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【cinema】ロブスター

気がついたら6本も感想をためていた…。空っぽになったかと思えばすぐに満たされる私の映画脳。でもまだまだ一杯いっぱいではない、かな。

コレは1日3本見たうちの2本目にあたる作品。見る前から異色作だろうなとは思っていたけど、こんなのとは思わなんだ。カズオイシグロの「わたしを離さないで」に似た世界観です。あり得ないけどあり得るかもしれない近未来の現実が映し出されている。「世にも奇妙な物語」の海外版のようでもあります。

独身者は身柄を確保されてホテルに送り込まれ、そこで45日以内にパートナーを見つけなければ、動物に変えられて森に放たれるという近未来。独り身のデビッドもホテルへと送られるが、そこで狂気の日常を目の当たりにし、ほどなくして独り者たちが隠れ住む森へと逃げ出す。デビッドはそこで恋に落ちるが、それは独り者たちのルールに違反する行為だった。(映画.comより転記)

ほぼ狂気に満ちているんだけど、登場人物は冷酷な人たちも含めて皆どこか淋しげで、時に変な笑いがあったり、グロかったり、卑猥でもあり、とにかく変な映画。ある意味、テーマは「壮大な真実の愛」だし、人は愛無くして、また、独りでは生きていけないってことが根っこにあるんだと確信させられる。

なぜ、ロブスターなのか。コリン・ファレル扮するデビッドがもし相手が見つからない場合に何の動物になりたいかの答えがそれ。突拍子もな感じもするし、すごく腑に落ちる気もする。この映画の中で一番「人間的に」描かれているのが主人公デビッドだと思うのだけど、彼を中心に見れば見るほど、私たち人間って不思議な生き物だなぁと思えてくる。

何かを偽ってまで、共通項を見つけてパートナーを探す姿は、私たちの日常でも実はフツーに行われているし、何か今の自分の立場と重ね合わせると、ものすごく虚しくなってしまった…。強制され、極限まで追い詰められないと動かないということも含めて…。

ラストの答えは出ないまま終わるので、観る者にデビッドが自分の目を突くか突かないかは、委ねられるのだけど、私の答えは、突かない、です。心から愛する女性は失明してしまった。自分も同じ痛みを受けて、彼女と共に生きていこう。そんなバカな話ある訳ない。冷徹かもしれないけれど、デビッドはそう選択したはず…。私ならそうしてしまうから…。

見た方はどう思われたか教えてほしいです。

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#note映画部

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