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永遠に愛し続けたいスピッツの名曲10選

ついに、スピッツの全カタログが、サブスクリプションサービスで配信開始された。

今日をきっかけに、スピッツのあらゆる楽曲が、あらゆる世代の人たちに届き、新しい輝きを纏いながら響き渡っていく。そう思うだけで、思わず胸が熱くなる。そして、スピッツのロックに救われてきた一人の音楽リスナーとして、とても誇らしい気持ちになる。

彼らは、日本のロックシーンを、いや、黄金のJ-POPの歴史そのものを、大胆に変革し、鮮やかに照らし、そして僕たちを力強く導いてきてくれた。その絶大なる功績に敬意を表して。今回は、「永遠に愛し続けたいスピッツの名曲10選」をお届けしたい。

このリストが、あなたがスピッツの新しい魅力を見つけるきっかけになれたら嬉しい。


ヒバリのこころ (1991)

僕らこれから強く生きていこう
行く手を阻む壁がいくつあっても
両手でしっかり君を抱きしめたい
涙がこぼれそうさ
ヒバリのこころ...

全ては、このデビューシングルから始まった。この楽曲は、スピッツの4人による力強い所信表明であり、そして彼らは、今もなお懸命に茨のロックシーンを切り開き続けている。そんな彼らの存在が、後進のロックバンドたちに、どれだけの希望を与えたか。その影響の大きさは、もはや計り知ることはできない。


ロビンソン (1995)

誰も触われない  二人だけの国 君の手を離さぬように
大きな力で  空に浮かべたら  ルララ  宇宙の風に乗る

スピッツの最大のヒット曲にして、エバーグリーンな輝きを放ち続ける、まさにJ-POPの至宝だ。先日、この曲のYouTube再生回数が、ついに1億回を突破した。その事実は、彼らが約四半世紀にわたって愛され続け、そして今もなお支持を拡大し続けていることの確固たる証左に他ならない。


楓 (1998)

さよなら  君の声を
抱いて歩いてゆく
ああ  僕のままで
どこまで届くだろう

背筋が凍るほどに鋭く光る「終わり」の予感。日本人に特有の「切なさ」という概念に確かな輪郭を与えたこの曲の功績は、やはり今から振り返っても、あまりにも大き過ぎるものであった。


夜を駆ける (2002)

君と遊ぶ  誰もいない市街地
目と目が合うたび笑う
夜を駆けていく  今は撃たないで
遠くの灯りの方へ  駆けていく

現実とファンタジー。その二つのフィルターを通して、憂いに満ちた日常を鋭く批評し、未知への想像力をかきたてる。スピッツのロックは、そうした輝かしい使命を担っているのだ。《似てない僕らは  細い糸で繋がっている/よくある赤いやつじゃなく》という必殺のパンチラインも素晴らしい。


スターゲイザー (2004)

ひとりぼっちがせつない夜  星を探してる
明日  君がいなきゃ 困る

壮大なスケール感の中で歌われる、どこまでも等身大で生々しい愛の言葉たち。そして、そうしたフラジャイルな想いが大空へと鮮やかに飛翔してゆくカタルシス。これぞ、草野流ラブソングの真骨頂であるように思う。


春の歌 (2005)

春の歌  愛と希望より前に響く
聞こえるか?  遠い空に映る君にも
春の歌  愛も希望もつくりはじめる
遮るな  何処までも続くこの道を

春夏秋冬をテーマにしたJ-POPの名曲は数あれど、これほどまでに真っ直ぐに「春」の本質を射抜いた歌を、僕は他に知らない。絶望と希望。否応なく幕を開けてしまう、新しい「はじまり」の季節。その意義に輪郭を与え、力強く祝福するこの曲に、いったいどれだけ多くの人が救われてきたのだろうか。


魔法のコトバ (2006)

魔法のコトバ  二人だけにはわかる
夢見るとか  そんなヒマもないこの頃
思い出して  おかしくてうれしくて
また会えるよ  約束しなくても

この歌詞の中において、「二人」を結び付ける「魔法のコトバ」が何を指しているのかは明示されてはいない。それでも、確かな手応えを感じるのはなぜだろう。リスナーの数だけ、いや、全ての愛の形の数だけ、この曲は正解を用意してくれている気がする。これほどまでに普遍的な愛の唄、あまりにも稀有だ。


さらさら (2013)

だから眠りにつくまで
そばにいて欲しいだけさ
見てない時は自由でいい
まだ続くと信じてる
朝が来るって信じてる
悲しみは忘れないまま

東日本大震災から約2年。ついに、長い沈黙を破ってリリースされた至上のロックナンバー。刹那と永遠。その両方を等しく讃え上げながら、たくましく続いていく愛すべき日常を鼓舞してみせる。僕たちがスピッツのロックを求める理由が、この4分14分に凝縮されている。


醒めない (2016)

まだまだ醒めない  アタマん中で  ロック大陸の物語が
最初ガーンとなったあのメモリーに  今も温められてる
さらに育てるつもり

スピッツがその胸に抱くロックの「初期衝動」は、今もなお、決して醒めてはいない。そのことを深く再確認させてくれる痛快なパンクチューンだ。ここにきて、更なる覚醒感を放つ彼ら。そのロックバンドとしての攻撃的なスタンスに痺れる。


優しいあの子 (2019)

怖がりで言いそびれた  ありがとうの一言と
日なたでまた会えるなら  丸い大空の色を
優しいあの子にも教えたい

新しい時代における、新しい「国民の歌」。混迷を極めた2010年代、それでもスピッツは、J-POPの黄金史を力強く更新してくれた。《ルルルル ルルルル》というハミングに乗せて伝えられるのは、誰もが胸に秘めるかけがえのないリアリティーであり、もはや言葉を超越した普遍的な想いそのものだ。極限まで研ぎ澄まされた愛の旋律に、そっと心が震える。





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