まーた潰れましたね、脱毛サロン
やっぱり脱毛という仕組み自体が一定無理があるのではないかと思っているので、それについて書きます。

商売というのはおおむね、存在している不快を取り除いたり、素敵なものを創り出したりして快の状態にすることで成り立っているのかな、と思っています。
一方で人間社会の長い歴史においてはかなりの不快が取り除かれ、新しい商売を始めるのはとても大変になってしまいました。

そんな中で他と競合しない商売を始めるにあたっては、不快を生み出す作業が先に必要なのだと思います。
個人的にはマナー講師と怪しい宗教と脱毛業界は同じ構造だと思っていて、いずれにおいても「今のあなたの状態は実は不快な状態なのです！！！」という嘘を脳みそに、社会に刷り込むところから始まっています。

まずはわかりやすい宗教の話からすると、
例えば「あなたの後ろには悪い霊がいて、ずっと悪さをしています」「ここで学ぶことによってより良い世界に行くことが出来ます」ということをそれっぽい人がいうことで、今まで普通に生きていた人の生活を一気に不快な状態に落としていると考えられます。
人間生きていれば不幸が続くこともあるのに、それを正常な状態ではないと断言することによって、その人の人生に大きな不快が生まれます。
商売側としては目の前に自分だけが解消出来る大きな不快が生まれるので、絶好のチャンスとなるわけです。

マナーについても同様です。
『「おつかれさまです」というワードは実は失礼なのですよ』という指摘をすることによって、聞いた人は「もしかしたら私は自覚していないだけで失礼な人間なのかもしれない」という不快が生まれてしまうのです。

脱毛が取った戦略もこれと同様だったのではないでしょうか
「夏に向けて脱毛して、きれいな体になろう！」と言われると、今の自分の体がひどく汚いものに見えてしまいます。
別に今まで通り毛を剃るという作業を行うだけで問題はないはずなのに、一度気になってしまった毛穴が、剃り残しがどんどん自分の意識を蝕み、不快が生まれてしまいます。
そして一度生まれた不快を忘れないよう、そして周りの人はもうやっているという圧力によってよりその不快が強まるよう、脱毛業界は広告を打ち続けます。
素晴らしい広告活動の結果不快が閾値を超えてしまった人間が脱毛に手を出さざるを得ない状況へと陥るのです。
やけにインフルエンサーへの報酬が豪華なのも恐らくこれが原因で、「みんなはもうやっている」「私は始めるのが遅かったのを後悔している」と発言する人が多ければ多いほど、ターゲットの不快は強まるのです。
ここまで聞いているとマルチ商法とおおむねやり口が同一なことにもピンとくる人が多いのではないでしょうか。

↑最後の文章も実は同様のやり口ではあります。
よくわからない持論をたくさん書いているノートを見て理解が及ばないという不快な状況を作り出して、あなたはわかっていますよね、という語り口であなたを気持ちよくしました。

さて、そして不快な状況を作り出すのは相当困難な作業となっています。
マナー講師の皆様は頑張って社会の上流にアプローチすることによって多くの人に不快を産み出そうとしています。
宗教の方はごく一部の人しかターゲットにしないものの、家庭訪問などを通した無差別の1対1攻撃によってよりターゲットに寄り添った強い不快を産み出し、少数の人間からとんでもない額を集めることによって成り立っています。

ここが脱毛業界が頑張れなかった部分なのではないでしょうか。
1人数十万という小さなお金で何とかやっていきたいのであれば、もっと社会の上流やマスコミに取り入って、社会全体の風潮として脱毛をしていない人間を迫害するべきであったし、
今くらいの人数規模でやっていくのであれば宗教やホストクラブのように1人から数百～何千万円のお金を取る必要がありました。
自分はあまり明るくないので想像ではありますが、恐らく整形業界はひたすらに施術を行わせることで、こちら側の戦略を取り、なんとか成功しているのかな、と思っています。

あいにく人間は毛が生える部位が限られているという性質上、自分が脱毛していない人間であるというのは有限な不快でした。
であれば脱毛業界が取りうる生存方法としては、
1.ひたすら広告を出し、マスメディアを活用して社会の常識ごと変化させる
2.脱毛に来た客をターゲットとして、美肌や整形などの紹介を通して脱毛以外の、強くてキリがない不快を提供する
のどちらかになるのだろうなと思っています。

脱毛業界のみなさん、ギリギリの状態で広告を打ちまくって新たな人に新たな不快を与えるのには限界が来ました。
これからは一度でも脱毛に来た人に対して家庭訪問をし、肌の汚さや鼻の形の悪さを指摘する不快を産む方向にシフトするのがよいと思います！

全部クソ食らえだよボケ