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【完全版】偏差値48の部活バカが、半年で東京大学大学院へ合格する方法を大公開!

0. はじめに

以前、このノートを有料(300円)で購入して下さった方、返金したいので、コメントをいただけると嬉しいです。。。

このノートは、外部の大学から本気で東大の大学院を目指す人に対してまとめてあります。
個人で運用しているブログに「大学院から東京大学へ。合格までの道のりをまとめてみたよ。」というタイトルで記事を投稿したところ、「どうやって勉強したの?」、「合格までの流れを知りたい!」、「もっと詳細が知りたい!」というメッセージが来たので、ブログには書けていない部分も全て公開していこうとおもいます。
*上記の記事でも、簡単な説明をしているので、まだお読みでない方は目を通してみてください!

ちなみに、今回公開している方法で、2015年から、3人の後輩に対して、東大大学院の合格をお手伝いさせていただいたので、きちんと価値がある内容になっていると言えるでしょう。

ちなみに、僕がこのnoteでご紹介できるのは、東京大学大学院 農学生命科学研究科 農学国際専攻に合格する方法です。
専攻の説明は後ほど行いますが、農業系(水産・林業・植物・動物など)・環境系・国際開発系に関心がある方は、このまま読み進めてください。
それ以外の専攻に関心がある方は、入試までのタイムライン、TOEFL-ITPの攻略方法、メンタルトレーニングの方法がお役に立てると思います。

1. このnoteで得られる こと

① "東京大学大学院 農学生命科学研究科 農学国際専攻" へ合格できる明確な道筋
② 試験内容と、試験項目ごとの攻略方法

③ 合格へ導くメンタルトレーニング方法
 
④ 「東大へ合格したい!」と思えるモチベーション

2. 自己紹介

1990年生まれの28歳です。
簡単に経歴をまとめてみました。
2009年、東京農業大学 国際食料情報学部 国際農業開発学科に入学します。(*旺文社調べ偏差値48) 

「砂漠緑化がしたい!」と思って入学したものの、アメフトにのめり込み、週7日、寝ても覚めても楕円球を追いかけていました。
しかし、大学3年の時に、「研究もしてみたい!」ということで、学科内では珍しく、部活と研究室を掛け持ち、"メタン発酵消化液を用いた際の特定の病原菌に対する拮抗作用を示す原因物質の特定"というテーマで、HPLCやピペットを使って実験をやっていました。

就職活動では、「アメフト部で副将だったし、研究もちゃんとやったから大丈夫だろ!」という根拠のない自信で大手ばかりを選択。香料系の大手から「ほとんど内定だから」という謎の「補欠内定」を貰い、他の内定を辞退。
しかし、4年生の11月に、見事に「補欠内定」から「取り消し」を経験し、いつの間にか大学を卒業。
その後、約半年かけて東京大学の大学院を受験し、合格を果たします。

2014年に東京大学大学院 農学生命科学研究科 農学国際専攻へ進学し、土壌微生物のメタゲノム解析や、農業教育用のオリジナルゲームの開発などを行い、2016年に無事に修士課程を修了。

その後、ゲノム系のスタートアップに社員第一号としてジョインし、3年かけて営業・人材採用・資金調達・研究開発・事業開発を経験。また、教育用ボードゲームを開発する一般社団法人を設立しました。

ここで言いたいのは、僕が東大の大学院を受験した時、僕は「就職活動もろくにできない、アメフトしかやってこなかった、ただの運動バカ」だったということです。

大学時代、4年間の大半の時間をアメフトに費やした僕が東大に合格できたのなら、皆さんも必ず合格できるのです!

僕が東大を受けると決めた時、周りからはこんなことを言われました。「ニートが何を言ってるんだ!早く働け!」、「アメフトしかやってなかったお前が受かるわけないだろ!」、「ついに頭が狂ったか。。。」

こう言ってくださった方の気持ちは分かります。僕が所属していた学部は、農大の中でも「3バカ」と言われる学部。ほとんどの時間を部活動に費やし、授業は代返。テスト期間は一夜漬けの繰り返しで、なんとか単位をゲット。GPAは驚愕の2.3! 

そう、まさに「ダメ大学生の鏡」だったのです。

しかし、そんな僕でも東大に合格することができました。

なので、どんなに学部時代の成績が悪かったとしても、周りから見て無謀だと思われていたとしても、「本気で東大に受かる」と考えている人のことを僕は心から尊重したいと思っています。

今回のnoteが、「本気で東大に受かりたい人」にとって、お役にたてれば嬉しいです。

3. 東大を受けるべき理由

東大を受けようと考えている方へ、東大に入ることでどんな未来が待っているかをご紹介しようと思います。

・国内トップの人材と共に切磋琢磨することができる。
▶️ 僕は、「大学院に進学したのなら、博士まで進学して研究を生業としていきたい」と思っていました。しかし、大学院へ進学すると、国内トップ層の人材がうごめく東大には、数多くの天才が存在することが分かります。
そんな人たちと接することで、さらに研究の質を高め、最先端の学術分野へ切り込んでいくことが可能になります。
ただ、僕の場合は、残念ながら自分の研究能力に見切りをつけ、ビジネスの世界へ足を踏み入れました。しかしながら、これは東大に行ったからこそ決断できたこと。井の中の蛙になることなく、違う世界を見れたからこその判断だったので、本当に感謝しています。

・人生の選択肢の幅が圧倒的に広がる。
▶︎ 農学国際専攻では、留学生が多く在籍しているので、研究室の共通言語が英語になります。(研究室によりますが、僕の研究室は英語でした)ゼミや授業が英語なので、必然的に英語能力が伸び、TOEICは860点まで上がりました。また、「東大に合格したのだから何でもできるはず!」という根拠のない自信をもとに、プログラミング、インターン、海外ボランティアなど、あらゆることに挑戦することができました。
その結果、卒業時には、進路を選べるようになりました。学部時代には、「卒業後には日本企業への就職しかない!」と思っていたのが、大学院を卒業する際には「日本企業への就職は、あくまでの選択肢の1つでしかない。起業,NPO,海外就職、色んな選択肢があり、そのどれを選んでも自分なら大丈夫」と思えるようになっていたのです。


・就職活動の難易度が下がる。
▶︎ 「大学院だけ東大でも就職活動には意味がない」と言う人もいますが、僕はそれを否定します。「大学院だけ東大でも、就職活動においては大きな影響力を持つ」と断言できます。
僕の同期には、明治大学・東京農業大学・立教大学・青山学院大学といった外部大学の出身者がいましたが、彼らは皆、三菱商事・農水省・NTTデータ・リクルートといった、日本のトップ企業や省庁に就職しています。
僕自身も、学部時代と比較すると、圧倒的に就職活動がしやすいと感じていました。なぜなら、企業から逆オファーが来ますし、特別選考も存在しているからです。もちろん、大学院時代に努力したのは当然のことですが、「東大」という肩書きが就職活動において効果を発揮したのは言うまでもありません。

4. 専攻の紹介

ここでは、"東京大学大学院 農学生命科学研究科 農学国際専攻"について、簡単にご紹介したいと思います。
▶︎東京大学大学院 農学生命科学研究科 農学国際専攻についてはこちら!

"人類の生存を支える食糧生産と生物圏の保全を基盤とし、安全で豊かな社会の実現に貢献できる人材、とりわけ学問と政策と実践とをつなぐ総合力を備えた人材を育成することである。"   -農学国際専攻のミッション-


このミッションから分かるように、農学国際専攻は、地球が抱える課題を解決できるような人材を育成していくことを目的としています。
地球の抱える様々な課題を解決するため、農学国際専攻では、農業開発技術だけでなく、農業データを解析する情報農学、獣医学、水産学、植物病理学、環境学、文化人類学など、幅広いテーマを持った研究室が存在しています。農業系に興味がある方は、必ずマッチする研究室があると言えるので、まずは研究室情報を見てみてください!
▶︎研究室一覧はこちら!

簡単な説明はここまでにして、ここから東大へ合格するための手順をご紹介していきます。
手順の目次は以下の通りです。

5. 合格への道のり

【5-1. 志望する研究室を決める。

兎にも角にも、まずは情報収集をして、「どの研究室を受験するか」に最大限の時間を費やして下さい。僕の場合、東大を受験するに当たって、"どの研究室を選ぶべきなのか"、"試験内容はどうなっているのか"など、全くもって情報がなかったので、高校時代の先輩で東大に行っていた方にお願いして、農学系の修士の学生を紹介してもらい、話を聞いてもらいました。
その際に、研究室から研究室へと足を運び、1ヶ月かけて10箇所ほど研究室を周り、研究内容について教えていただき、自分の興味を絞っていきました。
同時に、研究室の学生の方から試験科目の重要性についても教えていただき、試験科目の情報を集めていました。

アメフトでは、試合前に必ずスカウティングを行い、敵の戦略や選手の特徴をくまなく研究して試合に臨みます。なぜなら、相手の情報が一切ない状態で試合をするのは、圧倒的に不利だからです。スポーツと同じように、東大に合格するためには、まずは東大の情報を仕入れる必要があります。

なぜ、志望する研究室の選択に時間を費やす必要があるのかというと、試験内容の1つに、「専門科目」があるからです。これは志望する研究室によって内容が異なります。志望先を決めるのが遅くなってしまうと、専門科目の勉強時間が足りなくなるので、志望する研究室を決める工程は、最大限の時間を使い、早く決めておくに越したことはありません。

すでに、東大に知り合いや友達がいる方は、今すぐに連絡を入れましょう。「東大の大学院の受験を考えているんだけど、助けてくれないかな?」
1つのメッセージが、大きな成果を得るための第一歩です。1つでも多くの情報を手に入れて、ライバルに差をつけましょう。

「いやいや、東大に友達とか知り合いいないよ。。。」という方は、各研究室のHPの連絡先へ、直接メールをしてみてください。
▶︎研究室一覧はこちら!

メールをする時は、出身大学・学年・現在の研究内容・興味のある範囲など、なるべく情報を提供してください。
教授の方々は、めちゃめちゃ多忙なので、そもそも、メールになかなか目を通してくれません。せっかく目を通してくれても、内容がなければ、すぐにゴミ箱行きになってしまいます。
恥ずかしがらずに、まずはメールを送りましょう。返事が来なくても、諦めずに何回でもいいので送ってください。
先ほど述べたように、教授は多忙なので、メールを普通に読まないことがあります。僕の場合、最も連絡が難航した教授で、5-6回メールを送っても返事が来ないことがありました。笑

ただ、1人会えれば、あとは少し楽になります。なぜなら、教授から教授へ紹介されるので、必ず会ってもらえるからです。
興味のある研究内容について議論していくと、「もしかしたら、○○先生の方が合ってるんじゃないか?」と、違う教授を紹介してくれます。
僕はこの方法で、所属したい研究室へ辿り着くことができました。

地方の学生さんの場合ですが、可能であれば1週間ほど時間をとって、一気に研究室を周ることをオススメします。skypeで話をしたり、研究計画を相談することはもちろん可能ですが、大学院は学部と違い、「教授の研究室」へ所属することになります。簡単に言えば、教授が社長で、研究室が会社です。少なくとも、1-2回は顔を合わせておくことをオススメします。

もし、「どうやっても連絡がつかない!!!」となったら、コメントをください。僕が紹介できる範囲で、研究室の学生や教授をご紹介します。

ちなみに、一番楽なのは、学内説明会に参加し、説明会後の懇親会に参加することです。
▶︎大学院公開入試ガイダンス
ただ、このガイダンスは、入試の2-3ヶ月前に開催されるので、その時に「初めまして」だと、少し遅いです。早め早めの行動を心がけましょう。

*僕の場合の、受験までの半年間のタイムスケジュールは、noteの最後に記載しています!

【5-2. 試験内容を把握する】

農学国際の試験は、4つのパートに分けられます。
① TOEFL-ITP
② 専門科目
③ 小論文
④ 面接

それぞれの項目について、細かく説明していきましょう。
▶︎募集要項はこちらから!

【試験突破のキモ① 英語力(TOEFL-ITP) & テキスト】


農学国際専攻では、英語の授業が必須科目に含まれていたり、途上国での数週間にわたるフィールドワークがあったり、研究室の共通言語が英語だったりするので、一定水準以上の英語力が絶対条件となります。
どの教授に聞いても、「英語が足切りになる。どれだけ他の科目の点数がよくても、英語の基準を下回っていたら合格はできない。」と口を揃えて言っていたので、合格のためには英語が絶対必要条件なのです!
「最低でも85%はとってね」と教授に念をおされたので、おそらく足切りは85%なのでしょう。
▶︎TOEFL-ITPについてはこちら!
*簡単に説明すると、TOEFL-ITPはリスニング・文法・リーディングのみです。(海外大学の留学で用いられるTOEFL-IBTはリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能です。)
「TOEFL-ITPで85%って、どのくらいの実力なんだ?」と思ったので、調べてみると、"TOEFL-iBT=90点、TOEIC=805点"と言う換算表が出てきました。
▶︎換算表についてはこちら!
なめてかかったら終わるので、英語は早めに取り組んでおきましょう。

-使用したテキスト①-
難関の英語を突破する上で絶対に必要なテキストが、林功さんの"TOEFL Test ITP文法問題対策満点マニュアル-パワフルコードであなたの弱点がハッキリ見えてくる!"です。
TOEFL-ITPは、文法・文章読解・リスニングの3つで構成されます。この中で、文法だけは、テクニックで乗り切れるパートになっており、確実に点数を稼ぐ必要があります。ここで点数が取れなかったから、合格できないと言っても過言ではありません。
合格後、同期に英語対策について聞くと、面白いことに、全員が全員、先ほど紹介したテキストを購入していました。笑
僕がこのテキストを知った理由も、研究室訪問の際に、学生の方にオススメしてもらったからでした。
ということで、このテキストは必需品となります。必ず購入してください!

【メモ】
文法問題に関して、これ一冊を何周もして、完璧に回答できるようになれば問題ありません。事実、僕はTOEFL-ITPの文法テキストは、この1冊のみを活用しています。色々なテキストに手を出したい気持ちは分かりますが、とにかく、この1冊をマスターすることに集中してください。

-使用したテキスト②-
TOEFLに特有の、アカデミックな内容の文章読解やリスニングに対応するために必需品なのが、同じく林功さんの"改訂新版 TOEFL TEST 必須英単語5600(CD BOOK)"です。
5,600もの豊富な単語量に、政治・経済・科学・哲学とあらゆる分野のトピックを網羅したとっても有難い一冊。リスニングも、トピックによって低速・標準・高速と分かれており、リスニング能力向上にもうってつけです!こちらも購入は必須ですね。

【メモ】
1日1題でいいので、完璧に仕上げてください。
僕なりの仕上げ方は以下の通りです。
1. テキストの内容を見ずに、リスニングを3回。
2. リスニングしながら、ノートにテキストの内容を書き出す。(全て書けなくてもいいので、最大3回のリスニングの中で、聞き取れる部分を書き出してください。)
3. テキストを見ながら、再度3回リスニング。
4. テキストを見ながら、シャドーイングを3回。
5. 最後、何も見ずに、リスニングを3回。
この内容をひたすら繰り返します。これに関しても、他のテキストを買うことなく、この一冊をひたすら極めましょう。何周でもしてください。

-使用したテキスト③-
テストで成績を残すためには、やっぱり過去問が一番大事なので、過去問の購入も必ず必要になってきます。僕が使っていたのは、"TOEFL ITP(R)テスト 公式テスト問題&学習ガイド"です。こういった系統の過去問を1冊あたり3-4週し、合計で3冊程度行なっておけば問題ないと思います。過去問は、本番の1ヶ月前から解き始めていました。最後の追い込みで使用します。

【メモ】
入試の1ヶ月前から、1日1題に絞って行いました。試験は一度きりなので、毎日が入試だと思って、その一度に集中していました。
この時、実際の入試時間と同じ時間帯で問題を解くことが重要です。
アメフト時代もそうでしたが、試合時間に合わせて練習をすることで、体が自動的にその時間帯にベストパフォーマンスを発揮する習慣がつきます。
勉強も同じことで、試験で最高の集中力を発揮するためには、試験時間と同じ時間帯に勉強をすることが重要なのです。

-使用したwebサイト-
僕が購入したテキストは上記の3つだけです。
それ以外の英語の勉強は、全てオンラインで行なっていました。ここでは、僕がヘビロテで使用していたオンラインサービスをご紹介します。

▶︎リスニング用=TED TALK
TEDはご存知の方も多いと思いますが、英語のリスニングにはうってつけのサイトです。扱うトピックは幅広く、5分未満の短いものから、30分以上の長いものまでたくさんの教材が存在しています!TOEFL-ITPのリスニングは、5-10分の設問があるので、TEDでも、同じく5-10分程度の長さのビデオを聞いていました。毎日1トピックを選び、内容を暗記するくらいまで聞き込めば、本番のリスニングも問題なく解けるでしょう。

▶︎読解用=TechCrunch
TechCrunchは、世界中のテクノロジー企業やガジェットについてまとめられているサイトです。僕は最先端テクノロジーについて興味があったので、自分の趣味と重ねながら、1日に2-3記事を読んでいました。
長文を読む癖をつけるための多読なので、英語であれば内容はなんでも構いません。あなたの趣味に合った英語サイトを見つけて、それを毎日読む習慣をつけることが大切です。

▶︎読解用 & リスニング用=BBC News
BBCでは、主に政治経済に関する記事を読んでいました。TOEFL-ITPの中では、政治経済は出題頻度が高いにも関わらず、あまりにもそっち方面の単語を知らなかったので、単語の定着のために使用していました。
記事の分量も多すぎず、ストレスなく読むことができ、リスニングも1-2分のビデオが用意されており、電車移動など隙間時間に活用することができます。

▶︎読解用=英語論文
興味ある研究トピックの論文を1週間かけて、1つ読んでいました。
論文検索は以下のサイトを用いていました。
google scholar
CiNi
J-STAGE

【試験突破のキモ② 専門科目 & 過去問】

専門科目では、志望する研究室によって出題内容が異なります。なので、過去問から問題の傾向を探っていく必要があります。
過去問は、大学で直接購入したり、郵送でも購入することができます。
1年分=200円となっていますが、やはり5-6年分は必要なので、最低でも1,000円のコストがかかります。
▶︎過去問の入手方法はこちら!
しかし、過去問を無料で手に入れる方法があります。そう、研究室に訪問した際に、研究室に保管してある過去問を見せてもらうのです!
"情報収拾の大切さ。"の項目で説明したように、自分の行きたい研究室を絞ったら、そこの学生と仲良くなり、過去問の情報やテストの傾向などを教えてもらいましょう!
また、研究室のゼミに参加していれば、研究室で力をいれている項目を知ることもできます。それは、専門科目を解く上で非常に大事です。なぜなら、専門科目の問題は、所属する研究室の扱う研究テーマにめちゃくちゃ寄っているからです!ゼミに参加している時に勧められる書籍や教科書は、必ず目を通しましょう。その内容が、専門科目の問題として扱われる可能性が高いですからね!

【試験突破のキモ③ 小論文 & 書籍】

小論文に関しては、担当する教授のキャラクターが色濃く反映されるので、予想しづらくなります。僕の場合、一般的な小論文対策をしていたのですが、本番では「これ小論文なの!?」と思わずびっくりする内容が出されました。
それは、「織田信長が本能寺の変に巻き込まれている際に、現代にタイムスリップしました。織田信長に携帯電話を使ってもらうために、あなたはどのように説明しますか?」というお題でした。
机には白紙が1枚用意され、図やテキストなど、説明方法は自由記述。最初は戸惑いましたが、「どのように書いていくか」の前に「この問題の意図は何か?」を初めに考えていきました。
「この専攻は農学国際。世界中の農業の課題を解決していく人材を育てる。そういう素養がある人材を判断するための問題が、"織田信長に携帯を持たせるために説明する"ってどういうことだ。。。」
5分くらい手を止めて考えて閃きます。「そうだ!国際協力は、先進国の常識を持ち込むんじゃなくて、現地の人と同じ目線で考えなくてはならない。織田信長が携帯の必要性を感じるように説明するのは、現代の国際協力でも同じ観点なんだ!」
こう閃いてからは、スラスラ書いていくことができました。
「小論文を解くためには、問題の意図がなんなのかを初めに考える。」ことがキモのようです。

ちなみに、面接の際にも、「今回の小論文の意図はなんだと思う?」という質問をもらいました。すかさず、先ほどの答えを述べたところ、教員の方の顔に笑みが見えたので、きっと良い回答だったのでしょう。笑

-小論文のための教養を養う書籍-
ここでは、小論文を書いていく際に必要な教養を養うための書籍について紹介していきます。特に、農業開発や地球の課題に対する書籍を厳選しています。
▶︎土の文明史,デイビッド・モントゴメリー
土壌が文明にもたらす計り知れない影響について知見を与えてくれます。僕はこの一冊で、土の偉大さに気づくと共に、土の神秘性が大好きになりました。

▶︎成長の限界―ローマ・クラブ「人類の危機」,ドネラ H.メドウズ
今から40年以上前に、「このまま人口が増加して、資源を使い続けたら地球は維持できなくなる」と警鐘を鳴らした農業系・環境系の学生にとってのバイブル本。僕も、この一冊で農学系に進学しようと決意しました。

▶︎「水」戦争の世紀,モード・バーロウ
「水を巡る戦争が第三次世界大戦に繋がる」と説いた一冊。日本は水資源に恵まれているがゆえに実感するのが難しいが、水資源は共有資源ではなく、ビッグビジネスとして捉えられていることが驚くと共に、残念で仕方ない。

▶︎生命の聖なるバランス―地球と人間の新しい絆のために,デイヴィッド・T. スズキ
「人間と地球は切っても切れない関係にあり、人間は自然に生かされている」ことを再確認できる一冊。自然をコントロールし、経済活動の一部としか捉えない世界に対する疑問を授けてくれる。

▶︎文庫 銃・病原菌・鉄, ジャレド・ダイアモンド
文化人類学が大好きになったきっかけとなった一冊。小説みたいにスラスラ読めて、人類の歴史や成り立ちが頭にすっと入ってくる名著。農業社会が文明にもたらすメリット・デメリットの考察も面白いです。

上記の本を抑えておけば、農業・環境系の一般的な教養が身につきます!小論文だけでなく、TOEFL-ITPの問題でも農業・環境系の問題が出たらめちゃめちゃ解きやすくなるので、一石二鳥ですよ!

試験突破のキモ④ 研究計画書

英語の対策、専門科目、小論文を突破したとしても、研究計画書が立ちはだかったいます。ただ、この研究計画書は、「論理的に物事を考えることができ、すでに所属希望の教授としっかりコミュニケーションをとっており、入学しても問題なく研究に取り組むことができる」ことを証明するようなものなので、そこまで気負わなくて大丈夫です!
僕も、入試の際に提出した研究計画書と、修士論文で提出した論文を見比べても、方向性も内容も何もかもが違います!笑 
大事なのは、研究計画書を所属希望の教授と作り上げていくことです。

入試の2-3ヶ月前には、研究計画書を練り始め、最低でも月に2-3度は研究室に顔を出し、できるだけ研究室のゼミに参加し、自分の研究計画を発表しましょう。
そこで、研究室の学生や、教授に指摘してもらうことで、より確度の高い研究計画書を作成することができます。
また、作成するうちに、研究室の持つリソースの活用法や、研究室メンバーと仲良くなれるので、学生生活を円滑にスタートさせることができます。

ちなみに、教授曰く「どれだけテストのスコアがよくても、一回も会った事ない学生を合格させるわけがない。」との事なので、入試前には必ず顔を合わせるようにしてくださいね!

【僕の場合】
研究計画書を作成する上で、最も時間を割いたことは、至極当たり前のことですが、研究室のテーマに関連する論文を読み込むことです。
研究室の教授や准教授が投稿している論文や、過去の先輩たちの修士論文を読み込むことで、研究室のテーマに対する理解を深めます。
僕は、1日に1本を読み、分からない部分を研究室の先輩に聞いていました。入試までに、トータルで150本は論文を読み漁っていました。

僕が論文を探す上で活用したのは、以下の検索サイトです。
google scholar
CiNi
J-STAGE

試験突破のキモ⑤ 面接

面接は、学生:教授陣=1:20という圧倒的アウェーな空間で行われます。面接時間は15-20分で、以下のような質問に淡々と回答していきます。
・なぜ東大を志望しているのか?
・学部時代の研究内容は?
・大学院で行いたい研究内容は?
・どんなキャリアを築きたいと思っているのか?
質問は、その場にいる教授たちがランダムに聞いてきます。突飛な質問は特にはなかったです。強いていうなら「小論文面白かった?なんであんな内容だったと思う?」という質問くらいでしたね。
⬇️面接のイメージ図

画像1

面接の準備は、こちらが質問を事前に想定して、その回答を200-300文字程度で紙に書き起こし、スラスラと言えるように練習するのみです。研究計画書を教授ときちんと話していれば、特に問題なく面接を終えることができるでしょう!
ただ、流石に教授が20人もいると緊張すると思うので、なるべく目を合わせてくれる人を見ながら、ゆっくり落ち着いて話すようにしてくださいね!

6. 合格に導くメンタルトレーニング

僕が東大に合格するにあたって、最も重視したことは、「合格するためのメンタル」を整えることです。メンタルを整える上で参考にした書籍は「非常識な成功法則―お金と自由をもたらす8つの習慣,神田 昌典」です。
この書籍は、お金持ちになったり、自分の自由な意思に従って生きていくための法則を記しているのですが、僕はそこに記載されてある方法を東大受験のために使用しました。
今となっては、このトレーニングによって、「東大に合格する自分の姿」を明確に描けるようになったことで、自信を持って日々の勉強に取り組めたんだと思います。

-メンタルトレーニングの内容-
ここでは、僕が実際に行なったトレーニング方法をご紹介したいと思います。
① 目標を紙に書き出す。
▶︎僕の場合、「2016年の4月に、東京大学大学院 農学生命科学研究科 農学国際専攻に合格して進学している」と書き出しました。
ここで必要なのは、明確な目標と、目標の達成期限を決めることです。

② 紙に書き出した目標を部屋に貼り出す。
▶︎基本部屋で勉強していたので、部屋の至る所に目標を貼り出しました。

③ 目標を朝と晩に鏡を見ながら10回復唱する。
▶︎朝起きた時と夜寝る前に、鏡の前に立ち、目標を10回復唱します。僕にとって、これが最も効果的でした。鏡の前の自分を、「すでに目標を達成した自分」と想定し、未来の僕が現在の僕に話しかけている状況をイメージしました。すると「合格するのが当たり前」というモチベーションになり、「受験に失敗したらどうしよう。。。」という不安が吹き飛びます。

④ スマホやパソコンの画面に目標の文言を設定する。
▶︎パワポで文言を作り、スマホやパソコンの壁紙に目標の文言を設定して、常に視界に目標の文言が入るようにしました。一瞬足りとも目標から目線を逸らさないようにするために効果的ですね。

7. 入試までの具体的なタイムライン

ここでは、僕が実際に過ごしたタイムラインについてご紹介します。
僕が受験した年は、入試が8月末だったので、僕の東大受験は2月から始まりました。

2月- 東大の大学院に所属している先輩へ、受験の意思を伝える。
同月中に、農学生命科学科の修士課程に所属する学生を紹介してもらい、研究室を訪問する。(教授には会わなかった)

3月- 紹介してもらった学生さんから、その研究室の教授を紹介してもらい、1回目の面談。その際に、学部時代の研究内容や、興味ある分野について話をする中で、「α先生の研究室の方が合っているのでは?」とα先生を紹介してもらう。
この紹介を皮切りに、合計で5つの研究室の学生と教授と面談。なんとなく、受けたい研究室が決まる。

4月- 志望予定の研究室のゼミに初めて参加する。その際に、大学時代の研究を紹介。月に1度のペースでゼミに参加することに。
本格的に受験勉強開始。
ゼミの内容が入試の中の専門科目に関係してくるので、ゼミの内容に関連する書籍(合格するためのキモ③で記載)を読み漁る。過去問も、このタイミングでゲット。
また、入試科目の中でも重要な科目である英語において、研究室の先輩からTOEFL-ITPのテキスト(合格するためのキモ①で記載)を紹介してもらい、即購入。


5月- 大学院公開入試ガイダンスに参加。志望予定の研究室の懇親会にも参加。学生や教授との懇親を深める。研究計画書の作成を開始。
「どれだけ専門科目、小論文の点数がよくても、英語の足切りを突破しなかったら合格はできないよ」と、研究室の先輩から鶴の一声。ここから、英語の勉強時間がさらに伸びる。(1日7時間は英語の学習に割いていた)

6月- 研究計画書の内容を、ゼミに参加した際に教授に確認。この時期には、月に2-3回ほどゼミに参加していた。


7月- 研究計画書の中身がある程度完成。ひたすら勉強。


8月- 入試本番。

8. 最後に伝えたいこと

冒頭にも述べましたが、僕は学部時代「アメフトばかりやって勉強を全くしてないアメフトバカ」でした。そして、就職活動もろくにできていないような輩でした。
そんな僕は、一念発起して、半年かけて東大の大学院に合格することができました。
東大に入り、僕の人生は大きく変わりました。心の底から「勉強って楽しい。」と思え、「世の中の役に立てる人間になるために、努力をし続ける人間になろう。」と誓うことができました。
東大に入ったからといって、人生の幸せが約束されるわけではありません。しかし、東大に合格することで、自分を信じることができ、東大に合格することで、人生を必死に生きることの大切さを学ぶことができました。

最後に、卒業式の時に、専攻長からもらった言葉を紹介したいと思います。
「君たちは、仮にも日本一の学府と言われる東京大学の修士課程を卒業した。ただ、卒業は、君たちの能力だけで、できたわけではない。決して、自分達に能力があると思い上がってはいけない。君たちは、勉学に集中できる幸運があった。だからこそ、卒業したら、君たちには義務が生じる。それは、自分の能力を最大限使って、社会課題の解決をしていく義務だ。"自分だけが良ければ良い。"そんなつまらないことは考えて欲しくない。君たちは東京大学を卒業したのだ。自分のことだけでなく、友達のことを、家族のことを、日本のことを、世界のことを考えて行動してほしい。君たちの活動が、100年後、1000年後の世界をよくすることを願って、最後の言葉を締めくくらせてもらいます。卒業、おめでとう。」

是非、このnoteを1つの参考にして、東大で自分の可能性を広げる機会を得てみてください。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

過去有料にしていた時に購入していただいた方、現在は無料公開にしています。非常に申し訳なく思っており、なんとか返金対応したいと思っているので、記事を購入してくださったMi6さん、YURAさん、rescue0129さん、gr_gasmineさんは、コメントいただけると嬉しいです。