備忘録(読後感)

異常【アノマリー】 単行本 – 2022/2/2
エルヴェ ル・テリエ (著), 加藤 かおり (翻訳)
時空歪み系の骨っぽいSF。エンディングが秀逸。人物描写も恐ろしく丁寧。章ごとに異なるトリッキーな文体も、実在する先進国の指導者が出てくるのも楽しい。時間できたらもう一度頭から時間をかけて読まないと。もっとも近いうちにハリウッドかネトフリが実写で作るだろう。

黄金旅程 
馳星周/著 集英社
本格的競馬小説。展開はブンブン動いて飽きさせないが、心象描写は深くない。展開を止めてじっくり心を通わせるような部分がもっとあってもいい。

つまらない住宅地のすべての家 津村記久子/著  双葉社
素晴らしい。そのへんの住宅地でありそうな怖い話が、それぞれの心象を含め丁寧に描かれている。世間の常識からこぼれた連中の描き方が最高。

今村翔吾『塞王の楯』集英社
直木賞。近江の大名、京極高次に仕える石垣職人が「最強の楯」を作らんと、ライバルである鉄砲職人とのせめぎ合い。長いが、一気に読ませる。


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