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嵐、光のポップ・ミュージック10選

嵐の5人が、20年にわたって歌い届けてくれた「愛」と「希望」の歌。

J-POPの歴史を美しく彩りながら、昨日よりも今日を、今日よりも明日を、もっと輝かしい1日にするために、僕たちを力強く導き続けてきた光のポップ・ソングたち。そうした功績は、いくら言葉を重ねても語り尽くせるものではない。「国民的ヒットソング」を数え挙げていけばキリがないし、何より、嵐の物語は現在進行形で続いている。

それでも、いや、だからこそ、5人の20年間の軌跡を讃えるために、ここに、「光のポップ・ミュージック10選」を編み上げた。

改めて感じたのは、こんなにもでっかい「愛」と「希望」を、約20年にわたって歌い続けているグループは、広い世界を見渡しても、長い歴史を振り返っても、きっと嵐だけだということ。そして、この混迷の時代の音楽シーンに、たくさんの「愛」と「希望」の歌が溢れているのは、きっと嵐の5人のおかげである、ということだ。

考えれば考えるほど、彼らが残してくれた功績の大きさに、涙を堪え切れなくなる。だからこそ、5人への最大限の愛と敬意を込めて、このリストを編纂した。

残念ながら、ここから漏れ落ちてしまっている楽曲も多いし、何より、嵐のファンやリスナーの数と同じだけの「私の10曲」があって然るべきかもしれない。それでも、編集者としてのプライドを全て懸けて、この記事を制作したつもりだ。

嵐の5人と同じ時代を歩んできた全ての人に、ぜひ最後まで読み進めて頂けたら嬉しい。


A・RA・SHI (1999)

《今日もテレビで言っちゃってる/悲惨な時代だって言っちゃってる/ボクらはいつも探してる/でっかい愛とか希望探してる/Everyday! Everybody!/まだまだ世界は終わらない/いまから始めてみればいいじゃない/Let's get on!  Let's get on Yea!》

ジャニーズグループのデビュー曲は、どれも音楽シーンに絶大なインパクトを与える楽曲ばかりだ。しかし、中でもこの曲"A・RA・SHI"は、特に群を抜いている。大胆にラップをフィーチャーした構成と、次々とグルーヴが変化してゆくスリリングな展開。このミクスチャー・ポップは、まさに新しい時代の幕開けを象徴するものだったのだ。今改めて聴き直しても、全く古びて聞こえないのだから凄い。


感謝カンゲキ雨嵐 (2000)

《Smile Again  ありがとう/Smile Again   泣きながら/生れてきた僕たちは/たぶんピンチに強い/Smile Again 君がいて/Smile Again   うれしいよ/言わないけど  はじめての/深い  いとおしさは嵐》

「最も嵐らしさが表れた歌詞は何か?」と問われたら、《泣きながら/生れてきた僕たちは/たぶんピンチに強い》という一節を挙げるファンは、きっと少なくないはずだ。この渾身のパンチラインには、アイドルの王道を懸命に走り始めた5人の力強い意思が裏打ちされている。彼らの存在意義を示したこのメッセージは、今もなお、決してその輝きを失ってはいない。


PIKA☆☆NCHI DOUBLE (2004)

《止まった時間は夕暮れ   僕らの未来を照らす/二度と戻れない夜の中で/いつまでも語り続ける   永久と希望の歌を/たとえ今だけと分かっていても》

"ハダシの未来"や"言葉より大切なもの"など、初期の嵐の楽曲はバンドサウンドをフィーチャーしたものが多い。それは、嵐の5人自身の、淡く瑞々しい「青春」の輝きを表現する手法として、そのサウンドが最も適していたからではないだろうか。しかし言うまでもなく、「青春」の季節は、いつか終わる。その事実を真摯に受け止め、「大人」の階段を登りながら、嵐の5人は、この日本の音楽シーンにおいて新しいアイドル像を確立してみせたのだ。そして、その挑戦は令和時代へと続いていく。


Love so sweet (2007)

《思い出ずっと  ずっと忘れない空   ふたりが離れていっても/こんな好きな人に  出逢う季節二度とない/光ってもっと最高のLady  きっとそっと想い届く/信じることがすべて  Love so sweet》

デビューから約8年、茨の道を切り開き続けてきた苦難と、数え切れないほどの努力と挑戦が、ここに結実する。運命のターニングポイントとなった"Love so sweet"によって、ついに嵐の5人は「国民的アイドル」の王座に至ったのだ。そして、J-POPシーンを超え、日本中に「愛」と「希望」を届けるための嵐の快進撃は、ここから更に加速していく。


One Love (2008)

《百年先も  愛を誓うよ   君は僕の全てさ/愛している  ただ愛してる   同じ明日約束しよう/世界中に  ただ一人だけ   僕は君を選んだ/君といれば  どんな未来も  ずっと輝いているから》

あまりにも衒いのない、誠実にして真摯なメッセージ。その純度と輝度に、ただただ圧倒される。大げさな言い方かもしれないが、嵐の5人が、まっすぐに「愛」を歌ってくれたからこそ、そして、その正しさと可能性を、この混迷の時代において力強く示してくれたからこそ、僕たちは、音楽を通して「愛」の力を信じられるようになったのかもしれない。嵐のいないJ-POPシーンを、僕たちは、もはや想像することすらできないはずだ。


Believe (2009)

《そう  僕らはずっと待ってる   いつまでだって待ってる/どこまでも続いてゆく道で/心にずっと抱いてる   この夢きっと叶うはず/泣いて笑って  進んでゆく》

「愛」を歌うだけではない。嵐の5人は、この混迷の時代を生きる僕たちを、光輝く「希望」のメッセージを通して鼓舞し続けているのだ。そして、この楽曲をはじめ多くの嵐ナンバーの要となっているのが、櫻井翔によるラップパートである。ライミング技術の上達もさることながら、彼の中には、嵐の楽曲の「核心」を担うという責任感が、少しずつ、しかし確実に芽生え始めているはずだ。《空の向こう越えるための   この人生の抑揚/あの頃の未来向かい   時代に期待せずも進むmy life》というリリックの力強さに痺れる。


Monster (2010)

《僕の記憶が全て消えても  生まれ変わったら   また君を探す/見かけじゃなくて  心を抱いて/満月の夜   君を見つけた   Monster》

嵐のタイアップ楽曲は、ドラマや映画の主演を務めるメンバーが、その曲のメインボーカルを担当することが多い。それぞれの楽曲が多彩な輝きを放ち得るのは、それ故だ。ドラマ『怪物くん』の主題歌"Monster"は、大野智の卓越した歌唱力が特に際立った一曲。澄み切った歌声と、伸びやかなロングトーンが堪らない。


ワイルド アット ハート (2012)

《一度きりの人生  転がるように/笑って泣いて生きてゆこうぜ   Baby/誰かの決めた  自由はいらない/そして   ここではないどこかへ  Someday》

嵐の活動休止の記者会見で用いられたのは、他でもないこの曲であった。おもちゃ箱をひっくり返したかのようなカラフルなポップ・ソングではあるが、決して、ただ明るいだけではない。ここに込められているメッセージを改めて振り返れば、嵐の5人の絆がいかに深いものであるかを感じ取れるはずだ。《出会えた仲間よ   そのままでいい/ためらうことなど何もないぜ/俺たちはきっと  胸に秘めた/涙の代わりに笑って  Say goodbye》という一節に、涙が止まらない。


愛を叫べ (2015)

《このアイ・ラブ・ユーを  親愛なる人に/おまえは今でもアイドルさ   みんな大好きだぜ/だから永遠に  愛し合って   コングラッチュレーション   幸せに/なってくれなきゃ困るぜ  ベイベー/素晴らしい未来へ   愛を叫べ》

嵐の5人にしか歌えない歌があるとしたら、それはきっと、これほどまでにストレートな「愛」の歌なのではないだろうか。年数と経験を重ね、J-POPシーンにおいて嵐という存在が確固たるものとして確立された今だからこそ、彼らはこの歌を通して、日本を鮮やかに、そして大胆に彩ることができるのだ。《素晴らしい未来へ   愛を叫べ》という一節が象徴的であるが、この混迷の時代、こんなにもシンプルで力強いメッセージを、説得力をもって堂々と歌い切ることのできるアーティストは、他にいない。


君のうた (2018)

《歩き出す  明日は僕らで描こう  涙に暮れたとしても塗り変えてゆく/強さ教えてくれた  君の温もりを/追いかけて   果てない未来へ繋がる/いつか巡り逢える虹の橋で  同じ夢を見よう》

56枚目のこのシングル曲において、嵐は、それまでSMAPが保持していたジャニーズアイドルの「最多シングル楽曲数」(55曲)を、ついに超える。

活動休止の発表後、僕たちは、この曲とどのように向き合うことになったか。その答えは人それぞれかもしれないが、僕は、何か特別なものを感じることはなかった。なぜなら、嵐の5人は、この20年間ずっと、そしてこの曲においても、同じことを伝え続けているからだ。

この曲は、次の言葉で締めくくられている。

《今  溢れ出したMy Love   君のために/さあ   届けようMy Love  君のもとへ》

嵐が歌い続けてくれた「愛」と「希望」の歌は、いつだって僕たちのために響き続けていく。そう確信させてくれるこの曲は、この20年間の集大成にして、新章の開幕を告げる号砲なのだ。

活動休止の発表以降、とてつもない悲しみや不安に苛まれた人は、きっと少なくないと思う。

それでも、きっと大丈夫だ。これまでの輝かしい軌跡が、この先に、もっと光輝く旅路が続いていくことを確信させてくれる。

2020年末まで、あと約1年。

僕は、こうして少しずつ、嵐の5人に20年分の「ありがとう」を伝え続けていきたい。



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