超・有名ギタリストから逃げた話
ふと思い出した昔話です。
俺は大学生の頃、ジャズのビッグバンドのサークルでギターを弾いていた。
ジャズなんか分からない。音符も読めないし。譜面通りにコードを弾き、フュージョン系の曲ならロック系のギターも通用するのでRATを踏んでペンタ一発でたまにソロを弾いていたレベル。
ある年の文化祭で友達のベース担当とスタジオを兼ねる部室に入ると、
ラリー・コリエルがいた。
世界的なジャズギタリストである。
ラリー・コリエルが、俺がいつも座る椅子に座り高そうなフルアコでピロピロと弾いていた。
キラキラした目で「セッションしたい」と言わんばかりに俺たちを見ていた。
ハービーハンコックとかウェインショーターとか、あとオーランドブルームなんかもそうだが、海外の彼らはやたら純粋なんである。
友達のベース担当と
「ラリー・コリエルじゃん」
「こっち見てるよ…どうする?」
「ラリー・コリエルって何人だっけ?英語?」
「英語分からんし…話しかけたらセッションするハメになると思うよ」
「どうする…?」
「気が付かなかったことにして、一旦ここから出よう」
…と、ラリー・コリエルから逃げたって話です。
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