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【cinema】グランドフィナーレ

もうどれだけ温めたかわからないくらい前に見た映画なんですが…。温めすぎて、文章にする言葉を選びすぎて、ちゃんと感想書けなさそう…。

まず、一言で言うと、素晴らしい映画!これぞ映画だ!芸術だ!と思えるのはたしか。年100本ほど映画館で見ますが、滅多に出合わない感じの作品。パオロ・ソレンティーノは「イル・ディーヴォ」のメインキャラクター、アンドレオッティを見たときにやるなと思ったんですが、「グランドフィナーレ」はそれを超える!

80歳を迎え、未来への希望もなく表舞台から退いた作曲家で指揮者のフレッドは、親友の映画監督ミックとアルプスの高級リゾートホテルにやってくる。そこで穏やかな日々を送っていたある日、エリザベス女王の使者という男が現れ、フレッドの代表作を女王のために披露してほしいと持ちかける。個人的なある理由から、その依頼を断ったフレッドだったが、ホテルに滞在する様々な人との出会いを通し、気持ちに変化が訪れる。(映画.comより転記)

出演陣が豪華すぎる。マイケル・ケイン、ハーベイ・カイテル、ジェーン・フォンダにレイチェル・ワイズ。あ、変な役をやらせるとピカイチのポール・ダノも結構重要な役をやってる。

とはいえ、見た人によっては好き嫌いの分かれる映画であることはたしかです。いちいちシーンの意味を考えていたら訳がわからなくなると思います。でもこの世界観は圧倒的で、全てが画になるんです。牧歌的で、官能的でもあり、豪華だけど、とてもシンプルで、たとえとしてはあまりよくないかもしれないけれど、すごくお洒落なファッション雑誌を見ているかのようです。

ストーリーとしても面白く、かたや人生の絶頂期は過ぎ、半ば老いることに「邁進」しているフレッドと、避暑地に来ているとはいえ、自分の半生を凝縮した映画を撮ろうと、まだまだ人生を諦めていない映画監督ミック。このジイさん2人のかけあいが面白い。且つフレッドの娘、ミックの息子は夫婦だったり、この高級ホテルの住人たちは特殊な人たちが多くて、え、マラドーナ⁉︎とか、一言も言葉を交わすことのない老夫婦だったり(この2人のオチが強烈)、不思議な雰囲気を持つ俳優(これをポール・ダノが演ってる)がいたり。

あまりオチをバラしたらダメだけど、とても精力的に活動していたミックは最終的に生きる希望を失ってしまい、自死を遂げ、フレッドはそれもあって、ある決意をする。そこからがまた一ドラマあるんですなぁ。ドキッとするシーンもあったりする。

とにかく、この映画は、視覚的にものすごく刺激される。ハッとさせられるシーンがいくつもあって、且つ聴覚も刺激されます。

原題は「Youth」。「若さ」って何なんだろうな。年寄り2人の生き様にフォーカスした上でのこのタイトル。ポスターにもなってるミスユニバースのはじけんばかりの裸体をまぶしそうに見つめる2人は、今更若さを求めているわけではないけれど、昔の出来事を思い起こしてみようと必死になったり、過去の自分の影を追いかけていたり。

もう関西では上映終わってしまうけど、そして、みんな見て!とは言えないのだけど、素晴らしい映画を観たなぁと心から思ったのでした。…やっぱり、みんな見て!

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