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【roots2】 《23章》新しい目標

「おはよう。今日は何か予定ある?」
ルビーが遅く起きて来たデイブに聞いた。
デイブは眠そうに目をこすり頭を掻きながら
「おはよう。ないよ。なんにも」と答えた。
「じゃあ、久しぶりに丘の家に行ってみない?」
とルビーがデイブの朝食をテーブルに並べながら言うとデイブはパンにかじりつきながら頭を振ってうなづいた。

「ここに住んだの短かったね」デイブがテラスに出ながら言った。
「私はここが好きよ」とルビーが言うと
「うん。本当にこの丘からの眺めが素晴らしいよね。」とデイブが答えた。
テラスから森外れの町や皆が働いている賑やかな繁華街まで全部が見渡せた。
すぐ眼下には自然に咲いた花たちが庭を埋め尽くしている。
「この庭をさ、畑にしたらどうかな?オスカーに帰って来てもらうの」ルビーの言葉にびっくりした。「名案だね!!すごいや!」
「眺めも良いし、畑が出来れば。ここでレストランをしても素敵じゃない?」
「ルビーは僕の考えがわかるんだね。手を握らなくても、なんでも見えてるみたい」
ルビーは嬉しくなってデイブの胸元に抱きついた。デイブも優しく抱きしめ返して
「忙しくなるけど大丈夫?」と聞いた。
「もちろん!言い出したんだもの」
デイブはルビーの頭を撫でて。
「本当に次から次へと…僕に寄り添ってくれてありがとう」と言った。
ここ数ヶ月の目まぐるしい毎日を何でもない事のようにして側にいてくれるルビーの笑顔がありがたかった。

「ルビー…前の家も見て行こうかな」デイブが言うとルビーは手を繋いでグングン歩き出した。
ルビーは元気。言い出しておいて、怖気付いている僕を引っ張ってくれている。ありがたいな。
今行かないとダメな気がして…でも見るのはやっぱり怖い。

見慣れた景色…ただ違っているのは、
大きな穴と家は片付けられていて草が生い茂っていた。2人は手を繋いだまま少し離れて土地を眺めた。
「ここは、変っちゃったね」デイブが寂しげに言うと「私とデイブだって随分変わったじゃない?変わらない事なんて無いのよ。でも変わっても一緒にいる。それで良いのよ」と繋いだ手を持ち上げた。
「そうだね。大切だって気持ちは変わらないし。」ここで過ごした沢山の思い出が蘇って
胸が熱くなった。
「オスカーが初めて来たのは15歳か?」
「16歳かな。そのくらいね」
「可愛いかったな。最初無口で人見知りで」
「ふふっ懐かしい。すぐに手紙を出しましょう」
「畑が整ったら戻って来ないか?って?」
「きっと飛んで帰ってくるわ」
「元気かな?僕を恋しがって泣いてばかりじゃないと良いけど」デイブが当たり前みたいに言った。ルビーは呆れて
「オスカーを何歳だと思ってるの?30過ぎてるのよ」と笑うと
「僕らにはずっとあの時のままだろ?」とデイブが答えて2人で微笑み合って新しい家に向かって歩き出した。

家につくとサイラスに水をあげた。
「サイラス、あの家で畑を整えてオスカーを迎えようと思うんだ。前に話した僕の息子だよ」葉を両手で挟んで目を閉じた。
「サイラスに紹介するよ。楽しみにしておいて」
そう言うとサイラスからふわふわっと光の輪が浮かび上がって。
「楽しみにしているよ」と返事をしてくれたような気持ちになった。


to be continue…
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ワクワクとドキドキと喜びと幸せを🍀
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