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派流血統の持込馬サトノクラウンは、超良血馬にいかに敗れたか〜2015年牡馬クラシック(皐月賞まで)〜

前書き

2023年の弥生賞をタスティエーラが勝利。サトノクラウン産駒は重賞初勝利でしたね。
サトノクラウンも現役時代に弥生賞を優勝していました。
サトノクラウン、リアルスティール、ドゥラメンテを中心に、非常にアツかった2015年の牡馬クラシック(皐月賞まで)を振り返ります。

2月1日 セントポーリア賞(OP)

まずはオープンのセントポーリア賞。
このレースには、ドゥラメンテが出走し5馬身差の圧勝を演じます。
ドゥラメンテは、歴史的名牝エアグルーヴとサンデーサイレンスとの仔(アドマイヤグルーヴ)に、キングカメハメハをつけるという、近代日本競馬の究極形ともいえる超良血馬で、当然にデビュー前から破格の期待を背負っていました。
しかしデビュー戦でよもやの敗戦を喫すると、2歳時は2戦目の未勝利を勝って終了。
年が明け、クラシックへの出走を見据え、確実に賞金を上積みするためオープンに出走してきた、という具合でした。
僕はこのレースはリアルタイムでは見ていませんでしたね。
後で、『例のエアグルーヴの孫がすごい勝ち方をした』という記事を見ることになる訳なんですが、僕は良血馬は大いに疑ってかかるたちでして、その時は「ほーん」という程度でした。

2月15日 共同通信杯(GⅢ)

中1週でそのドゥラメンテが登場。当然の1番人気で1.8倍。
2番人気は桜花賞馬キョウエイマーチの仔アヴニールマルシェ。2歳時に重賞2着が2回の実績。因みに僕はキョウエイマーチ大好きで、この馬もPOGで指名していました。
そして3番人気に1戦1勝のディープインパクト産駒リアルスティールが続きました。


レースは直線、外から先に抜け出したドゥラメンテが他馬を突き放すかと思われたところ、内からリアルスティールがディープインパクト産駒らしい瞬発力を繰り出し、半馬身先着して勝利。
それまで共同通信杯では、デビュー2戦目で馬券になった馬はおらず、世代のエースと目されたドゥラメンテを一蹴したリアルスティールに「すごい馬が出てきた」と僕は胸を踊らせたのでした。
一方でドゥラメンテについては、「言ってもこれで4戦2勝、やはり期待先行」という判断をしてしまうのでした(道中かかりまくりだったのにもかかわらず…)。

3月8日 弥生賞(GⅡ)

トライアル第1弾の弥生賞。
1番人気は、当時まだGⅡだったホープフルSを勝っていたディープインパクト産駒のシャイニングレイ、1.9倍。
やっと登場の当noteの主役サトノクラウンは、トーセンバジルらとの2番手集団の筆頭(2番人気)という評価でした。
当時はとにかくディープインパクト産駒の天下で、父Marju、さらに母の父Rossiniと日本で全く馴染みがない血統のサトノクラウンは、なにやら特異な雰囲気を醸し出していたんですよね。


そしてサトノクラウンはこのレースを快勝します。
前に行ったシャイニングレイを見ながら4コーナー余裕の手ごたえで先頭に立つと、軽くムチを入れて後続も寄せ付けず、追い込んできたブライトエンブレムこそ1馬身半差でしたが、その後ろはさらに2馬身半差をつける余裕の勝利。
これで3戦3勝。脚力もさることながら、皐月賞と同コースで操縦性の高さを見せての快勝で、「これはかなり良い馬、リアルスティールと激突したらどうなるのか…」。
皐月賞は別路線で走ってきた無敗馬がぶつかるのが醍醐味、と考えている僕には願ってもない展開でした。
ただ、「サトノ」の冠の馬はそれまでGIを勝ったことがなく、またオーナーがパチンコ業界で財を成した方ということで批判的な意見を受けることが多く、サトノクラウンも本物かどうか懐疑的という見方が多かったように思います。

3月22日 スプリングS(GⅡ)

一躍世代トップに躍り出たリアルスティールが登場。勝てるかより、皐月賞を前に中山でどう勝つのかが見どころといった雰囲気で2.0倍の1番人気。
2歳チャンピオンのダノンプラチナ(2番人気)より支持を集めたところに、期待の大きさが伺えました。
年明けの京成杯を勝っていたベルーフが少し離れた3番人気というオッズ。


レースは超スローペースに。この展開を利して勝利したのは5番人気のキタサンブラックでした。
後にGIを7勝する名馬も、この時点ではキタサンの冠や父がディープインパクトの兄のブラックタイドであること等から、トライアルを勝っても半分ネタ馬扱い。
リアルスティールも勝負どころで押し上げて行けなかったところをみると、気性面で若さがあるのか…
脚力以外の面で弱点を露呈し、ニューヒーローの登場を期待した僕のトーンはややダウン。「本番はサトノクラウンかな」という展望に落ち着きます。

4月19日 皐月賞(GI)

そして本番の皐月賞。
1番人気は無敗でここにたどり着いたサトノクラウン、3.1倍。
2番人気はリアルスティールで3.8倍。前走と同じ轍は踏まないだろうという期待か、サトノクラウンに迫る人気。
3番人気にドゥラメンテ4.6倍。
この3頭で三強を形成という形でしたね。
少し離れた4番人気がキタサンブラック9.7倍。
馬券はどう買ったのか、はっきりとは覚えていないんですが、たしかサトノクラウンとリアルスティールの馬連が本線で、サトノクラウンと穴っぽいところとのワイドも買ったように思います。
ドゥラメンテは人気先行と思い込んでたので買ってません。これは間違いない…
レースは僕の文章より、映像で見てもらった方が良いでしょう。

ドゥラメンテさん、お見逸れしました。人気先行とか言ってすいません。
サトノクラウン、どこ行った…

当時は「サトノクラウンとはなんだったのか…」と盛んに言われていましたね。
その後ダービーで逆転を狙いますが、ドゥラメンテに返り討ちにあい、結局クラシックは無冠に終わりました。
でも古馬になってGIを2つも勝ち、種牡馬になって重賞勝ち馬も出したわけですから立派なものだと思います。
血統的に相手を選ばない強みがあるので、サンデー系の有力牝馬の相手として選ばれるようになれば、今後も良い産駒が産まれるんじゃないかと期待しています。

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