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上から掘るか下から掘るか、それが問題だ。

4期生の大賀です。

6月より本格的に作業道開設をスタートしています。僕が入っている現場「日71(通称:馬龍山)」は5.1haの間伐予定面積の中に約540mの作業道を開設予定です。

前年度から継続の現場であり、先輩方が切り開いてくれた1518mの作業道をさらに延長していくかたちです。

さて、作業道開設のスタートはいきなり難関のヘアピンカーブから...。

↑開設済みの道の途中からヘアピンカーブとなります。

どういう段取りで進めるか悩んだ結果、まず同期の細谷さんにヘアピンカーブの開設をお任せしました。

・・・

僕は小手試し的に既設道の修正にとりかかりました。主に行ったのは下記の2つ。

水切り(路面を走る雨水を排水するための横断工)

路面処理(路肩を強化するための丸太組構造物)

僕の所感では、作業道をきれいに仕上げるには、バケット(もっといえば爪)をつかって細かく均一に土を引いてくる動作が不可欠だと感じます。

上の2つを設置するにも、バケットを使った細やかな動作が要求されます。掘る穴の深さ、勾配の線形、仕上がりの路面高など、バックホー操作のレベルアップを図るにはちょうど良い材料です。

どちらから穴を掘るか?

やっている中でずーーーーーーーーと悩んでいたのが、「上から掘るか下から掘るか」問題。

これは傾斜のある道で、バックホーを「上り向き」で操作するか、「下り向き」で操作するか、という意味。

最初は大差ないのかなと思っていましたが、これにもセオリーがあることがわかりました。簡単に説明すると下記のとおり。

上り向き:

・勾配の線形が視認しやすいため、均一な深さでに穴が掘れる。

・角度的にバケットの中に土をいれるのがむずかしい。バックホー側(後方)への土の移動が簡単(逆はやりにくい)。ただ排土板をアーム側にしておけば排土板で土を前方に押せる。

下り向き:

・勾配の線形が視認しづらく、均一な深さで穴を掘るのがむずかしい。

・角度的にバケットの中に土をいれやすいので、バケットですくってピンポイントでの土の移動ができる。バックホーと反対側(前方)への土の移動が簡単。

・バックホーの重心も下り向きになるので、排土板で安定させないと操作しづらい。

路面処理の場合

路面処理は状況によりいろんな手順やつくり方がある(はず)ので、一概にはいえません。

今回の場合は元々の勾配や路面高を変えず、均一に穴を掘りました。なので、上り向きでの施工が適しています。

水切りの場合

水切りは路面処理と逆で、前後に狭く、左右に長く穴を掘ります。問題は入れた水切りを埋めるとき。

水切りが中央を隔てているので、土を前後自由に移動できません。下手にさわると掘り起こしてしまいます。しかも水切りは道に対して斜めに設置されるので、単純なバケット動作(前後左右)以外の動きが必要です。

なので細かい場所はバケットですくってピンポイントで土を移動させないと、上手い具合に丸太を埋めることができませんでした。

上り・下りどちらでもできなくはないですが、下り向きでの施工が適していると僕は思います。

路面処理+水切りの場合

水切りを置いた場所は路面処理工をしておかないと、水流で路肩が削れてしまいます。

はじめ、路面処理がめんどくさすぎて水切りだけ設置した結果、削れた路肩を見てめちゃくちゃ後悔しました。

この組み合わせのとき、上り向きか下り向きか、迷います。上り向きだと水切りを埋めづらいし、下り向きだと路面処理の溝が掘りづらい。

結論としては、まず上り向きで施工して、最後に水切りを乗り越えて反対側に移動して、下り向きで埋め戻す。という順番かなと。

・・・

これがベストなのか、そもそも施工の手順や方法が適切なのかはいまいち納得できていません。

ただ、実際にやって考える中で、バックホーの動作について理解が深まりました。まだまだ無駄な動きが多いですが、試行錯誤あるのみです。


書いた人:大賀

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