シャーク強化の問題点

 ttoです。今回は「シャークは定期的に強化が来ているのに何故パッとしないか」という問題について語っていきたいと思います。

 因みに筆者はステルスクラーゲン登場の翌週に【クラゲシャーク】にてCS準優勝し、

 その後も不定期にシャークを使用しています。


シャーク強化の歴史

 シャークデッキの原型はデュエリストパック神代兄妹編の前後で完成しました。《ダブルフィン・シャーク》《サイレント・アングラー》が登場し、ランク4エクシーズを安定して作ることができるようになります。このころは《エクシーズ・リモーラ》も使用することが多かったのですが、エクシーズリモーラには水属性エクシーズ素材にしかできないという制約がありました。
 汎用水エクシーズの《深淵に潜む者》《No.101 S・H・Ark Knight》が登場し、Arc-V期にはシャークの登場はなかったものの、《バハムート・シャーク》の特殊召喚先として《餅カエル》が生まれます。
 その後長らく音沙汰がない期間が続きましたが、プレミアムパック2020で《ライトハンド・シャーク》《白の水鏡》さらにETERNTY CODEで《カッター・シャーク》をはじめとする魚族メインモンスターの強化が入ります。
 そしてアニメーションクロニクル2021で《No.4 猛毒刺胞ステルス・クラーゲン》が登場し着地狩り性能が高くなり、バハシャ餅や深淵と併用した【クラゲシャーク】が環境に食い込みます。冒頭で紹介した筆者のCS準優勝はこの時のものです。
 その後に深淵の決闘者編でナッシュとしての強化、ワールドプレミアムパックでのFAとしての強化があります。これはシャークというキャラクターを指名した強化であり、待望の強化であり評価される点も多々ありましたが、後述するような問題点がありました。

クラゲシャークはなぜ環境で戦えたのか

 クラゲシャークというデッキが一時的にせよ環境にて成績を残せたのかについて3つの要因があると思います。
① 除去性能の高さ
② 強力なシステムモンスター、質の高い妨害の供給
③ ①と②を安定して出すことができ、なおかつ手札誘発などの自由枠を確保できたこと

(外的要因として、当時流行していた【コードトーカー】相手にステルスクラーゲンや御前試合が刺さったことも上がります。)

① 除去性能の高さ
 ステルスクラーゲンには同名ターン1が存在せず、分裂効果を有していました。その為、エクシーズ召喚の後に破壊効果を使用し、その後自爆特攻から分裂し、子クラゲでも自爆特攻をすることで蘇生、子クラゲとステルスクラーゲンを並べることで2枚除去をしつつ、相手のターンに2枚除去を残すといった芸当ができました。
 また、アーゼウスが当時無制限だったことにより、エクシーズモンスターの攻撃さえ通せば魔法罠を除去することも容易でした。

② 強力なシステムモンスター、質の高い妨害の供給

 バハシャ餅により、1枚万能無効かつ後続確保が可能であり、また深淵に潜むものやバグースカなどの登場から現在まで使われ続けている汎用4エクシーズも使用できました。

③ ①と②を安定して出すことができ、なおかつ手札誘発などの自由枠を確保できたこと

 カッターシャークや鰤っ姫による1枚初動から上記のエクシーズモンスターを出すことができたことに加え、サイレントアングラーなどにより相手のうららなどの手札誘発を貫通することができました。

深淵の決闘者編、FA(フルアーマード)の問題点

 さて、深淵の決闘者編は待望のシャーク名指しの強化でした。しかし既に有志により大枠が完成していた【クラゲシャーク】から外れた強化となったことが問題でした。

メインモンスターにかかる制約が大きい

 深淵の決闘者編では、アビスシャーク・クリスタルシャークはメインに入る新規モンスターでした。アビスシャークは自身を特殊召喚しつつ、魚族3-5をサーチするという効果です。弱い効果ではないのですが、

《アビス・シャーク》
星5 (1):(略) このターン、自分は水属性モンスターしか特殊召喚できず、 (略) (2):このカードを「No.」モンスターのX召喚に使用する場合、 このカードのレベルを3または4として扱う事ができる。

 この制約が問題でした。効果を使うと水属性エクシーズしか出せない上、カッターシャークなどとは異なり、Noモンスターでしかレベル変更機能は使えません。事実上水属性のNoエクシーズしか出せなくなります。
 【クラゲシャーク】で出すエクシーズではステルスクラーゲン一択になります。漫画シャークが使用したバハムートシャークは出せません。ほかにもシャークが使用した非ナンバーズのエクシーズモンスターはたくさんありますが、それらもほとんど出せません。ナッシュデッキを作ろうにも後述するオーバーハンドレットのギミックは使えますが、CX冀望皇バリアンも出せません。一応クリスタルシャークには水属性縛りはないのですが、やはり星5でNoエクシーズにしかレベル変更が反応しないのでやはりバハムートシャークは出せませんでした。
 水属性デッキではゴーティスなどで採用されるので決して弱いカードではなかったのですが、当時の環境向けだった【クラゲシャーク】やシャークファンデッキとしては、あまり満足のいく内容ではありませんでした。(シャークじゃなくてナッシュのカードだからという言い訳があったかもしれませんが、だったらバリアン出させてください。)

エクストラデッキの枠が足りない

《N・As・H Knight》

エクシーズ・効果モンスター
ランク5/水属性/水族/攻1700/守2700
レベル5モンスター×2
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドに「No.」モンスターが存在する限り、このカードは戦闘では破壊されない。
(2):自分・相手のメインフェイズに、このカードのX素材を2つ取り除いて発動できる。EXデッキから「No.101」~「No.107」のいずれかの「No.」Xモンスター1体を選び、このカードの下に重ねてX素材とする。その後、このカード以外のフィールドの表側表示モンスター1体を選んでこのカードの下に重ねてX素材とする事ができる。

《CX-N・As・Ch Knight》

エクシーズ・効果モンスター
ランク6/水属性/水族/攻2000/守3000
レベル6モンスター×3
このカードは自分フィールドの「N・As・H Knight」の上に重ねてX召喚する事もできる。
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドのこのカードは効果では破壊されない。
(2):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。 「No.101」~「No.107」のいずれかの「No.」Xモンスター1体を、 自分フィールドのこのカードの上に重ねてX召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する。 この効果で特殊召喚したモンスターは次の相手エンドフェイズに破壊される。

 この2つのカードを見てまず思ったことは「(1)の効果いらないな」です。どちらのカードもオーバーハンドレットを出すための下敷きなのだから耐性など合って無きがごとし。で「この(2)くらいの文量なら1枚に出来ただろう」と。
 【クラゲシャーク】のエクストラは、クラーゲン2子クラゲ2バハシャ餅深淵アーゼウスまでで8枚使用し、人によっては未来竜皇ギミックとしてさらにランク3FA未来皇未来竜皇の4枠を使用していました。
 このギミックを使うとすれば101+カオス体+この2枚で合計4枠を使用することとなります。モンスター2枚を破壊以外の手段でどかせるのは大きいですが、枠が非常にシビアとなります。ちなみにバリアンまで入れると5枠必要になります。
 これがもし1枚にまとまっていれば101+カオス体+1枚の3枠で済むのでぴったり収まることになります。そうなっていたら使用率もかなり変わってきたと思います。

 同じことはFA(フルアーマード)にも言えます。
 FA自体は「フルアーマード化(装備2種)で攻撃して5000近い攻撃力で2回+ナイトレイランサーの除去+3100打点」というギミックでこれ自体は悪くないのですが、バハムートシャーク+ランク3+フォートレス+ナイトレイランサー+ホープレイランサーで5枠使用します。
 これも、ホープレイランサーは「手札のフルアーマードエクシーズを捨てる」以上の目的はないので、この手札を捨てる機能をどこかに渡しておけば1枠減ったかと思います。

モンスター除去に偏りすぎている

101が

(1):このカードのX素材を2つ取り除き、
相手フィールドの特殊召喚された表側攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする。

c101が

(1):1ターンに1度、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする

102が

(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、元々の攻撃力と異なる攻撃力を持つ相手フィールドの攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊し、自分はデッキから1枚ドローする。
この効果は相手ターンでも発動できる。

ヴァリアントシャークランサーが

(1):相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
自分フィールドのX素材を1つ取り除き、対象のモンスターを破壊する。
自分フィールドに他の水属性Xモンスターが存在する場合、この効果は相手ターンでも発動できる。

クラーゲンが

(1):フィールドの表側表示モンスターは水属性になる。
(2):1ターンに1度、自分・相手のメインフェイズに発動できる。
相手フィールドの水属性モンスター1体を選んで破壊し、その攻撃力の半分のダメージを相手に与える。

ネフィルが

(2):自分・相手のメインフェイズに、このカードのX素材を2つ取り除いて発動できる。
EXデッキから「No.101」~「No.107」のいずれかの「No.」Xモンスター1体を選び、このカードの下に重ねてX素材とする。
その後、このカード以外のフィールドの表側表示モンスター1体を選んでこのカードの下に重ねてX素材とする事ができる。

ナイトレイランサーが

(3):1ターンに1度、自分フィールドのモンスターに装備カードが装備された場合に発動できる。 相手フィールドのモンスター1体をこのカードのX素材とする。

 上記見ればわかる通り、どのカードもモンスター除去のみを行います。
 ゼアル時代はモンスター除去偏重なのはわかりますし、クラーゲンは強いから許すとして、細かな違いはあるにせよモンスター除去を作りすぎだと思います。
 魔法罠を破壊できるのは超量機獣グランパルスとFAブラックレイランサーくらいで、FAブラックレイランサーは戦闘を経由する必要があるという問題があります。

まとめ

 一通り自分が考えたシャーク強化の問題点についてまとめました。いろいろ悪口を書きましたが、最近の強化も「シャークデッキとしての個性を出したい」という公式の苦心の結果なのではあろうと思います。ただ、エクストラの枠や制約の問題などで使いにくい結果になっているのは残念だと思います。
 Twitter(X)などを見ているとシャークの問題点についてのいろいろな意見がありますが、個人的に問題かなと思ったのは上のようなことです。
 最後までお読みいただきありがとうございました。ご意見・感想などありましたら、各々SNSや匿名掲示板などで発信していただければと思います。

 


 

 

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