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ごくうが行く:フレブル

ジェームス君が見える。先立ってジェームス君のお姉さんが歩き、近づいてくる。お姉さんはごくうを見つけて、頬ずりするように撫でにかかる。ごくうもお姉さんが大好き。身を捩らせ、鼻泣きで応える。

ジェームス君が追いつき、お母さんが話しかけてきた。
「フレブルがこの団地にいるでしょう?」
「えっ、フレブル?」
「フレンチブルドッグですよ」

ジェームス君はフレンチブルドッグ、気ままなフレブルだ。なかなか思うように歩いてくれないが、脱兎のごとく走り去ることもある。

同じ犬種のフレンチブルドックが団地にやってきた。(後で分かったが)ポンちゃんという。ポンちゃんはまだ子供だ。でも、散歩も大好き、急くように散歩する。ごくうに出会えば、思い切り寄ってくる。ごくうはたじたじ。

心得たお母さんはポンちゃんのリードを緊張させ、娘にごくうを可愛がるチャンスを与える。娘さんはごくうを壊れ物に触る様に撫でかわいがる。

父親が散歩に加わりだした。ポンちゃんはお構いなくごくうに寄ってくるが、娘さんも寄ってくる。家庭で、散歩時のことを話すのだろう。父親が娘を強く制止した。快く思っていないようだ。娘さんに負荷がかからないようにそそくさと立ち去る。

数日後、母子とポンちゃん(女の子)に出会う。同じような散歩コースを選んでいることが多い。時間差で会える会えないが決まっているようだ。母子は少し立ち止まったが、そのまま向かってきた。少し避けながら、挨拶して別れていく。娘さんは立ち直っているようで、安心した。

次に出会ったとき、公園だった。距離に余裕があるので、フレブルの名前を聞いた。それが「ポン」だった。娘さんはごくうを撫でたそうだが、自重している。女の子ということも分かった。用心しながら、反対方向に分かれていく。

今夕、親子3人とポンちゃんの散歩に遭遇した。もう暗くなりかけていたので、ライトを判断に避けて遠回り。ごくうの散歩に気づかいが必要になってきた。ごくうは違う散歩道に興味津々。

その日は「しん」ちゃんに「すもも」ちゃんに遭遇。両方とも、保護犬の引き取りで臆病だ。(よく似ているので、しんちゃんのお母さんは「兄弟」かもね、と言っている。同じ犬種がもう一頭、若い夫婦が散歩に連れて行っている。

フレブルはもう1頭いる。黒くて、アグレッシブだ。散歩でよく出会い、並んで散歩したこともある。

犬種もいろいろ、飼い主もいろいろ。