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単焦点レンズは疲れない

今日はレンズの話。もう14年も前になりますけど、とりあえず写真でも始めてみようかな、と軽い気持ちで買ったカメラがSONYのキットレンズ付きミラーレス一眼(NEX-5)でした。

撮ってるうちに驚くほど写真に夢中になり、いろんな写真ブログやカメラレビューを読み込むうちに、”どうも単焦点レンズというのが良いらしい” と判明し、改めて購入したのが富士フイルムの「X-M1」と「XF35mmF1.4 R」でした。

「XF35mmF1.4 R」は当時からめちゃくちゃ評価が良くて、ネットで紹介している方も熱量が高く、このレンズを使ってみたいというのが富士フイルムにした理由。APS-Cなのでフルサイズ換算50mmの焦点距離、これ一本で2年間、毎日のように街や風景を撮影していました。

大阪 2013年10月。淀川の河川敷とかめっちゃ行ってたな。
FUJIFILM X-M1 / XF35mmF1.4 R

写真初心者の時期に、単焦点一本で写真を撮り続けたというのは、いま思えば良かったのかなと思います。制限があって、その範囲内で試行錯誤するのは楽しい。逆にいきなり望遠とか広角とか使うと、レンズに写真を撮らされてしまうという一面があります。

ただ、仕事で写真を撮るようになってからは、単焦点一本と言ってはいられないので、いろんなレンズを揃えました。そうするうちに、いつしか普段使いもズームレンズが多くなってしまいました。

昨年、写真集を出版したのもあって、やっぱりもっと自分の作品を撮り続けようとなり、そのステートメント(自分への)の意味もこめてLeicaを購入。レンズは「Summilux 35mm F1.4 ASPH.」を選択しました。

Leica M11 / Summilux 35mm F1.4 ASPH.

で、改めて単焦点レンズ一本で撮影するようになったのですが、これがめちゃくちゃ楽でビックリしました。むしろズームレンズの方が楽と思っていたのですが、それは大きな勘違いだったようです(今更すぎる)。

例えば24mmから70mmあたりの標準ズームレンズを持っていると、大きく分けて24mm、35mm、50mm、70mm、この4つの守備範囲で外界を見るようになります。自分の場合は、撮影の結果テレ端(70mm)の写真が多くなる傾向があります。

これは、どうもいちばん遠くの方に視線の基準を置いて、他の焦点距離(24mm、35mm、50mm)は相対化している、そんな視線の動きになっているようです。あと同じ場所でも「一応撮っておこう」という感じで4パターン撮っちゃう現象とか。

そんなわけで、ズームレンズを使っていた時は、1時間くらいでヘトヘトになっていたのですが(早っ)、今M11で撮り歩いていても、気がついたら2,3時間たっていて、まだいけるなという感じなのです。35mmのことだけ考えて、他は「撮れなかったら撮れないでオッケー」の精神。これが良い。

Leica M11 / Summilux 35mm F1.4 ASPH.

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