wowaka「ワールズエンド・ダンスホール」初の首位を獲得【ぼかびる #03】

12/21のニコニコ VOCALOID SONGS TOP20

 2022年12月12日(月)〜2022年12月18日(日)を集計期間とし、12月21日に発表された、ニコニコ VOCALOID SONGS TOP20。

 当週の首位は、wowakaが2010年に投稿し、ニコニコでの総再生回数は1300万回を超えている「ワールズエンド・ダンスホール」が、初登場で首位を獲得することとなった。また、wowakaは当週、12位に「アンノウン・マザーグース」もチャートインさせ、新たに2曲をチャートインさせる結果となった。
 当週、上記にある公式解説記事内で、「本チャートは公式動画のヒットだけではなく、2次創作(歌ってみた、踊ってみた、弾いてみた)などのヒットも勘案して制作されている」ということ、UGCなどの人気も鑑みた上でチャートが制作されるということを、公式が明言した。

 ニコニコ動画では、「踊るノコノコ」MADが2022年11月以降流行しており、集計期間内の12月17日(土)には、踊るノコノコと「ワールズエンド・ダンスホール」を組み合わせた「ワァルズエン踊・ノコノホール」が投稿され、再生数やいいねの数を伸ばしている。
 公式動画の「ワールズエンド・ダンスホール」の週間での再生回数はおよそ13000回、マイリス数は約100回と、他のチャートイン楽曲と比較すると少なく、UGC人気が牽引して首位を獲得した形だと考えられる。
 また、当週Top10にランクインした楽曲であると、「フォニイ」「神っぽいな」「きゅうくらりん」も、踊るノコノコに派生されたUGCが制作されており、その点でチャート順位を高めている可能性がある。また、踊るノコノコの派生動画は続々と産まれている。この点で、今後数週間でチャートの流れが変わるかもしれない。MADによる人気で、チャートの順位が変化する可能性も考えられるようになってきた。

 また、2022年12月11日(日)には、ニコニコ動画内で、やっち が主催した、懐かしい楽曲を歌って投稿する「ボカロ懐メロ祭」が開催された。

 当週、12位にランクインを果たした、wowakaの2017年に発表した楽曲「アンノウン・マザーグース」は、アンダーバーが投稿した当楽曲のアカペラでの歌ってみたが、起因していると考えることもできる。

 しかし、「ボカロ懐メロ祭」で多くの再生数・マイリスト数・いいね数を集めた楽曲でも、当週のニコニコ VOCALOID SONGS TOP20にはランクインできていない楽曲も多く、UGCと本家動画で結び付けが行われていない動画・楽曲もある可能性がある。
 勿論、結び付けが行われていたものの、いいね数・マイリスト数なども合わせた結果、当週20位に満たなかった可能性や、Billboard独自の係数の問題もあるので、現時点では判断が付かない事も多い。その点は、今後の動向に期待したいところである。

 当週集計期間内に投稿された新曲で、チャートインを果たした楽曲は、12月16日(金)に投稿され、5位にランクインした、ゆうゆ「深海少女 -deep sea girl-」である。
 本楽曲は、2010年に投稿された自身の代表曲「深海少女」に新たなアレンジを加えて再編された楽曲であり、集計期間内での再生回数は21000回を、コメント数は500回を、マイリスト登録数は700回を、いいね数は1400回を超えている。現時点でも再生回数を伸ばしており、翌週のチャートインも期待できそうだ。

 また、2週連続で首位を獲得していた、いよわ「地球の裏」は、当週は19位へと順位を落とす結果となった。初週の集計期間に投稿され、2週連続でTop10圏内にランクインしていた、れるりり「Iなんです」、DECO*27「毒林檎」は、当週はチャートインを逃すこととなり、ロングヒットに至るまでの難しさを痛感させられている。

12/21のBillboard Chart

・Offcial髭男dism「Subtitle」が、13759点を獲得し、7度目の総合首位。10週連続での1万点超えとなった。DL数は15910DL、ストリーミング数は1746万回と前週より下がったものの、高い水準を保ち続けている。今週は、『silent』の最終話が放送、紅白歌合戦での披露も決まり、年末年始以降の更なる動向が非常に楽しみである。

・2位は、米津玄師「KICK BACK」。CD売上数は8431枚、ダウンロードは8583DL、ストリーミング再生は1746万回を記録した。9623点を獲得し、高い水準を保っているものの、1万点超えの連続記録は9週で止まることとなった。『チェンソーマン』は、翌週最終回を迎え、今後の動向が非常に楽しみである。

・3位はKis-My-Ft2「想花」、4位はNiziU「Blue Moon」である。CD売上は、前者は24.8万枚、後者は20.7万枚と、どちらも前作を上回る高い水準を保っている。
・Kis-My-Ft2「想花」は、CD得点に加え、ラジオ指標では2位、ストリーミング指標では56位を記録し、9008点を獲得。更にポイントを押し上げた。
・NiziU 「Blue Moon」は、DL指標では46位ストリーミング指標では92位を記録。7857点を記録した。ここから更に、ライト層への浸透が行われていくことを期待したい。

・5位には、宇多田ヒカル「First Love」が登場。6024点を記録し、前週より順位を上げた。ストリーミング指標では、779万再生を記録し3位と、当楽曲での最高位を更新し、支持を拡大し続けている。

・14位には、Stray Kids「CASE 143」が登場。チャートイン11週目にして、初のTop20圏内へのランクインである。YouTube ShortやTik Tokでのダンス動画での人気やFNS歌謡祭での披露、Japanise Ver.の配信開始などでも話題を呼び、ストリーミング指標では8位にランクイン、同曲初のTop10圏内に登場した。
 また、TikTok指標でも8位にランクインしており、更なる人気上昇が期待されそうだ。

・36位には、『チェンソーマン』第7話エンディングに起用された、ano「ちゅ、多様性。」が登場。4週連続で総合Top50圏内にチャートインしている。特に、動画再生指標では、6位にランクイン、3週連続でTop10圏内に入っている。ダンス動画などで人気を集めたTikTok指標でも、当週5位を獲得、3週連続でチャートインを果たしており、中毒性を高めている。

・42位には、『うる星やつら』EDテーマである、MAISONdes「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ feat. 花譜, ツミキ」が登場。初のTop50圏内に突入した。特に、動画再生指標では、7位にランクインしており、TikTok指標では、15位にランクインしている。MAD動画やUGCでの人気も含めて、今後の更なる人気上昇が期待される。

・今回後半で取り上げた3曲は、特に動画再生や、TikTokなどでのUGCで大きく人気を集めているように考えられる。UGCでの人気も含めて、今後の動向が非常に楽しみかつ、次期ブレイク候補となりそうな楽曲である。

・アーティスト指標では、1st Album『Awakening』をリリースし、28.3万枚を売り上げアルバム総合指標首位を獲得したINIが首位を獲得。リード曲の「SPECTRA」は、ラジオ指標を制し、総合31位にチャートインした。

・アーティスト別ストリーミング指標では、7週続いていた、
 1位・Offcial髭男dism、2位・Ado、3位・back numberの流れが変わり、
 1位・Offcial髭男dism、2位back number、3位Adoとなった。

・back numberは、紅白歌合戦特別枠での出場やFNS歌謡祭など、話題が相次ぎ、12月15日(木)付のSpotifyアーティスト別国内再生数指標では、自身初の首位を獲得した。また、総合指標では、「クリスマスソング」が13位、「アイラブユー」が16位と、総合指標Top20圏内に2曲を送り込んでいる。ストリーミングでの人気に加えて、「クリスマスソング」ではカラオケ指標、「アイラブユー」はDL指標により、更にポイントを押し上げている。

・当週総合指標7位にランクインした、Ado「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」は、12月19日に、YouTube1億再生を突破した。Adoとしては4曲目、2022年にYouTubeに投稿されたJ-Popとしては2曲目となる快挙である。
・当楽曲は、6月に発表・チャートに初登場してから今に至るまで、28週連続でTop10圏内を維持している。楽曲の力や、アーティストの力、タイアップ先の力はもちろんのこと、楽曲が発表されてから今に至るまでのマーケティング、アーティスト側やタイアップ側の押し上げにより、更なる人気を獲得し続けた好事例であると考えている。紅白歌合戦での披露も決まっており、年末年始に向けて、更なる人気拡大が期待できそうだ。

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