ヴィデオドロームを見ました。

ヴィデオドロームを見ました。

なんか映画通が好きそうなので、意味わかんねーか、エログロのどっちかだと思ってましたが、普通におもしろかったです。

見くびってごめんね。
あとネタバレがあります。気を付けてください。

よかったとこ

強い設定、確かなエンタメ

謎のビデオによって、精神と肉体が変容していく……。
というとよくあるホラーって感じだけど、ビデオの扱い方がうますぎ。
なんやかんやで主人公はビデオ人間に変貌するのだけど、なに「ビデオ人間」って。字面だけ見たらおふざけだが、脈打つビデオカセットが腹に収まるのを見たらそうも思ってられないだろう。
ある程度論理を説明しつつ、画面の力で説明をねじ伏せる設定の強さがあってとてもよい。
あと、個人的な好みではあるが、認識によって現実を改変する系のフィクションが大好きなので、さらにとてもよい。

そんな強い設定を土台に、序盤は「ヴィデオドローム」の謎、ヒロインの失踪、怪しい教授、怪しい眼鏡屋……そしてビデオ人間の誕生。と物語が展開していく。なにが現実でなにが幻覚なのか、主人公も視聴者もわからなくなりながら話が進む。終盤で明かされる黒幕と陰謀。いやエンタメすぎるて!最高!

幻覚、サイコー!

ジャンキーの感想?

いやジャンキーの感想違くて。
ヴィデオドロームによって生まれる幻覚。この幻覚がまたクール。
テレビやビデオカセットが生物的に蠢き脈打ち、主人公自身の肉体が変わっていく。ホラーでもあり、SF的でもある。

これ主人公がおかしくなっちゃっただけ説ある?

ある。

そこもすごい。視聴者は主人公視点で現実と心身の変容を追っていくわけだけど、これマジでただ主人公が発狂しただけ説もある。「ヴィデオドロームで脳腫瘍ができて、幻覚能力が拡張される」というのは主人公が作り出したストーリーの可能性もある。いや、書きながら実は苦しい理屈だと思いつつだが、その可能性もある。としておく。曖昧な描写なので考え甲斐がある。
曖昧な描写、サイコー!

よくなかったとこ

ややゆるめのテンポ感

逆に、逆にね。僕が今の映画に慣れすぎてるってことです。
むしろ昔の作品にしては話のテンポはよく、イベントが次々に起こってて見やすい方だと思います。カットからカットまでの一連の映像のテンポはやや遅い感じがした。今の作品が切り詰められすぎてるのかもしれん。でも間延びしてる感じがしたんだもん!という印象。(印象の話なので僕がどう思ったかがだけが大切。これって僕の感想ですよね?)
最近はひろゆきを内在化した人がインターネットにはたくさんいるから自衛しないといけなくて大変ですよね。あ、こちらの話です。

まとめ

思想のある映画が好き

最近(そこまで最近じゃないかも)のインターネットで思想っていうと右か左かみたいな感覚もありますが、ここでは世界に関する見方や考え方全般を思想と呼びます。いいですね?

そう、ヴィデオドロームはかなり思想があってよかった。刺激を求めることとビデオの関係や、認識と現実との関係、設定やストーリーの裏に流れる思想が感じられてよかった。それは監督の思想かも知れないし、当時の世界の思想かも知れない。ま、誰の思想かとかはどうでもいいです。
大事なのは僕がそれを感じて、考えてることだと思うので。

てことで、
多分まだテアトル系列(系列とかいうのか?)で上映中!見たい人は見ろ!


おわりでーす。あざした。

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