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#39 つるん→どんぐり(2019/08/05)

どんぐりへ

返事を書くのが遅くなってごめん。
7月はとてもめまぐるしくて、自分でもついていけないくらいのスピードで流れ去ってしまったよ。ずっと居るものだと思っていたバイト先の店も今月限りで出てしまうし、その後は会社に勤めるし、7月中にもっと多くのことをやるつもりだったのが、何もできないまま、これまでお世話になった人に別れを伝えるだけで精一杯だった。
自分だけでなく、周りも変化の多いタイミングみたいで、皆それぞれに何か思いながら生きている中で、歩みを止めないよう必死で、どんぐりにももう少しちゃんとこれまでのお礼を伝えられたらと思っているよ。それは手紙でではなくてね。
別れの時、出発をする方は晴れやかな表情をすることが多いね。場合によるけどさ、残る方がいつも辛いような気がする。後ろから見守られて歩き出すより、立ち止まって消えて行く後ろ姿を見ている方が、喪失感をともなうだろうね。
かといって、出発する方も楽じゃないな、と今回思ったよ。
別れを告げて、次の場所へ行くのは、すごく色んな人やことを背負うことだと感じた。期待、というのかな。嫌なものではないけど、次に戻ってくる時は、笑っていなきゃいけないからね。
「またね、元気で」って言う時が苦手と書いていたね。「またなんてないかもしれない」って。僕もそう思う。ただ、予感みたいなものはあって、きっと僕はいつだってあの店に、あの街に帰っていくだろうし、どんぐりともこれから長い時間、不安ではない日々を過ごすと思うよ。不安ではない日々というのは、途絶えない、ということだよ。色んなことがね、振り出しには戻らないということ。これは約束じゃないよ。ただの予感だよ。でもね、「君のことは決して忘れないし、必ず会いに行く」というよりも強いものだと思ってる。
今回の出発に際して、実は結構色んなところで約束を反故にしたり、絡みついてくるものを振り払ったりしてるんだ。とても厄介で、これからの自分には足手まといでしないものたちを。人間は、いつの間にかこんなにもたくさんの重荷を抱えて、複雑になって、至るところをつながれているものなんだなって思った。それに気づいた時、僕はもう走り出すことをやめられなかった。好きな人たちの姿だけ目に焼きつけて、自分の人生の澱(絡まった人間関係とか、叶わない夢とか、いくつもの失敗とか挫折とか、悲しかったり辛かったりすることとか)がたまったところから、走って逃げきってやる、って思った。水底から、浮上してやる、って。でも多分、また新しい場所でも苦戦するんだ。そういうことの繰り返しが、もしかしたら生きていくということなのかもしれないね。少なくとも僕の人生はそう見える。
ピアノ弾き始めてね。
僕は飛行機を投げ続ける。
たまに飲みに誘うから。変わったところと、変わってないところとを、互いに楽しめる友達であろう。
2年間ありがとう。
この2年よりも長い期間も、よろしくお願いします。
どんぐりの幸せをいつだって願っています。

ぽけっとより

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#29 どんぐり→つるん(2019/07/02)

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つるん(文筆家)

文筆家、詩人、編集者、ネット番組専門の構成作家などをしています。 物書きです。「ペーパー・プレーン・レターズ」という、向かい合って紙飛行機を投げ合うように手紙をやり取りする企画をやっています。ぜひご覧くださいませ。

ペーパー・プレーン・レターズ

「ペーパー・プレーン・レターズ」とは、文筆家のつるんが様々な人と手紙をやり取りする企画です。 ①5通ずつ手紙をやり取りする ②やりとりの仕方は自由 (手紙、メール、チャットなど) ③期間は、ひと夏 手紙は、送った順、届いた順に掲載していきます。
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