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虫かごの中のホタルたち(ホタルからのお願い)


場所は横浜。
住宅地近くで田んぼや畑がある保護地区で市民の森として生き物や景観が横浜市によって保全されています。
自然が豊かで夏にはホタルが飛ぶようになりました。
でも、この田んぼや環境は人手によって保全されているから美しいのであって自然発生的にホタルがいるわけではありません。
当然ここを訪れる人には常識的なマナーが求められています。

ホタルは持ち帰らないで

どんなマナーかというと
1 道から外れない(つまり田んぼや畑の中には入らない)
2 ごみタバコなどは捨てずに持ち帰る(ポイ捨て厳禁)
3 火コンロは使わない(キャンプはしないでね)
4 生き物は持ち帰らない持ち込まない(生態系の保護)
5 利用時間は日の出から日没まで(ホタルの時期は例外)
6 ペットは繋いで(リードは付けましょう)

当たり前といえば当たり前のマナーですね。
でも、守れない人たちもいるのです。
ホタルを虫かごやビニール袋に入れて持ち帰ってしまう人がいます。
ここのホタルは持ち帰っていいほど多くは飛んでいません。持ち帰ってしまうと後からホタル見物に来た人は確実に持ち帰ってしまったホタル分少ないホタルしか見ることが出来なくなります。
なにより持ち帰ったホタルは繁殖に参加が出来ませんし、子孫を残すことが出来たかもしれないホタルを持ち帰ると、ここのホタルは確実に減ります。来年はもっと少ないホタルしか見ることが出来なくなります。

親が地域のマナーや生き物についてのマナーについて教えられないと、子供もそれが当たり前として育ちます。これは不幸なことだと思います。
それに、持ち帰ったホタルは確実に死にます。
もし元気なままご自宅のそばに離してしまうと、本来いない遺伝子のホタルが入り込んでしまい前から住んでいたホタルにとってあまり良く無い結果を招きます。

ホタルは明るい光を嫌います

スマフォのライトを付けた瞬間飛んでいたホタルが光から逃げるように飛んでいる様子や急に落ちる様子が写っています。
本来ホタルは暗いところを好みます。明るいところにはホタルは住めません。明かりはホタルの繁殖にとって大敵なのです。
ホタルが光って飛んでいるのは遊んでいるわけじゃありません。光を合図に繁殖相手を見つけているのです。スマフォの光はその合図の邪魔をする結果になります。せっかく繁殖相手を見つけらるチャンスを撮影するときのスマフォの明かりが台無しにすることがあるのです。
もし、これを読んでホタルのことを思いやる気持ちがあるのならスマフォの明かりを点けない設定にして撮影して下さい。
必要以上に明るいライトは持ってこない、明るさが調整できる時は暗くするなどの配慮があるとホタルにとって優しいはずです。

道に落ちたホタルは助けてあげてください

ホタルを捕まえようとして手に触れた瞬間、地面に落ちてしまうホタルが多いです。良く観察をしていると触って落ちてしまったホタルをそのままにして行ってしまう人がとても多いです。

地面に落ちたホタルは光が弱くなったり、光ることをやめてしまう事が多いです。そうすると歩いている人に踏まれてしまいます。元気なホタルは落ちても飛んで行けますが、触り方が悪かったりホタルにダメージを与えてしまった時などにはなかなか飛び立つことが出来ません。
道ばたに生えている葉っぱを取ってきて、そっと乗せて草むらに優しく放してあげて下さい。ダメージが少なければまた飛び立つことが出来るようになります。

ホタルは見るだけにするときっとホタルたちは喜びます


ホタルを捕まえたいというのは人間の本能なのかもしれません。
でも、生き物が少なくなっている現代では人が守ってあげないと数を減らしてしまいます。
たくさんいたはずの魚が捕れなくなって漁獲量の制限や保護をする事が必要になりました。乱獲や地球規模の環境の変化によって生き物は数を減らし絶滅もします。
昔はたくさん飛んでいたから当たり前のように捕まえていた記憶があるお年寄りにとっては理解できないことかもしれません。
ホタルを捕まえているお年寄りに聞くと
「昔は良く捕まえていたよ」
「捕まえても減らないよ」
とおっしゃっていたのが印象的でした。

でも、今は時代が違うのです。
本当は見るだけにするのが一番いい方法です。
でも間近で観察してホタルを知るの子供たちにとっては良い勉強でしょう。
ホタルを捕まえるのもそっと手を差し伸べてあげればとまってくれるホタルもいます。手に乗せて観察したら草むらへ放してあげればホタルへのダメージは最小限になると思います。人の力は思いのほか強いです。そっとつかんだつもりでもホタルにとっては致命傷になるかもしれません。例えばキングコングが優しくつかんだつもりでも人にとっては死ぬかもしれないほどの辛い思いをしているかもしれません。特に子供には力の加減をすることは難しいので大人がホタルを捕まえて見せてあげるのも方法かと思います。
ここを訪れる人が少しだけホタルのことを思いやってくれたなら、今日来た子供たちが大きくなって子供が出来たときに、きっとまたここのホタルを子供たちに見せてあげることが出来るでしょう。





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