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《エピソード12・悪しき習慣の呪い。自殺へのカウントダウン》弱冠20歳で1000万超えの借金、鬱、自殺未遂、親との確執。からの逆転人生を実現させたリアル話。

抜けられない依存

街金からの融資と隠していた借金の親への告白という、良いのか悪いのかわからない状況が同時にやってきた。「やってきた」というよりも、そうすることしかできない視野の狭さが、自宅を担保にされるという問題を起こしていたんだけど。自宅を担保にされた150万の融資は、僕や家族をさらに悪化させることになっていったんだ・・・

ラットレース

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150万の融資は、実はすべてを返済に充てるわけではなくそのお金は

手もとに来た段階で自由に使える状態だった。その時の融資は車のローンや家のローンと違って担保状態のものを売った時に元金に充当されるわけではなく、名目上はまとめる資金として借りているだけで、用途は実質自由だった。ギャンブルに勝っても元金返済に充てない人間がすること。それは一つ。「また増やせばいい」という稚拙で短絡的な発想。考え方を変えない限り、この発想をし続ける。「どうせ俺はこうだ」「周りがそうさせたんだ」と、自分を変えることができない言い訳を撒き散らし、同じことを繰り返す。

それはまさに“依存“の典型で、目の前にお金があればそれがなくなるまでやり続ける。僕はギャンブルだったが人によっては酒なら酒に手を出し続け、薬にまで手をつけるヤツもいる。逃れられない依存の中に入ると、恐ろしい未来が待っているんだ。

それでも僕はまたその悪しきラットレースに戻っていった。見えない何かに引きつけられるように、逃げられないなにかに呪われているかのように。

人は簡単に他人のことを批判する。「あいつは狂ってる」「どうしようもない人間だ」「バカか」と。それでも人間はいつ、どんなタイミングで狂うかなんてわからない。当たり前にあった目の前のものが一瞬で無くなったら?目の前で大切な人が殺害されたら?「決して自分には関係ない」と思っていることが起きると、人間の心は簡単に破綻する。一瞬で形を変える。「私は絶対に詐欺に合わない」という人ほど危険だ。そんな人間をたくさんみてきたから。

常に不測の事態は考えていたほうが身のためだ。知識も経験も備えあればあっただけ生きやすくなる。

悪化は自殺へのカウントダウン

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負債が増えたことで金回りはさらに悪化した。例えるのなら、負債を負うということはバケツの底の穴が大きくなっていくことと同じで、いくら蛇口の水を捻ってもそこから抜ければ貯まることは決してない。入りが少ないのに出て行くものが多ければ、当たり前にお金なんか増えやしない。僕の状況は完全にそこが抜け落ちたバケツだった。

「明日までに30万用意しなきゃいけない」そんな日が何日も繰り返されていて、震えない日も冷や汗が出ない日もなくて地獄のような日々。

自業自得とはいえ、知識も経験もない状態でここから抜け出すきっかけが掴めず、ただただ幸せそうに歩く人を睨みつけ、ただただ状況を人のせいにして同じことを繰り返しているだけだった。

当たり前に、日々は悪化の一途を辿った。そしてその悪化の一途は自殺へのカウントダウンになる。

どうすることも出来ず、身も心も失っていた僕は死ぬことを考えるようになっていた。「死んだら楽になるだろう」「この世から消えても誰も悲しまないだろう」「死んでしまえばすべてが終わる」そんなことを思うようになって。

平静のレールを外れた人間は、「当たり前の思考」なんか存在しない。みえてる世界は針の穴よりも小さくなる。状況が悪化すればするほど、心の余裕は消え去って感情が停止する。驚くほど表情がなくなっている自分にも気付かない。

そしてある日、気づくと高いところから下を眺めていたんだ。

踏み出せば死ねるくらいの高さだった記憶しかなくて、どうやってそこまで行ったのかもわからなくて。

もう、生きているのが限界だった。

死ぬ勇気と生きる勇気

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自殺未遂だった。

気づいた時には死ぬ勇気がない僕がそこに立っていて、死ぬこともできない生きる気力もない白と黒の狭間のような心の色で目の前を眺めていた。

「死ぬことすらできないのか・・」

そう呟いたかどうかの記憶はないけど、その状況だったことは間違いはなく死んだように生きなきゃいけないという絶望感の中にいて。

それでも、死ねないのなら生きなければいけないわけで。どんな状況だろうが顔色変えずに明日はまたやってくるのだ。

その自殺未遂がきっかけで、僕の中の何かが動いた。死んだようにはもう生きたくない。死ねないのならなおさらだ。

なにかが弾けた。僕は次の日、今まででは考えられないこんな行動をすることになる。

続きはまた・・



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