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日本初!『防塵・防水PC』株式会社エム・コーポレーション 代表取締役 梅津睦秀さん

株式会社エム・コーポレーションの代表取締役、梅津睦秀さんにお話しを伺いました。

プロフィール 
出身地: 北海道旭川市
活動地域:国内全域
経歴:新卒入社の企業でアフリカ~中東~アジア地域を中心に新規開拓事業を担当し、海外勤務を経験。その後、株式会社エム・コーポレーションを設立。リーマンショックを経て大きく経営方針を転換し、現在は日本初である防塵・防水PCを主力製品に産業用PCの製造・販売を手掛ける。


現場で使えるものをつくる
キーワードは『防塵防水』『360度完全密閉』のPC


記者:今のお仕事について教えてください。

梅津睦秀さん(以下梅津、敬称略): 外部に置けるPCの設計製造、販売をしています。『防塵防水』と『360度完全密閉』がキーワードです。
例えば高速道路や建設現場、食材を管理する現場等、普通にPCを置いたら壊れてしまうような現場でそのまま使えるPCを、現場に合わせて設計し製造しています。
今まで水や鉄粉、油が飛び交うような現場にはPCを置けないことが当たり前だったので、意外とIT化が進んでいないんです。
でも、手作業で処理すると当たり前ですがミスをするし、正しいデータをとりづらいですよね。
現場で使えるものをつくる。
そのことを第一に考え、製品づくりを行っています。
業務や労務改善に貢献し、役に立てることがモチベーションですね。

記者: 画期的な製品ですね! 開発には苦労されたかと思いますがいかがですか?

梅津: 2年ほど失敗の連続でしたよ。「水没しても壊れません!」という商品をつくろうとしているのに、実際にPCを水槽に入れてみたらジャブジャブになったり(笑)
今では製品を展示場に出展する時、水槽に入れて常設しています。
12日間水槽に入れていても動きますよ。

記者:すごいですね!

きっかけはリーマンショック
追い詰められると本気で考える

記者:なぜそのような製品づくりに至ったのでしょうか?

梅津: きっかけはリーマンショックでした。リーマンショック前後で考え方は全く変わっています。
経営をはじめた21年前、弊社は産業用コンピューター製造の下請けでした。競合が多いので毎日が価格の叩き合い、サービスの切り売り。仕事もルーチンワークです。
リーマンショックが起こることは誰も予測がつかなかったけれど、あの時ものすごく後悔しました。
たいした努力もしないで考えもせず、だらだらムダな時間を過ごしたからこうなったんだと。

記者:リーマンショックは衝撃的でしたよね。特に経営をされている方にとっては。

梅津追い詰められると、人間本気で考えるんですよ。何かやらなきゃと。
他の会社が同じことをやっていることをやってもだめだから、自社製品の強みについて本気で考えました。

市場をつくる、ニーズをつくる

記者:『防塵防水』と『360度完全密閉』というキーワードに巡り会ったのはどういった経緯でしょうか?

梅津:運に恵まれましたね。たまたまプロジェクトで、お客様の声を拾えました。
お客様が、今の弊社の商品のような製品を、「本当はこういうのいるよね。ないけどね。」と言っているのを聞いて、「そっか、ないんだ。じゃあつくるか・・・。」と。
そんな成り行きです。
僕だって「『防塵防水』って何だろう?」からのスタートでした。
でも、すでにある市場で、価格やサービスの叩き合いをすることに正直うんざりしていたからちょうどよかった。
すでにある市場に参入したら競争になります。
「市場自体ないところ。そこなら売れるんじゃないか?」と思いました。
市場をつくる、ニーズをつくるという考えです。

記者: 開拓者精神ですね。

梅津:そんなたいそうなものじゃありません。普通にPCを置ける現場はとっくにIT化しています。
普通にPCを置けない現場に置けるようにしただけ。
でも、ニーズは確実にあるしこれからも伸びると思います。
まだまだ弊社の製品のニーズは潜在的です。
PCを置けるわけがないと思っている現場の方に営業しても「そんなのあってもどうするの?」と言われてしまう。ひとつひとつ説明すれば理解していただけますが。
でも、こちらから営業に行かず、探してきてくれたお客様とはぴたりと噛み合う。
以前はカタログをつくって標準品を載せていましたが、現場ごとに違いすぎるのでやめてしまいました。
毎日新規案件がくるから、お客様が市場を教えてくれますね。
「この現場にこんな使い方するんだ!」と。
毎日新しいアイディアが生まれて、新しい製品が生まれます。

記者:リーマンショックから見事な立ち上がりですね。

梅津: 国内最高レベルの『防塵防水』です。この強みにだいぶ助けられています。
でも、あぐらをかいていると必ず似たような製品は世に出てきますから。
焦っていますよ。
AIまで登場してきて、今後どうなるか分かりませんからね。

コラボレーションしてお互い強くなる

記者:今後の展望はありますか?

梅津:自分達だけでは何もできないと思っています。いい製品をつくっている同業者は沢山います。みんな一生懸命です。
その人達とうまくコラボレーションできればお互い強くなれるはず。
AIともうまく共存したいですね。

記者:梅津さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。

梅津さんと株式会社エム・コーポレーションの詳細情報についてはこちら
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【編集後記】
インタビューを担当した藪内と池田です。ご本人は謙遜されていましたが、「ないものをつくる」ということは並大抵のことではないと感じました。
そして、市場とニーズをつくり出すということは、これからのAI時代に必要になるキーワードなのではないかと思います。

この記事は、リライズ・ニュースマガジン“美しい時代を創る人達”にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36


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