉を使う表現を積極的にしてほしい。

■和田彩花さん卒業後のアンジュルムに期待すること

アンジュルムは改名以降、和田さんの精神性のようなものが反映されているグループだった気がするが、これからもそうである必要はない。
全くイメージが変わってしまってもいい。
自分たちの意志や色が発信されるグループであってほしい。


と、まあこんなことを1時間くらい話したのであった。

結局はひとりのオタクの戯言であり、オタクの代表のような立場でテレビで使うにはどうかと思う内容だと思う。だから、放送の編集はあれで正しいのだ。

ただ私は、私の言っていることは、和田さんにはかなり納得されるのではないかという気はしている。
ただ、もしもそれを伝えようと思ったら、握手会で枚数を積むしかないのであった。



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