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東京国際映画祭レポートvol.1

映画フリークの私が、一年越しで楽しみにしてる映画イベントがコチラ、東京国際映画祭です。

(また書きますが)レッドカーペット系には興味はないので、(日本の)俳優さんが来ようが来まいが「私の」映画祭には何の差し障りもないんですが、そんな中でも楽しみなのは、映画後のティーチインの時間だったりします。

その国の人たちなら当たり前のように知っている、わかっている背景やコモンセンスがわからずに、終始頭の中ははてなマークで、頑張って食らいついて見るような内容が多かったなと現時点で5本見ていて、感じたことです。だから、製作サイドの方の思いや考えを聞けるティーチインの時間は重要!

今回の遠征の前半戦で見たのが以下の5本。

ヒストリー・レッスン」メキシコ
どちらかというと堅物で、家族にも本心を打ち明けることのできない初老の女教師ヴェロと、問題児の転校生エヴァの不思議な交流を描いた物語。私は5本中この話が一番好きで、二人が遊園地で楽しむシーンに涙が出てしまった、なぜか。エヴァはヴェロを彼方の世界へと解き放った存在なんだと。

いい意味で小悪魔」カナダ
絶対日本で作れない話。不特定多数の異性と関係を持つことは、男なら経験値アップ、崇められるのに、女ならふしだらで蔑まれる。そんな性差に対して、何とかしようと立ち上がるティーンエイジガールズの話。これをカナダでは親同伴の13才以上の子に見せて、ディスカッションさせようというのだから、観念が違いすぎる。マリア・カラスの歌唱シーンが印象深く、単なるコメディドラマとは一線を画す。

赤い子牛」イスラエル
イスラエルの中でも東エルサレムのアラブ人居住区に住む一部のユダヤ教徒ベニーという少女の目を通して描かれる日常。父ヨシュアはそのユダヤ教の急進派の司祭で、母は彼女が生まれた直後に死に、男手一つで育てられたが、ベニーにとっては窮屈でしかない毎日。その彼女の立場を父が新しく買ってきた赤毛の子牛に重ね合わせて物語は進む。また、ベニーは気づいてしまう。自分が同性愛者だということに。

蛍はいなくなった」カナダ
友達はそれなりにいるし、何も考えてない訳じゃない。でも自分の住む町の全てが退屈で、周りの大人たちにロールモデルなんていない。将来に何の意味も見出せない女子高生レオニーの物語。誰もが通る道、なのかもしれない。でも私は彼女に全く共感できなくて。
これもカナダでは、10代の子に見せて家族で語るらしい。日本ってそういう機会がほぼ無いと言っていいから、いざこの映画は誰をターゲットにしているかと問われると答えに詰まる。どの年齢層に見てほしいか、じゃないと思うんだよね…。難しい。

堕ちた希望」イタリア
5本中いっちばん荒んだ話。舞台はナポリ北部の荒れ果てた海辺の地。主人公のマリアは人身売買組織の末端の手引き役で、妊娠した娼婦たちを集めては子供を生ませて売る役割を担う。そんな彼女が妊娠し、生む決意をするが…。エンドロールの最後に、希望に満ちたシーンが映され、こんなにも顔がほころんだことがない。
この後、新幹線に飛び乗らないといけなくて、ティーチイン聞けなかったのが、残念でなりません…。

けれど、私はこれまで数々のティーチインに参加しましたが、自分で質問したことや感想を述べたことがありません。というのも映画を見た直後は、考えがまとまらず、もしマイクを握ってしまったら、思いが溢れ出て、どこで終わらせるか自分でもわからなくなりそうなのと、あがり症でもあるので、人前で話すのが恥ずかしかったりするのです。

それでも何度かこういう質問をしたい!って思ったことはあるんですが、時間が足らず。海外だとこういうティーチインの時間を切らず、延々と監督や製作陣と観客との応酬が続くようです。イタリアとか。あと日本はこういうのに場慣れしている人が少なくて、微妙な空気が流れたりします。それ、今ここで聞く⁉︎みたいな。

でもやっぱり楽しい、映画祭。

さて、明日は定時ダッシュしまして、新幹線に乗り込み、21:30からの映画を観るべく、大阪 から東京へ乗り込みます!スムーズに事が進むよう今からずっとシミュレーションしております!

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