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※文章と音声、どちらでも楽しめます。


おはようございます。
山田ゆりです。



今回は
夫の遺品整理～ＬＰレコード～
をお伝えいたします。



夫は60歳のある朝
致死性不整脈で亡くなった。
何の前触れもなく、ベッドで寝ていた夫は
誰にも気づかれることなく突然この世からいなくなった。


あれからもうすぐ3年になる。
夫の6畳の部屋には大きなレコードプレイヤーやＣＤを聞く機械、テレビなどがあり
6畳の部屋はギュウギュウだった。
そしてたくさんの本と一緒にＣＤやＬＰレコードがある。

本棚の一番下の段のＬＰレコードを今日は片付けよう。



埃が付いた袋に入ったレコードを眺める。
それらは意外なモノだった。

山口百恵さんのレコードがいっぱい。
（レコードの一部です）
https://yamayuri58.com/tyoubo/wp-content/uploads/2022/08/20220808_064632.jpg


そして、私が高校時代、合唱部に所属していたが
その合唱部の全国大会のＬＰ、
その学校の定期演奏会のＬＰ、
マタイ受難曲、マリアカラスのＬＰなどだった。



そうか！

山口百恵さんが大好きな私は当時、
彼女のＬＰレコードが発売されるたびに購入していました。
それらのレコード、どこにやったんだろうと思っていた。


部屋でレコードを聴く夫に全てを託していたのを
今さらながら思い出した。


それらのＬＰは神前結婚式や新婚旅行のアルバムと一緒に並べられていた。
ああ、私は愛されていたんだと、
それらを眺めながら思い出に浸っていた。




「お母さん、これ、なあに？」
二女がレコードプレイヤーを指さして言った。

今どきの子は、レコードを見たことがない。

ふたを上に開けてみる。
中にレコードが入ったままになっていた。
そのレコードを取り出すと、レコードは2枚あった。

ということは、2枚重ねて夫は音楽を聴いていたのか。
そんな事ができるとは知らなかった。




夫がレコードを聴いていた当時の事が思い出される。


夫は夕飯が終わって自分の部屋に戻ると
時々、大音量でレコードを聴く人だった。

お隣とは小屋や広い庭が間にあるから
それほど気にしなくてもいいのだが
しかし、夜に大音量で曲をかける夫を私は理解できなかった。

だから、最初の内は
「また始まった」と思って我慢していたが
その内、階段を上って夫の部屋をノックし
「○○さん、もう少し音量を下げて」とお願いしていた。

夫は渋々、少しだけ音量を下げた。



夫は嬉しい時よりも
落ち込んでいる時にその音量は大きかったと思う。

夫の気持ちを察しながらも、しかし
世間体を気にする私は夫にいら立っていた。


夫の大音量は、
「15歳の少年」という題名がぴったりだった。




今日の遺品整理は、
「もの」ではなく「感情」が相手なので、
思ったよりも進まなかった。





今回は
夫の遺品整理～ＬＰレコード～
をお伝えいたしました。

本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。　

ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。

山田ゆりでした。



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