「いまの自分の力量でうまく表現できないこと」に突っ込んでいく勇気

 岡本太郎さんの「今日の芸術は、うまくあってはいけない。きれいであってはならない。心地よくあってはならない。」っていう言葉の意味が、いまやっと腑に落ち始めている。
 新しいことに挑戦し続ける限り、完成した作品には試行錯誤の跡が生々しく残ってしまう。だから、きれいで心地よいものにはなり得ないんだと。

 文章だってそう、本当に伝えたいことを全力で伝えようとしたら、どうしても表現がしっくりおさまらない部分が出てくるし、文章にだって乱れが生じる。

 だけど、不格好になることを怖れて「いまの自分の力量でうまく表現できないこと」から逃げていたら、いつまで経っても「自分にできる範囲」から飛び出すことができない。

 壁を壊すって、自分の手が届きそうな範囲の、そのさらに向こう側に手を伸ばすということなんだと思う。

 ずっと、そういうことから逃げてきたけど、せめて書くときくらいは、「いまの自分の力量でうまく表現できないこと」に突っ込んでいく勇気を持っていたい。

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