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「バロン住友の美的生活」展 第1部

泉屋博古館分館にて「バロン住友の美的生活」展の第1部「バロン住友春翠-邸宅美術館の夢」が開催されている。その公開に先立ち、2月25日にWEB内覧会が行われた。

第1部は明治編。その中でも前期と後期で展示替えがあり、前期は青銅器特別展示がある。正直なところ、私はこの有難みが全く分かっていなかったのだが、ギャラリートークでお話を聞いて驚いた。京都本館の青銅器館の模様替えに合わせて実現したもので、なんと東京に来るのは初めてなのだそうだ。今回の展覧会、入口の前で「虎卣(こゆう)」の顔出しパネルが出迎えてくれるが、なるほど、気合が入っている。

京都からはるばるやって来た「虎卣(こゆう)」や「夔神鼓(きじんこ)」。その他30点ほどの青銅器。よくここまで辿り着いたね、と思う。何となくよそゆきの顔をしているのは気のせいだろうか。

ギャラリートークでのお話によると、住友春翠が亡くなった時、イギリスの新聞では「青銅器のコレクターとして有名」という紹介をしたそうだ。他にもっと言うことがありそうな気がするが、それだけ青銅器のコレクションが当時から有名だったということである。

青銅器の他の目玉は、何と言っても住友家須磨別邸の模型だろう。「なんだ模型か」と侮ってもらっては困る。どれだけ眺めても見飽きない。

まだ日本に美術館がそれほどなかった時代に、春翠は須磨別邸に絵をたくさん展示し、自分が見るだけでなく画家や近所の子供たちを招いていた。もし今でも須磨別邸があるなら、ぜひお招きいただきたいところだが、残念ながら空襲で焼けてしまった。

しかし、もし私が春翠と同じ時代に生きていたら、たぶん須磨別邸にお伺いする機会なんてなかっただろう。「虎卣(こゆう)」も、モネの「モンソー公園」も一生見ることはなかったに違いない。人との出会いもそうだが、物との出会いもご縁なのだなと改めて思う。


「バロン住友の美的生活」展

第1部「バロン住友春翠-邸宅美術館の夢」

2016年2月27日(土)~5月8日(日)

≪前期≫2月27日(土)~3月21日(月・祝)

≪後期≫3月23日(水)~5月8日(日)

開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)

休館日 月曜日(3月21日開館、3月22日休館)

入館料 一般800円/大高生600円/中学生以下無料


#バロン住友 #住友春翠 #泉屋博古館分館  








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