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「初音ミク×鼓童 スペシャルライブ2023 ~結~」へ行ってきました

2023年6月3日〜6月4日、NHKホールで開催された「初音ミク×鼓童 スペシャルライブ2023 ~結~」へ行ってきました。個人的に色々言いたいことや感じたことがありましたので記事にまとめてみました。


そもそも初音ミク×鼓童とは?

「そもそも初音ミク×鼓童とは?」という方に一言で説明するとこうなります。

NHKさんが主催する和太鼓とテクノロジーを融合したハイクオリティエンターテイメント

と、かなり個人的な解釈にはなりますが。ファンの視点から簡単に言うと初音ミクたちのライブと鼓童さんのライブを融合したものとなります。でも主にボカロ曲が演奏され、そこに鼓童さんの演奏が加わる形式です。
たまに鼓童さんのオリジナル曲が2〜3曲ぐらいセットリストに入っており、どちらのパフォーマンスも楽しめる大盛りセット、みたいな感じです。

こちらのコラボは初めてではありません。遡って2017年、NHKさんが東京オリンピック・パラリンピックに向けて、日本の文化を海外に発信するイベントシリーズ「This is NIPPON プレミアムシアター」を発足し、その第一弾となるのは一回目の「初音ミク×鼓童 スペシャルライブ」でした。

その後私が大好きなPerfumeさんもこのイベントシリーズとして「『Perfume×Technology』presents "Reframe"」を開催し、最先端のテクノロジーと高度なダンスパフォーマンスで世界中のファンに届けられました。

ちなみにこちらのイベントは、その後2019年と2021年、NHKさん主催ではなく独立主催という形で開催されてきました。

二回目の初音ミク×鼓童はPerfumeさんの後、2018年6月2日〜3日に開催されました。

当時日本で交換留学していた私も当然こちらのライブに参加することができました。それまで何度も初音ミクたちのライブへ足を運んでまいりましたが、2018年の公演で感じていた熱狂と音の迫力、素敵な景色は未だに鮮明に覚えております。
一番印象に残ったのはアンコールの一曲目「Satisfaction/livetune」、元々ダンスミュージック好きな私にとってライブでこの曲を聴くたびにいつもゴリゴリEDMに合わせて自由に楽しんでいましたが、さらに和太鼓の重低音と合わせて幕が上がって、会場の熱気が最高潮に至り、私もガンガンヘドバンしながらパフォーマンスを見てました。あのSatisfactionは本当に今まで見てきた中で一番豪華で楽しくて、その後首一週間ほど痛かった記憶があります。
こんな楽しかったライブはなかなかないと、一つ留学の貴重な思い出になりました。

今回の公演の感想

※鼓童さんのソロパートについて詳しくないため、セットリストは公式サイトに公開されるまで掲載を控えます。

2020年に公開されたこちらのリハ動画の曲(太陽系デスコ/ナユタン星人、Amazing Dolce/ひとしずく×やま△など)は全部今回のライブで演奏されました。

一曲目は3年待ってようやくフルで聴けた「NEPPUU〜熱風〜/みきとP」。イベントが中止された際、本当にこのままお蔵入りされるんじゃないかとずっと思っていたから、もう出だしから涙が止まりませんでした。サビの時、鼓童さんの一人が前に出てミクさんと同じく両手を交互して前に出すのも、一緒にやれて楽しかったです。

それだけではなく、鼓童さんのソロパートももちろんありましたし、ミクさんと鼓童さんの合唱曲(曲名不明ですが自分の中では「トントンの曲」で呼んでます)も素敵でした。何よりglowの鼓童さんオンリーアレンジバージョンは本当にCD出して欲しいぐらい最高でした。
「劣等上等/Giga」→「リモコン/じーざすP(ワンダフル☆オポチュニティ!)」→「いーあるふぁんくらぶ (みきとP)」という鏡音大サービスパートにおいては、台湾からのリンレン好きな友人の全力で楽しんでいる姿を隣で見て嬉しくなりました。リモコンのお兄さんも今回ダンスバッチリで最高でした。

公演グッズ一覧

そして大好きなピノキオピーさんの楽曲「祭りだヘイカモン」も演奏されました。公演一回目の時、イントロが始まって0.5秒の頃にすでに祭りだヘイカモンであることを知り、「まじかああああああああああピノキオピーーーーーーーまじかああああ死ぬうううううう」と本当に我を忘れました。そしてピノキオピーさんの「その神輿が偽物だ!」という叫びがNHKホールに響き渡った時、すごくすごく嬉しかったです。いまだに現実味がないです。
あまりにもびっくりしすぎてテンション上がりすぎて、他の人がまだコールと合いの手がわからないところでしたが、大声で叫んで一人で楽しんでいました。後々になってちょっと恥ずかしくなるぐらい本当に狂ってしまいました。隣が台湾の友人でよかったと、本当に心の底から思いました。
2018年の公演では会場BGMとしても使われました。5年越しに本公演に抜擢され披露されたというのは本当に胸熱でした。この曲をセットリストに入れてくれた制作チームの方、そしてピノキオピーさんに最大級の感謝を。

祭りだヘイカモンももちろん驚きでしたが、その後も好きな楽曲が連発できてそろそろ心が持たなくなる頃に「グリーンライツ・セレナーデ/Omoi」が演奏されました。「マジカルミライのテーマソングにここに持ってくるのか!!!!!」と思いつつ、でもよくよく考えたら鼓童の鶴見龍馬さん(鼓童さんの中一番ミクさんが好きな方)がステージ上にいて、この曲の歌詞「『好き』をもっと 信じるのさ 何度転んでも キミは キミの やり方でいいのだ!」はまるで鶴見さんのエピソードをそのまま表しているのではないかと思うと、自分の中で感動が止まらなくなりました。

※鶴見さんのエピソード:鼓童さんに加入する前からミクさん好きで、2017年〜2020年の公演に出演したいと要望出していたものの、すでに鼓童さんのツアースケジュールが決められたから出演の夢が叶えられず、2023年にようやく出演ができましたという壮大な努力ストーリーです。詳しくは鼓童ハートビートラヂオ103回をご覧ください。

アンコールに「千本桜/黒うさP」→「Blessing/halyosy」→「Hand in Hand/livetune」を持ってくるのもずるかったです。Blessingでクリプトン六人とバンドメンバーと鼓童の皆様がステージに立つ様子は、本当にキラキラと輝いているように見えました。最後にHand in Handで会場の全ての人が一つになり、今回の公演がこうして素敵なエンディングを迎えました。

無料ペンライト、チケット一枚で一個もらえます

私とコロナ、そしてエンターテイメント

2020年、台湾の大学から卒業して北海道の会社に就職したばかりの際に、「初音ミク×鼓童 スペシャルライブ2020」が開催されるということを知り、それを一つの目標として頑張ろうと思った途端、コロナによって延期、そして中止と発表された時、本当に悲しくて仕方がありませんでした。
もちろんマジカルミライが開催されてきましたが、初音ミク×鼓童というかThis is NIPPON プレミアムシアターは本来東京オリンピック・パラリンピックのために生まれたイベントであって、2021年すでに東京オリンピック・パラリンピックが開催され、初音ミク×鼓童というイベントが中止となり、それはもう今後やることもないと同義と思ってしまいました。テーマソングの「NEPPUU〜熱風〜」も結局ショートバージョンしか聴けなかったし。

ただでさえコロナで閉鎖的な社会になっている中で、「エンターテインメントは不要不急だ」と一部の人々に言われ続けてきたこの世界に対しては何も望まないと絶望してしまいました。
自分はこうして日本のボカロ文化、エンターテインメントがあったからこそ、慣れない環境で頑張り続けてきたのに、まるでそのすべてが無意味で、このまま私たちが向かっている未来は暗いままで、エンターテインメント業界もこのまま絶滅になるじゃないかってすら思いました。現実、コロナでつぶれたライブハウスなどもありましたから。

それでも、超歌舞伎や鼓童さんのように諦めずにエンターテインメントをやり続ける人がいて、私の心はその人たちの絶境に立ち向かう姿勢に影響され、強くありたいと思いました。
「エンターテインメントは不要不急ではない、私にとってエンターテインメントは、何よりも大切な生きる糧です」と、胸を張ってこの世界に言えるようになりました。

何度も絶望に陥って、何度もまたエンターテインメントとボカロ文化に救われてきました。メンタルがしんどくて台湾に戻って療養した期間もあったものの、それでもやはり日本に戻って、生きるための道をひたすら必死に探しておりました。

2022年からやっとこの世界が少しずつ私が知っているものに戻りつつあり、そして2023年に再演することを知った瞬間に、あまりにも嬉しすぎて涙が止まらなくなりました。

会場外にある掲示板

いざ当日会場に入り、公演が始まり、2018年の記憶より上回った熱気と皆様の声が、ずっと心に響き続けてきました。公演自体はもう最高で何も言うことはありません。鼓童の皆様が楽しく演奏している姿をこの目で見ることができただけで、もう満足です。

何より私が一番うれしかったのは、一日目の夜公演にミクさんが先に出て、でも音響に問題があって(オブラートに包んで言ってみた)、何も音声が流れていなくてミクさんが一度ステージから降りて、そこでバンドメンバーも鼓童の皆様もファンと一緒にミクさんのことを呼んでくれてたことです。ミクさんを愛するのはファンだけではなく、ステージ上にいる演者たちも同じ熱量でミクさんを愛していると、自分の中で確信できた出来事でした。

こうして、私もまた救われました。エンターテインメントで救われた人間は確かにいることをこの文章でお伝えできれば幸いでございます。

初音ミクコスプレどーもくん、可愛かった

公演が終わって、私の思い

普通の初音ミクさんのライブより、このようなコラボライブで違う文化が交わった瞬間をこの目で確かめることができ、本当に刺激的でわくわくが止まらなくなります。当日鼓童さんのファンともお話ができましたが、初音ミクさんのライブがはじめてですがとても楽しみなど、私が好きな文化がこうして違う界隈の人に受け入れられて、本当にうれしく思いましたし、今後鼓童さんの単独公演も絶対行きたいと思いました。

それから、今回のライブは海外のお客さんが多く来場しており、台湾からの友人たちもこのコラボライブのために日本へきました。中には5年ぶりに初音ミクさんのライブに参加する方や、初音ミクさんをよく知らないけどライブが楽しかったと仰った方がいらっしゃいました。日本国内だけではなく、世界に向けて発信すべき素晴らしい文化とエンターテインメントであることを強く感じました。

本当にいろんな方に見ていただいたこのスペシャルライブですが、今回のライブで最後というのは、すごく寂しく思います。きっとまだこのライブを見れていない方が多数いらっしゃいます。台風の影響などで来られなかった方がいらっしゃいます。
だから、今回は「結」で最後ということはわかっていますが、それでも次回開催の願いをNHKさんのアンケートを通じて送らせていただきました。私たちファンの思いが、物事を動かすことができることを信じて。

いつか、国内ツアーで札幌へ来てくれると絶対行きますし、鼓童さんの海外公演の時に台湾に来てくれるといいなと、心の底から思っています。

最後に

NHKさん、鼓童さん、クリプトンさん、そしてこの公演に関わった全ての方々に、この文章とこの言葉を贈ります。

最高の『結』をくれて、ありがとうございました。
素敵な公演をやってくださって、救ってくれて本当にありがとうございました。
またいつかお会いしたいです。

会場内ののれん

ここまでお読みいただきありがとうございました。えこでした。

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