見出し画像

その時その場所にいる

今朝、東京では雪が降っていて「これは雪と桜のチャンスなのでは!」なんて思いながら出かける用意をしているうちに、雨にかわってしまいました。さすがに3月だと積もることはないか。

とはいえ2020年の4月、桜が満開の時期になぜかドカ雪が降ったことがあって、折しもコロナの初期の段階だったので、涙をのんでの自宅待機したことがありました。あれは今でも時々思い出します。ほんと、撮れなかった写真ほど、頭の中で完璧に構築され、良い写真となっていつまでも記憶に残りがち。

そんなこんなで、日々当たり前のように写真が撮れることに感謝しつつ、本日も写真日記です。

例によって全てLeica M11。貧乏性なので元を取るため毎日持ち出してます。持ち出すたびに気分が高まるのが、今までのカメラと違うところ。無駄のないボタン配置や、ざらりとしたマグネシウムの手触りなど、ここまで撮影の気分に影響するのかというのが正直な感想。
毎年撮影している日本橋のおかめ桜。ソメイヨシノよりも早く、3月には満開になります。どうでもいいけど、この標識の人、帽子かぶってるの初めて知った。
花見ができるドトール、お得感ある。
これからのソメイヨシノも楽しみ。
3月3日の東京マラソン。毎年自宅の近くが交通規制で、外の歓声を聞きながらYouTubeで配信を見たり見なかったりという感じですが、天気も良かったしちょっと見に行ってみました。
「がんばれーがんばれー!」の声が響き、応援のためのダンスがあったり(走っている人は見えないと思うけど)、道行く人たちはニコニコしていて、最高に平和なイベントだなと思いました。天気が良いと余計にそう感じる。
裏舞台的な。
東京国立近代美術館の中平卓馬の回顧展へ。1977年、昏睡があった後のカラー写真は(それ以前と違って)、時代から求められなくなった人が撮った写真という印象が強く、個人的には情緒を感じてしまった。手書きの日記の不穏さと、気の抜けた写真とのコントラストがなんともいえない鑑賞後の感覚として残った。今回の展覧の公式カタログが後日出るようなので、コレクション展も見がてら買いに行こうと思います。
本屋でふと手に取ってしまった「三体」の文庫本。どハマりしてしまいました。Netflix全力待機。原作にある古筝(こそう)作戦の映像化にお金をかけまくってくれたら一生Netflixについて行く。そういえばこの小説、冒頭は中国の文化大革命のシーンの記述から始まります。70年代、激動ですね。世界的に。
日帰りで湯河原へ。ちょっとした遠出ももちろんM11。ほぼコンデジ感覚です。。35mmなのだけど、中望遠で撮ったみたいに見える。フルサイズだとこうなるのか、と新鮮に感じます。
「湯河原惣湯」という日帰り温泉施設。ランチプランだと、最大5時間滞在できます。お風呂と食事、自然に囲まれた施設内で本を読むという贅沢な時間。
食事以外でも飲み物をオーダーできる。お風呂上がりのオレンジジュースがやたらうまい。
湯河原駅近く。帰りに寄った喫茶店。閉店時間ギリギリでも暖かく迎えてくれた。
アイス2個分って珍しい笑。日帰り湯河原、良い感じでした。
先日のおでん。お馴染みの渚さん、黒田氏と。自分にとっては自然体で話が出来る数少ない友人たち。
それではいくつかスナップを。基本的にF5.6で、ピントを無限大近くに置いて、ガシガシ撮っていく感じ。35mmなので遠いと感じるシーンは多いけど、トリミング前提で撮ってます。逆に横で撮った写真も、Instagram用に縦にトリミングすることもあります。フルサイズということで、そのあたりの柔軟性はアップしたと思う。
元の写真はこっち。
街中にある何らかの気配を、ライカが拾い上げてくれる。

そう、基本的に写真は In the right place at the right time (その時その場所にいる)が大事なので、「そのシーンをライカが撮らせてくれた」という気持ちは比喩的ではなく、実感としてもあります。

「いつかはライカ」というのは、もしかしたら「何年も写真を撮っていると飽きや限界を感じるので、その受け皿として高額なカメラを買うという荒療治」という、ロマンでも何でもない意味を含んでいるのかもしれません。

ここから先は

440字 / 1画像

写真家の日記

¥500 / 月

写真家の日記です。仕事のことや、撮った写真のこと、それらを通じて考えたことなどを、月に4回発信します。読んでくださる方の思索の起点、もしく…

写真集「PERSONAL WORK」を出版しました。 http://usetsu.com