小説を書くことは航海に似ている

 小説を書いていると、地図も持たずに目的地のない航海をしている気分になる。わたしはプロットを組み立てるのが苦手だから——実際に書き始めないと物語が動いてくれない——、ほとんど丸腰で海へ漕ぎ出すようなもの。
 だから完成させるまでは、永遠にどこへもたどり着けないんじゃないかと不安で、実際、暗礁に乗り上げてしまうこともある。
 でも、気づいたら自分なりの航路を見つけ出してることも多くて。今日もそう、「これはもう遭難コースだな」って投げやりになっていた作品の、航路がやっとつかめてきて、なんとかたどり着きたい場所が見えてきた。
 これだから冒険はやめられない。

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