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音源レビュー Suicidal Ideation “Songs After Dissipation”

#1 Born on suicidal ideal(inst)

美しいStringsと、儚いが悲しいピアノ、語りが印象的。アルバムのオープニングに相応しく、緊張感に満ちている。
壮大な物語の幕開けだ。

#2 Baptism in the name of delectation 

ザラザラしたギターのフェードインから始まる。Thy Lightからの影響を受けているというのも納得である。
シンフォニックサウンドとギターのバランスが素晴らしい。攻撃的なドラムやヴォーカルは曲の美しさを引き立てている。DSBMではあるものの演奏がとても丁寧で、音質も非常に良いことに気づくだろう。
一部静かなパートもある。絶望的な現在から、希望に溢れていた過去を回想しているようだ。

#3 The Depression of Cinderella

高音クリーンヴォーカルとシンフォサウンドから始まり、絶望的なスクリームが入る。
ヴォーカルの入っていない部分ではなかなか荘厳で厭世的なメロディが奏でられ、繰り返されている。シングルバージョンに比べるとシンフォサウンドの重厚感がアップしている。ドラムに適度にリバーブがかかっているように感じられ、シンフォニック感が増強されている。

#4 頤の雫(otogai no shizuku)

イントロの冷たいピアノ、バックのコーラスが印象的だ。少し変則的なスネアドラムも印象的で、飽きることがない。ギターはかなり歪みが強く、不穏さを引き立てている。
繰り返されるハイハットは冷たい「雫」を表しているかのようだ。
曲の後半部分ではピアノのメロが変化し、ギターも一部ザクザクしたリフを奏でている。

#5 Ruminating on worse Life

不穏で緊張感に溢れ、映画のBGMなのかと思うほど壮大なStringsを使ったイントロが耳に残る。
これでもかというくらいヴォーカルが叫んでいる。シンフォサウンドは聖歌のようだ。かなり暗いが、単に暗いというよりは不安感を良い意味で掻き立ててくる。
曲の後半部分はシンフォサウンドのみの部分があり、少しずつ音が変化しているように聞こえる。そしてこれまた悲壮感の溢れるピアノが入る。

#6 Finally, I’m dead and bury on a grave.

14分を超えている大曲。美しく緊迫したイントロから始まり、寂しげなピアノが乗せられている。
ザラザラしたノイジーなギターと、シンフォサウンドの融合である。曲の終盤ではギターが少しずつ減衰していき、ピアノとStringsに取って代わってゆく。ピアノコードが美しい。最後は全身が潰れるかのような低音コードで幕を下す。


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