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【cinema】WILD わたしの中の獣

2017年14本目。

一言でこの映画のあらすじを申し上げます。

主人公のアニアという女性は、狼に惚れてしまう

それはファンタジーとか云々ではなく、まさに現実。これは現代なの?はてさて、どうしてそうなったの?と考えれば考えるほど、答えは導き出せません。この強烈な感覚をどう表せばいいのか。

彼女は本能で、狼の中に、自分の何かを感じて、彼を誘き出し、自分の家に囲うのです。そりゃもうあの手この手を使って。「恋する乙女」ではなく、実際の「ハンター」ですわ。

この映画を撮ったのは女性で、たしかドイツ映画「バンディッツ」に出ていた女優さんだったかと思います。ニコレッテ・クラヴィッツ。

まだ最初の方はいいんです。けれど、狼を囲ってからのアニアの変貌ぶりはキテレツすぎて、相当エグいシーンもあるし、何でこれを女性が撮ろうと思ったんだろうと思わざるをえない。

野生化や本能、という言葉で片付けられるものではないと思う。私たちの誰もが持っている感覚とも思えない。でも人間はあまりにも理性で物事を考えすぎてしまっているのかな。

アニアはとある会社でIT雑用係みたいな事務職に就いている。ボスは勝手気ままに振る舞うワンマンのボリスという男性。この2人の関係がよくわからないのだけど、昔何かあったんだろうか。ラストの方になって、そうなのかな?と思えるセリフがあったり、深読みしすぎなのかと思ったり。とにかくそれまで気にも留めなかった一部下のアニアのことをボリスが必死で止めようとするんだよね。野生化していく彼女を見て、ヤバイと思ったんでしょうか。

それでも彼女は心の赴くままに、突き進んでいきます。もう狼の虜であることは間違いない。狼もそれを完全に受け容れる。そこに主従関係などなく、完全に「1人と1頭」は対等で。

なぜ彼女は狼に惹かれたのか。冷静になって考えてみました。

アニアは長女です。妹は彼氏と同棲していて、わりと好き勝手な生活を送っている。2人には寝たきり状態の祖父がいて入院しており、彼の容態に何かあった場合はアニアに連絡が入ることになっている。ただ姉妹の仲は良い。スカイプでやりとりしたりするくらい。だけど、アニアは常に孤独です。美人だけど彼氏はいない。友達と呼べる人もいない。職場の同僚たちのノリにはついていけない。というかこの姉妹の両親は?一切親についての説明がなかったと思ったのだけど、聞き逃したか。

以上のような要因が、彼女の箍を外すことに、なったのか?いや、まとまってないよ。

これは文章長くなればなるほど、この映画の「良さ」が消えてしまうかも。映像を見てるとね、「臭い」がしてくるような気がする。未だに。血のにおい、肉のにおい、獣のにおい…。

ということで、気になる方は見てみてくださいませ!

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