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High,High High!

「空に手が触れる場所」-ご存知の通り、M@STER SPARKLE 08に収録された北上麗花の3曲目のソロ曲である。
MS08の収録楽曲は、3月の初めあたりに発売されたリスアニ!にて曲名とレビューが先行公開され、さあどんな曲だろうと期待を膨らませた方も多いのではないだろうか。
しかし当時の私は、大きなショックを受けてしまった。少なくとも帰路のバスの停留所を1つ乗り過ごしたレベルのショックを受けた。
置いていかれる。まだわからない「ゴール」が来てしまう。こう思ってしまったのだ。

前回の文もとい心の叫びで結構ガッツリ書いたのだが、私は北上麗花に存分に振り回されたい、と思ってプロデュースを行っている。どのアイドルに対しても言えることだが、とりわけ彼女の可能性は未知数だ。FIND YOUR WIND!と出会って感じた、自分らしい感じたままのメロディを歌ってほしい。それだけでいい。私は君を導く風にはなれないから、君という道標、君という風について行ければそれでいい。

そう考えていた私にとって、麗花が言う「空」に「手が触れる」-これは、麗花がひとつの到達点に達してしまうことを指した。

置いていかれる。まだわからない「ゴール」が来てしまう。なんとなく前述した言葉の意味がわかったと思う。とにかく怖かったのだ。北上麗花がゴールに達してしまうことが。彼女との旅路が終わってしまうことが。

まあ、全て杞憂に終わったのだが。

フルを聞いた今改めて振り返ってみると、なんとも情けない話である。タイトルだけでここまで拗らせたのがこれが初めてだったので許して欲しい。

前置きが長くなったが、とにかく「空に手が触れる場所」を聴いて色々と感じたことをつらつらと語っていく。相変わらず支離滅裂な文が続くが大目に見てほしい。

-1- 普遍のメロディにのせて
全体的な所感としては、彼女らしい爽やかなメロディラインにのせた、趣味である登山をベースに作った自己紹介ソング、というべきだろう。「北上麗花」というアイドルを今までのソロ曲の中では最も表しているのではないかと思う。M@STER SPARKLEシリーズのコンセプトである、「改めての自己紹介」を綺麗に表したものといえよう。
「君」と一緒に楽しそうに道を進む姿や、しっかり両足で地面を踏みしめながら歩く姿を見て、私が思う麗花の像は間違ってはいないんだなという確信を得た(詳しくは前回テキスト参照)。
「麗花はミリオンライブの中でもヤバさ引き立つアイドル?そんなことない!」と胸を張ってオススメできる至高の1曲である。

そう、そんなことないのだ。北上麗花は案外「普通」だったりするのだ。

"要らないものは持ってかない
グッバイ Pressure Heart"

麗花だって普通の人みたいに緊張する。プレッシャーに負けたりもするのかもしれない。「普通」を愛する普通じゃないと思われがちな彼女は、案外「普通」なのだ。北上麗花を紹介するにあたり色々なことを言いたいが、私が1番伝えたいのはこれだったりする。
だから、もっと触れてほしい。色眼鏡を外して、少し突っ込んで北上麗花を見てほしい。きっと、もっと素敵な彼女が見つけられるはずだ。

-2- 私と共に歩んでくれるあなたへ

北上麗花に置いていかれるのが怖い。冒頭、そう語った。試聴動画すら聴くのが怖かった。ここでは、そんな不安が吹き飛んだ部分を紹介するとともに、この曲の一番大事であろう部分に触れていく。まずはこれだ。

"そこで君へと Singing For You!
世界中響いていくように"

この歌詞が大きく私の涙腺を刺激した。私の心配をよそに、麗花はこちらの手を取ってくれた。置いていかれるなんて、ただの杞憂だった。そんな確信をこの歌詞で得ることが出来たのだ。
試聴動画を聞いた当時のツイートをそのまま引用する。

でも彼女は飽きることなく私と一緒にいてくれて。それが本当に嬉しくて。
彼女に魅せられただけの凡人である自分が、彼女と一緒に空に手が触れる場所へ行けるのが本当に本当に嬉しくて。もっと楽しみながら、私と麗花はもっと先へ行ける。傲慢かもしれないけどそう思わせてくれました。

"怖がらず進もう稜線を
超えた今日よりもっと先へ!"

もっと先へ。このスタンスは、歌全体を通して感じられる。その最たる例が上の歌詞だ。
稜線。山の峰と峰とを繋ぐ「線」。これを聴いて、私はとある曲のフレーズを思い出した。

"ゴールはまだわからないけれど
スタートラインここだよ Let's find your wind!
通り雨のあとに架かった虹の向こう
靴ひも結んだら風を追い越すスピードで…"

FIND YOUR WIND!の冒頭。スタートライン。
こじつけじみた思考なのは承知の上だ。私には、このスタートラインと稜線が重なって見えた。スタートラインを超えてもっと先へ。それはFIND YOUR WIND!の先、ソロ1曲目からの、彼女の積み重ねた様々なモノ。なるほどこの曲は「3曲目」だ。

「積み重ね」。グリー版のサービスが終わり、ひとつの時代が終わろうとも引き継がれるもの。それを表し、私が嬉しさのあまり大号泣した歌詞がある。

"気づいたら 出会ったみんながここにいる"
"ロードマップ正解ですね"
"この道が私のーーーーー「未来」"

出会ったみんな。それは同じ事務所のアイドルかもしれない。今まで出会ったファンかもしれない。仕事でお世話になった大人達かもしれない。あるいは、たまたま歩いてたらすれ違った人なのかもしれない。
そんな人たちを見て、麗花は「正解ですね」「この道が私の未来」そう言ってくれた。

出会ったみんな。その中にはきっと、アイドルにならなければ、プロデューサーと出会わなければ出会えなかった人もいるのではないだろうか。それは、振り回されてばかりの、プロデューサー失格な自分が、知らぬ間に彼女をいくらか導いてあげられたのではないか。

嬉しかった。彼女の、北上麗花の力になれてよかった。

とても偉そうに言ってしまったが、私はまだまだミリシタからこの世界に足を踏み入れ担当初めて数ヶ月のひよっこである。この歩みを、積み重ねをもっと感じられるよう、これからも精一杯のプロデュースを続けていきたいものだ。

私はMS08のリリースイベントに行けなかったので、5thライブでこの曲のパフォーマンスを初めて見ることが出来る。平山笑美さん曰く、空を指さしてちょっと飛ぶ仕草があるらしい。非常に楽しみだ。

ここまで読んでくださった方には最大限の感謝を。前回の文も併せて読んでいただいたのなら本当に頭が上がらない。貴方の「空に手が触れる場所」もとい北上麗花へのイメージが、この文を通して良い方向に少しでも変わったのなら、これほど嬉しいことはない。

最後に。
この文を投稿する(予定の)5月17日は、北上麗花の誕生日だったりする。
せっかくだ。彼女のソロ曲でも聴いて、風に思いを馳せるのも悪くないと思う。


またひとつの節目を迎えるあなたへ。どうかあなたに、これからも素敵な風が吹きますように。きっとあなたは、空なんて超えて、もっと先へ、もっと上へ行けるから。そんな君の、さらなる力になれますように。

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