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ブレイキンのすすめ

この記事は、株式会社マネーフォワードの福岡開発拠点が主催している Money Forward Fukuoka Advent Calendar 2023 17日目の投稿です。 16日目はbondeeさんの東京から福岡移住、そして1年の振り返りでした。

こんにちは、マネーフォワード福岡開発拠点 拠点長の堤です。

さて、久しぶりのAdvent Calendar、何を書こうかと迷ったのですが、もう好きなことを書いちゃえと言うことで、私が青春時代を捧げたブレイクダンスについて書こうと思います。

周りに自分のことを覚えてもらう手段の一つとして、社内ではよく「昔ブレイクダンスをやっていました」と話すので、「またか…」と思われるかもしれません。しかし、この経験は実際に仕事にも繋がっていますし、何より、私は本当にブレイクダンスが好きで、今でもよく動画を見たり最新の動向を追っています。自分を形成してくれたこの素晴らしいHIP HOPカルチャーを改めて皆さんに伝えたいと思い、書くことにしました。

とは言っても、馴染みがないし全然興味がない、、と言う人も多いかもしれません、、、が、ちょっと待ってください。このブレイクダンス、「ブレイキン」と言う名称で2024年のパリ五輪の正式種目として採用されたのです。
世界のスポーツの祭典で採用されたと言うことであれば皆さんも五輪の時期が近づくにつれてどんどん目にする機会が増えてくるかもしれませんし、実はこの「ブレイキン」、日本は世界でも強豪国として知られ、メダル獲得の可能性が高い種目でもあるのです。
読んでくださった皆さんがオリンピックを楽しめるようにブレイキンについて解説していきたいと思います。

まず、ブレイクダンスがどの様な要素で構成されているかざっくり説明しましょう。

ブレイクダンスの構成要素

  1. トップロック

  2. フットワーク

  3. パワームーブ

  4. フリーズ

1.トップロック

立ち踊りのことを指します。ブレイクダンスと言うと、グルグル回る派手な技を想像するかもしれませんが、前提として”ダンス”なので当然立って踊ることも要素として含まれており、ブレイクダンス特有のステップなども存在しています。

2.フットワーク

屈んだ状態で手をつき、足を素早く交互に動かすようなフロアで行うステップです。型のような基本ステップが存在し、その基本をベースとして様々なステップが確立されています。

3.パワームーブ

全身を使い、回ったり跳ねたりするアクロバティックな動きの総称です。様々な技が存在し、代表的な技としては、足を開き背中をつけて体を返しながら回る「ウィンドミル」、頭で回る「ヘッドスピン」などがあります。

4.フリーズ

一連の流れから、動きを固めて止める技のことを言います。逆立ちの状態で片手でピタッと止まったりと様々なバリエーションが存在します。

大まかには上記4つの要素で構成されていますが、ブレイクダンスには「こうしないと絶対にダメ!!」と言う明確な定義は存在しないため、1ムーブの中に上記4つの要素を必ず全て含めなければいけないと言う制約はありません。パワームーブを全くしないB-BOYもいれば、フットワークを全くしないB-BOYも存在します。
ただ、ここ最近は全ての要素をバランスよく兼ね備えているオールラウンダーB-BOYが多く、パリ五輪に出場するような選手は上記4つの要素を全てハイレベルにこなす選手がほとんどだと思います。
これらの基本的な情報を抑えた上で、どのようにブレイキンを楽しむべきかお話ししたいのですが、その前に初心者の方がブレイキンを理解する難しさも説明しておきたいと思います。

初心者が見た時の「審査基準」の難しさ

パリ五輪で採用さたブレイキンの形式は1on1です。1対1で交互に出て踊り、表現力やオリジナリティ、技を競い合います。
ここでブレイキンをよくご存知でない皆さんに1つお伝えすると、競技としての審査基準が難しいので、あまりブレイキン知らない人が初見でみても即座にどちらが勝ったのかがよくわからないと言うことになるかもしれません。こうなってしまうかもしれない原因として大きく2つのポイントが挙げられると考えます。

ブレイキンは即興性を競う戦い!

バトルの音楽はその瞬間まで何が流れるか選手は知らないですし、DJがその場のタイミングでスクラッチなども入れます。選手はその場の音楽に合わせ、即興で踊ります。つまり、事前に誰がどのような動きをするかは誰もわからないということです。 例えば、フィギアスケートや体操では、大体選手の演目が事前になんとなく伝わっており、解説者も次にどんな流れになるのかを大体理解した上で解説してくれます。そのため、初心者でもリアルタイムの動きの速さと解説から得られる情報がリンクしやすくなっており、あとは事前に解説された流れや技がしっかりと決まるかどうかを見守ることができます。しかし、ブレイキンはその場の即興の動きをその場で解説する必要があるため、解説から得られる情報が前述した競技よりも薄くなってしまう傾向にあります。 また、ブレイキンの場合、様々な技はありますが、この技ができれば加点◯◯点、というような審査方法ではないので、最終的にどちらが勝ったかを初心者でも理解しやすい基準づくりが難しいという点もあります。

ブレイキンはオリジナリティや表現力を大切にするダンス!

特にオリジナリティの面は、初見の方を置き去りにしやすい要素となります。 ブレイクダンスは独創性を重んじるダンスであり、基本的には他人と被る動きをしないという考えが前提にあります。ブレイクダンスの挑発の中でも「バイト(パクリだろ?)」、「トゥワイス(同じ動き2回目だぞ!)」のような挑発もあるほどなので、B-BOYは常に新しい自分独自の動きを考えています。当然、ウィンドミルやヘッドスピンなどの王道の技がありますが、そこに皆が一捻り加えてオリジナリティを出すわけです。 そして、こうなると即興でオリジナルの動きを出すため、解説もムーブ中に適切な説明をするのが難しくなります。さらに、見ている人も基礎的な動きの知識がないため、今やった動きが成功なのか失敗なのかもわからないということが場合によってはおこりえます。

初心者がどうやってブレイキンを楽しむのか!?

これまでの話を踏まえて、ブレイキンを楽しむためのポイントもまとめてみましたので、是非参考にしてください。

即興で音楽に合わせるミュージカリティ

前述でブレイキンが即興性が高い故のデメリットを記載しましたが、当然即興だからこその見どころも多くあります。
特にその場でかかった音楽に対してどの様な動きでアプローチするのかはそれぞれの選手の個性が特にあらわれるところだと思います。
ダンスといえばステップを音に合わせるイメージだと思いますが、ブレイキンの場合はトップロック、フットワーク、パワームーブ、フリーズ、全ての要素において音楽と調和することを意識して踊るB-BOYが多く、例えばパワームーブを音に合わせたり、ムーブの最後のフリーズでバチっと音に合わせたり誰でもわかりやすい沸きどころも多いので、選手がどれだけ音とシンクロしているのか?に注目してみてください。

ダイナミックな動きと選手のフィジカルの高さ

最近は全ての要素をバランスよく取り入れるB-BOYが多く、1ムーブほぼ全て全力で踊っていると言っても良いほどです。トップロックからフットワーク、パワームーブをこなして最後の最後に質の高いフリーズを決めるとんでもないB-BOYだらけですが、当然勝ち上がれば勝ち上がるほど、体力も削られますし1回戦より決勝の方が動きの質も落ちてきます。
ただし、世界でTOP B-BOYと言われる方々は毎回ダイナミックな動きを取り入れながら最後までずっと動きのキレを落とさずに踊り切るとんでもないフィジカルの高さを兼ね備えています。
後半になるにつれてこのフィジカルの差が選手によってあらわれてくる部分になると思うので、是非このポイントも注目してみてください。
既に日本代表として五輪出場が決まっている半井重幸さん(B-BOYネーム:Shigekix)は音へのアプローチもフィジカルや技術力も超絶高いレベルでバランスよく全ての要素を兼ね備えており、様々な世界大会でも優勝しています。当然、パリ五輪でも優勝候補とされている注目選手なので、日本代表を応援しましょう!!


単純にカッコ良いと思う人を見つけて応援する

ブレイキンは「手足の伸び」のような技の綺麗さを重視するものではなく、あくまでオリジナリティ、個性を重視するダンスです。足が少し曲がっていたり、少し傾いていたり、他人との違いが個性として捉えられ、その個性がその個人のカッコ良さを際立たせる要素だと思います。顔が見えなくても動きだけで誰かがわかる。ブレイクダンスの世界では「フレイバー」と言う言葉で表現され、全てのB-BOYが目指しているところだと思います。
単純に「フレイバー」を感じ、「この人の動きかっこいい」と思った人を応援してみるのも良いかもしれません。

さいごに

いかがでしたでしょうか??
まだまだ語れるポイントはありますが長くなりそうなのでこの辺りで、、
パリ五輪が近づいてきたらまた読み返してみるのも良いかもしれません。

明日はhyunseokさんの記事です!


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