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日記140:「鳥の名は」

鳥に詳しくない。

最近うちのインコが近くに寄ってくることが増えた。
インコはいとこが飼育しているもので、緑と黄の柄をしている。オスだった気がする。
私は知的好奇心は割合旺盛な方だと思うのだが、興味のないものにはとことん興味が湧かない。だから鳥が彼なのか彼女なのか、未だにわからないし、種類の名称も分からない。なにを食べることができるのかさえ知らない。
基本的に動物は苦手だ。うちの猫はまあ可愛いが、それでも世話をしたためしがほぼない。なんというか、動物は…あと子どもは、汚いイメージがあって仕様がない。

そのインコを初めて目の前で放されたとき、それはたいへんな衝撃だった。
トイレを覚えずどこでも用を足し、乗った指のささくれを啄み、ものすごい音で部屋を飛び、挙句の果てにエサを吐き出す。正直化け物だと思った。
昔はインコが放されたときはすぐさま別室に向かった。あるいはいとこが気を遣って、私がいないときに放してくれた。最近は少し慣れてきたので同じ机にいる。

いとこはたまに鳥のにおいをスンスンし、うーん!穀物のにおい!などと舌鼓を打つような反応をする。私はやはり、いわゆるホニャララ吸いは大反対の人間だ。動物なんて清潔でないとまではいかなくとも、毛だの雲脂だのがすごいものだと思う。アレルギーでなくたって、それにしたって…という気持ちでそれを眺め、おいおいやめろよと窘めたくなる。
インコがエサを吐き出す様は異様だ。いわゆる吐瀉されたものとは異なる形状であるのは助かったが、それゆえにそれそういうものだと気付くのに遅れ、叫んだ。
穀物類を食するからああいうのが出るのだろうか?五家宝の中身のようなものがモロモロと出てくるのは恐怖であった。

動物、怖い。すこぶる怖い。

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