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妻の記録:食材が据え置きあるいは行方不明

画像:錦町農村加工株式会社https://nishiki-no-konnyaku.com/pureline.html 

妻は料理が好きである。味が優しく、心をゆたかにしてくれる。子供が育ってメニューの幅が狭くなっている。ハンバーガーは作らないし、鍋物は作らないし、グラタンも作らない。かなりのメニューが食卓に出てこなくなった。味が失敗した1回を除いて安定している。

妻はうどんが好きだった。母も好きだったので、夫がいないときには二人で仲よく食べていたらしい。そのうどんを食材として買ってこようかと問いかけても「いいよ。」と応える。肉を食べたいとき、肉うどんが便利である。夫の場合、うどんは3分の1玉あれば、十分である。肉うどんがメニューから消えてもう数ヶ月経過する。

夫はアゲが大好きである。妻も大好きである。二人が好きなので、コープでもよく注文していた。アゲは妻の故郷の奥に、家族経営の製造所がある。そのアゲは先代のおばあちゃんが若いときから作り続けてきた。アゲが分厚く、濃厚な味がする。道の駅に出せば、たちまちの内に売れ、人気がある。おばあちゃんが引退し、娘さんが引き継いだ。当初は味が近いがおばあちゃんの味の濃厚さが薄かった。娘さんの手が良かったのだろう。味もあっという間におばあちゃんに追いつき、ひけを取らない。

このお盆にお墓参りに出かけ、帰りにアゲを買って帰った。料理してくれるだろうと日々期待していたが、1週間経過してもアゲ料理(通常は、いなり寿司)が出てこない。

「アゲは?」

と尋ねても気のない返事。

冷蔵庫を探した。パーシャル室の奥に見つけた。賞味期限がすでに4日が過ぎ、5日目になっている。食べるのを諦めたが、捨てる気になれず、パーシャル室の手前に置いていた。妻に捨てさせよう。

妻が見つけて、料理する気になったのだろう。昼にアゲが甘辛く味付けられて出て来た。

「食べられる?」

「大丈夫みたいよ。」

食べてみると、臭いもしない。思い切って食べてみた。味が変わらない。

「美味しかった。」

自分を納得させながら食べた。

妻はコープで自分お好きだろうものを買う。ゴボウうどんが買われたまま、冷蔵庫で、もう10日以上経過する。夫が枝豆を好きであるのを知っているので、冷凍の枝豆を買い置きする。買い置きしたまま1ヶ月以上経過している、多分。多くの食材が冷蔵庫に眠っているだろう。

もちろん、シーズンになり、毎日食べているスイカもドンと構えている。