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嘘と沈黙

前回のあらすじ:ペアーズでマッチングした年下男性と会ってみたら既婚者で、翌日奥さんと会わないかと提案された。しかも向こうの自宅で。自宅…?夫が知らない女を連れて来るなんて招かれざる客では?そういやこれも結婚を題材にしたストーリーだったなと思うがそんなことよりも自分でもどういう状況かわからない。修羅場しか始まらないのでは?
当事者が1番よくわかってないぞ。でも物語の主人公とはそういうものでしょ?知らない間に物事は進む。ただ選択肢を間違えるなよ。死ぬぞ(社会的に)

とりあえず了承し、そのまま喋って翌日お宅にお邪魔する話でその日は別れた。
やはり契約書にサインか?化粧品でも買わされるのか?
どういう状況?何でマッチングアプリで既婚者引き当てて奥さん紹介されるん?そんな状況になった場合の対処法ヘルプにも記載されてないよ?

既婚者と告げられた後、マッチングアプリしててどう?いい人いる?と最初に会った時に話の流れで切り出された。
その時は他にも何人かの男性とメッセージのやり取りをしていたが正直話してて面白いと思える男性がまだいなかった。
そもそも地元に面白い人いる?俺は今日喋っててこんな面白い人いるんだと思ったし、(本名)ちゃん勿体ないよ。もっと自分のレベル上げていい男捕まえなよ。まだ結婚とかはっきり考えてないなら自分磨こうよ、と言われた。自立した女目指そうよ。
今思うと良い常套句だなと思う。一瞬乗っかった。
自立した女になりてえよな〜〜何がどうすると自立した女と呼べるのかわからんが。
とはいえ自分は中身がスッカラカンで面白みのないつまらない人間だと思っているのでそう言われたことが正直嬉しかった。
だから、多分明日も話せるの楽しみだなという気持ちの方が大きかった。

翌日、緊張の面持ちでインターホンを鳴らす。入ったら最後無事にここから出られるのだろうか。
出迎えてくれた奥さんが綺麗な方で、リビングに通され招待した旦那もとい年下男性とへんに緊張したわたしを入れて3人で話した。が、会話の内容が自己紹介に始まりどこそこに行った旅行の話、趣味の話と本当に所謂世間話のようなものだったが、何かしらの話題の糸口を探しているようだった。
多分何かに絡めて勧めようとしてるんだろうけど、その話したいであろう話が続かないのだ。というのも何かと会わせたい人がいる、素敵な人がいると言うが人の紹介で他人に会うのが苦手なので完全に興味がなく、へえ、としか言えなかった。というかそんなに紹介したいなら普通に会わせてくれてよくない?何か段階踏まないと駄目なのか?あ、もしやこれ宗教の勧誘か?などと目標にしたい人はいるかと会話をしながら頭は冷静だった。特別目標にしたい人っていないんだけどこの手の質問て難しくない?

とまあ、この後約束があるからと終わりを告げられ来週またお話ししない?と申し出された。
まああれだけ言いたそうなのに肝心な所言い出せなかったもんな、と思いつつ了承。翌週にまた自宅へ。今度こそ契約書にサインかな?

この時点で何かしらの勧誘だろうなとは踏んでいた。
が、信じたくなかった気持ちが少なからずあった。話してて楽しいし決してその時間に嘘はなかったと思いたいから。
そうやってすぐ情が湧く女なんだよわたしは…チョロいんですよ、マジでチョロい。チョロいから約束もしっかり守るんですよ。何なら前のめりで守る。

翌週日曜13時にインターホンを鳴らす。
完全に焦ったような声。アー何かわたしとの前に予定あるって言ってたもんなと思いつつも通されたのでお邪魔するが、よくよく考えれば、約束の時間間違えたわ...早く来すぎた…と気付き奥さんに謝るが、この後予定あるし丁度よかったから大丈夫!何飲む?お水で大丈夫?と聞かれる。申し訳ない...と思いつつお水で大丈夫ですありがとうございますと返すとわたしのグラスが置かれ、わたしの前に奥さんが自分のタンブラーグラスを置く。居た堪れず伏せていた視線を動かすとそのタンブラーグラスには見覚えも聞き覚えもある権利収入を謳う社名が印字されていた。

そっちか~~~~~!(閃き)(心の中で額を手で覆う)

ここで全てが繋がった瞬間である。勧誘となると宗教かな、宗教ならもうすでに複数入信してるしな~~(※アイドルの話です)化粧品はいつもの如く、肌が脆弱なんで...(しかし化粧はバッチリ)でいけばいいやと思っていた。
しかしよくこの企業商品の勧誘された話や実際商品を使っている人の話は聞くが、実際問題この手の勧誘ってどんな感じなのかなと思いそのままシラを切り気付いてないフリをした。(今思うとこの行動かなりアホですね)
多分思うよりも早くわたしが来たことで出端を挫かれたのかはわからないが奥さんが座った瞬間、話題はその会社、権利収入の話になった。
権利収入と労働収入の違い。いつも思うがこの手の話ってちょっとしたことでお金が入るみたいな感じで話すんだろう。
権利収入と言えばざっくり大まかに言うと家賃も含まれると思いますけど、土地があって家賃収入を得ようとするとまずアパートを建てないといけないからまあ初期投資がまず必要ですよね~と言ったところ、うーんまあね、そうなるかな?と濁された。そう簡単に何もせずにお金なんて手に入らんだろ。馬鹿でもわかるし、常に貧乏OLなので大変よく理解している。

要約すると是非メンバーになってほしいと。まず話を聞かないかと。今からでも話せると。何の話を…?
話聞いたらトントン拍子で入会はシャレにならんし話を聞いたから合意の元みたいなのは避けたいのでどうしたもんかと考えた。

それよりも飲み物置かれて話を切り出され目を合わせた瞬間あることに気付いてしまったのでそれどころじゃないのだ。
今日化粧した時に涙袋の影を入れ忘れたのである(セザンヌのふたえアイライナー愛用) もう今日の顔面力及び目力は半分しかない。いくらノーズシャドウで彫りをを入れてもそうはいかない、いつもの手順一つ忘れただけで心もとないし落ち着かない。頼む、わたしの顔を見ないでくれ…でも目線を外したら隙を突かれる。とりあえず目だけは絶対に逸さなかった。まあでも奥さんも早い来訪に口紅塗り忘れたみたいなのでお互い様である。口紅塗らずに人に会うのめちゃくちゃ恥ずかしいですよね、わかる。

のらりくらりと躱しているとその、会わせたい人だか尊敬している人の話になった。
アメリカで表彰されたとかでその時撮影した写真集を見せてくれ、これタイムズスクエアの電光掲示板に広告に流れた時の写真なの!などと話をしてくれたがそれこそヘエ〜〜の無の境地だった。
なぜなら推したちは既にもっと大きい所で誕生日広告を出されており、ひとつの宗教として韓国アイドルを教祖に仰ぎ履修しているため広告費の大体の相場は読める。なんなら電光掲示板どころかバスや電車、クルーズ船や旅客機にラッピングされている。
企業に表彰され個人の栄誉の広告かファンがステージに立つアイドルの誕生日を祝う広告か、どっちに価値があるんだろうとぼんやりと思った。まあどっちにも価値はあるけど受け取り方次第というか。会社の金か有志の金か。

メンバーになったらいろんな人と出会える、そりゃそう色んな業種の人がいるそうだし人脈だって広がるし。
自分の価値観と同じ人とだって出会えるだろう。同じ価値観の人と出会い一流に触れる、本物を知ることが大事だと。
確かにそうかもしれないが出かけることもままならず紅葉や花火がYouTubeで見れる今このご時世、今日マチュピチュ行ったよ~~なんてGoogle Earthで検索して降り立つくらいが丁度良いのだ。うちの母みたいに。いつか一緒に本物行ってみたいよね。色んなところ行きたいね。
そこまで遠くない未来のうちに一流に触れること、本物を知ること、それに思いを馳せながら労働したいと思う。そこにそれだけの価値があると思いたいから。そもそもその権利収入で食えるようになるまでどんだけかかるんだよ。ただでさえ未来が不安な独身アラサーなもんで、それに希望を託せる訳ない。するなら年末ジャンボに夢を託したい。
文句言いながら労働して得た収入でたまに好きなバンドのライブやアイドルのコンサートで本物のエンターテイメントに触れればそれでいいよ、わたしは。あの輝きと高揚のために働く。それでいいよ。てかそのために働かせてくれ。真っ当な賃金くれ。

メンバー入会を勧めるのに、今の悩みなんてどうでも良くなるよちっぽけに感じるよと言われてさらに白けた。何なら声に出して笑って出た言葉が「本当ですか?」だった。
悩みなんて大なり小なりあるがわたしの根本的な悩みの解決策は正直死なないと駄目なのだ。というか死ぬしかないのでは?としか言えない。なんなら死んで考え・思考を放棄したい。極論すぎるとよく言われるがそうだろ?生活に悩みは付き物である。
仕事辞めたいとかそういうのじゃないのだ(辞めたいけど) まあその花開いている悩みのひとつを枯らせるかと思ってマッチングアプリ始めてここに至るのだが。

もうわたしがマッチングすべき相手は心療内科医じゃないか?

最後の最後に、俺は絶対(本名)ちゃんは早かれ遅かれコレをやると思うよ、だから絶対に早いうちにしたほうがいいし、メンバーになったほうがいいよ。と言われたが、

やんねえよ、クソ。

また改めてお返事しますねなんて家を出たが、返事はしない。
あれから(名前出すけど)ア◯ウェイについて調べたが、まあ第三者の機関から見ると品質は良いらしいですね。事実製品は良いから自分が使ってるだけって人も周りにいるし。
曖昧にしか覚えてないけど、会員更新も全体の30%しかいないとかなんとか…そりゃマッチングアプリで探すわな。

な〜〜んて話を先日マッチングして会ったそれぞれ別の男性2人に話したら大いに笑ってくれました。
他にマッチングして会った男性います…?と聞かれ、実は会ったことは会ったんですが…なんて話してるうちにわたしは勧誘目的ではないしサクラでもないし勧誘は結構ですと意思表示にもなると思いたいし、割とこういうのに突っ込むタイプで面白がる人だと知ってもらえて笑ってくれればいい。ついでに多少なりと話が弾み緊張も無くなる。男性側も多いんですね、勧誘。純粋に出会いたいのにね。純粋に出会ったところでこんな博打のような女も御免だろうが。
高校から付き合いの気心知れた友人にも話したら笑ってくれたけど家に行ったら駄目じゃん!って怒られました。 心配して怒ってくれる友人ありがとう。もう君しか信じない。
コミュニティはあるけど男としか繋がらないmixiみたいと揶揄い、マッチングし続けた結果わたしは女友達が欲しいのかもしれないなんて誰かに言ったが近くにいるよ、心配して怒ってくれる友達が。何ならとっくにLINE知ってると思ってたのに知り合って数年知らないことに気付き、それからずっと毎日推しについて県外の友達とLINEをする出来事もくるよ。いや持つべきものは友。

とまあ今回の話、結局のところ己の自信のなさによる隙が招いたことなのでスーパーポジティブシンキングにならないと駄目なんだわ。あとは情に弱い。そしてチョロい。流されるな、強く生きろ。
人間関係に損得付けたらキリないけど、しっかり見極めろ。
まあ、適当に言いくるめたところがあるのでたまたま逃れられたものの、ン?と思った時点で回避すべき。


アイドルに偶像崇拝と企業ブランドに心酔するのとではどちらが信仰意識が強いのかなとぼんやりと考えたりもした。
アイドルの恋愛や結婚で冷めて担降りもザラにありますし物に対してのほうが強いのかなとも思ったが、まあブランドも人が作ったものなので覚める時は覚めるでしょうけど。
何を本物と見極めるのかも大事なのかな〜〜まあ自分が本物と言い切っちゃえばそれはその人にとっては本物だし。
当人が良ければそれで良い、人生をなんでも鑑定団にするには大変すぎる。

とまあこんな感じでマッチングアプリ始めてハナからこれは引きが強すぎると自分でも思う。
それこそ本物と断言出来る恋愛はあるのか。
適当にわかる話題にのるな、この人わかってくれるじゃんで向こうが乗り気になって話すけどそこまで知識もないから、自分が飽きてくるんじゃん。いつも自分の事知ってもらわずに終わるじゃん。また世界から置いてかれるぞ。
ギャルのマインド所持の御年21歳の妹にそう言われた。

恋愛って難しいね。
清く正しい恋愛は出来るのか。

オッケーGoogle、恋愛って何?

嘘と沈黙を肯定と取るのもあなた次第。
それも本物かどうか見極めてくれ。

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