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春有百花秋有月 夏有涼風冬有雪   

画像:川中紀行「清少納言」
参考:清少納言(1000年頃)「春は曙」※無門慧開(13世紀)よりもかなり前。

「春有百花秋有月 夏有涼風冬有雪」
これを中国読みすると、
chūn yǒu bǎihuā qiū yǒu yuè xià yǒu liángfēng dōng yǒu xuě

日本語訳としてよく使われるのは、
一訳:春は百花有り 秋は月有り 夏は涼風有り 冬は雪有り

作者は無門慧開であり、仏教書「無門関」に収録されているといわれている。無門慧開は、禅僧であり、13世紀、南宋の時代の人である。

この特徴:「自然の美しさを詠い、四季折々に美しい風物がある。これを讃える詩」である。

中国読みはchūn yǒu bǎihuāと「読み下し」である。日本語では、「春は百花あり」と一二レ点を示して、読むと、

春(一)有(二)百花(レ点)・・・日本での文法上の約束?

「はる ひゃっか あり」となる。

日本語で、音読みすると、読み下しで、※普通はこんなことはしない。

しゅん ゆう ひゃっ か しゅう ゆう げつ か ゆう りょう ふう とう ゆう せつ

となる。

このような方法では、もはや漢語教育ではなく、言語教育として適切かと問われれば、もはや別物との認識になる。日本人に理解させようとして、取られた方式が言語教育の観点からは逸脱してしまうことになる。中国における「国語教育」はどのようになっているのだろう。

一例はあるが、

・鄭谷心著(2017年)『近代中国における国語教育改革 : 激動の時代に形成された資質・能力とは』日本標準。※博士学位論文(京都大学)