アポなしのお客様で垣間見る人間性【音声と文章】
山田ゆり
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1358
※note毎日連続投稿1414日をコミット中！1358日目です。
※鼻詰まりが強くて、た行とま行が特に変ですみません( *´艸｀)
※音声・文章、どちらでも楽しめます。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
アポなしのお客様で垣間見る人間性
をお伝えいたします。
社長にアポなしの見知らぬお客様が
店舗の入り口にお見えになった。
その方は60代後半くらいの男性だった。
お客様対応係のケイコは社長におつなぎしようか一瞬迷った。
すると事務室の奥の方から社長の奥様が小走りで近寄ってきた。
その応対からして、かなり重要な人物のようだった。
奥様が社長室に行き社長がすぐにいらした。
そして社長自ら「どうぞ、どうぞ」と言って、
スリッパかけからスリッパをとり相手に進めた。
スリッパを取る時、やり慣れていないため社長は少しまごついていた。
そして社長室で30分くらい歓談されてからその方はお帰りになった。
社長は入り口まで来てその方のお姿が見えなくなるまで
深々と頭を下げていた。
やがて社長は頭をあげた。
それまでにこやかだった顔は一変し、
社長のケイコに向けた言葉にのり子は驚愕した。
「お客さんが上がられそうだと分かったら、
スリッパぐらい、ちゃんと準備しろよ」と
社長はケイコに捨て台詞を吐いた。
のり子が遠目で見た限りでは、あの場合、
壁、スリッパ、社長、ケイコの順の位置にあったから
ケイコがお客様にスリッパをお出しするには無理があった。
社長がスリッパを取る時に
まごついた自分を見られたことで
プライドが傷ついたのだと思う。
社長のその一言で事務所の空気は一瞬にして凍った。
その日の午後、別のアポなしのお客様がみえた。
「㈱〇〇と申します。竹田様をお願いします」
お客様対応係のケイコは
「はい、竹田ですね、少々お待ちください」と応え
営業の竹田さんのところに向かった。
「お世話になっております～。」
いつもの明るく大きな声で竹田さんがやってきた。
お客様は「竹田様からのご依頼の商品をお持ちしました」とおっしゃった。
竹田さんは少し首をかしげ、そして
「もしかしてＡ営業所の竹田でしょうか？
Ａ営業所はここではないんですよ。
ここから車で５分くらいのところにありますから。
あっ、でも、大丈夫ですよ。
差し支えなければ私がお預かりして
あとでＡ営業所の竹田へ持って行きますよ」と言った。
間違ってきたお客様ではあったが、
相手にご足労をかけずに丸く収めることができた。
さすが竹田さんだ。
竹田さんはわずか３か月前に転職して来た営業のベテランであり、
さらに社長の知り合いでもあることから、
入社間もない時から、存在感を漂わせていた。
お客様への心配りもすごいと思う。
お客様がお帰りになった。
この後の展開は想像がつく。
「いや～。同じ名字だから間違いもあるよなぁ。ま、そんなもんだよなぁ～」
そういう会話を竹田さんがケイコにして、いつもの大笑いでその場を納める。
だれもがそう思っていた。
しかしである。
お辞儀の頭を上げた竹田さんは
「ケイコさん、私の来客は、何日の何時に誰が来るといつも伝えているでしょ。
今日私には来客の予定が入っていないから、相手が「竹田様」って言ったら、僕ではなく
Ａ営業所の竹田君ではないかと、機転を利かせてくれよ。
そうすれば僕が出てこなくてもよかったのに」とイ
ライラしながらケイコに言った。
ケイコのような弱い立場の人に刃をむける人は最低だ。
竹田さんの言葉を聞いたのり子は、この会社の未来はないと感じた。
だからのり子は、
深々と頭を下げる人を信じられない。
一見、丁寧な風を装い、その頭の中で何を考えているのか。
また、口がうまくて調子のよい人も信じられない。
いわゆる「勝ち組」は
人の弱いところに平気で塩を塗るような人が多いから。
今回は
アポなしのお客様で垣間見る人間性
をお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。
山田ゆりでした。
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山田ゆりです。
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アポなしのお客様で垣間見る人間性
をお伝えいたします。
社長にアポなしの見知らぬお客様が
店舗の入り口にお見えになった。
その方は60代後半くらいの男性だった。
お客様対応係のケイコは社長におつなぎしようか一瞬迷った。
すると事務室の奥の方から社長の奥様が小走りで近寄ってきた。
その応対からして、かなり重要な人物のようだった。
奥様が社長室に行き社長がすぐにいらした。
そして社長自ら「どうぞ、どうぞ」と言って、
スリッパかけからスリッパをとり相手に進めた。
スリッパを取る時、やり慣れていないため社長は少しまごついていた。
そして社長室で30分くらい歓談されてからその方はお帰りになった。
社長は入り口まで来てその方のお姿が見えなくなるまで
深々と頭を下げていた。
やがて社長は頭をあげた。
それまでにこやかだった顔は一変し、
社長のケイコに向けた言葉にのり子は驚愕した。
「お客さんが上がられそうだと分かったら、
スリッパぐらい、ちゃんと準備しろよ」と
社長はケイコに捨て台詞を吐いた。
のり子が遠目で見た限りでは、あの場合、
壁、スリッパ、社長、ケイコの順の位置にあったから
ケイコがお客様にスリッパをお出しするには無理があった。
社長がスリッパを取る時に
まごついた自分を見られたことで
プライドが傷ついたのだと思う。
社長のその一言で事務所の空気は一瞬にして凍った。
その日の午後、別のアポなしのお客様がみえた。
「㈱〇〇と申します。竹田様をお願いします」
お客様対応係のケイコは
「はい、竹田ですね、少々お待ちください」と応え
営業の竹田さんのところに向かった。
「お世話になっております～。」
いつもの明るく大きな声で竹田さんがやってきた。
お客様は「竹田様からのご依頼の商品をお持ちしました」とおっしゃった。
竹田さんは少し首をかしげ、そして
「もしかしてＡ営業所の竹田でしょうか？
Ａ営業所はここではないんですよ。
ここから車で５分くらいのところにありますから。
あっ、でも、大丈夫ですよ。
差し支えなければ私がお預かりして
あとでＡ営業所の竹田へ持って行きますよ」と言った。
間違ってきたお客様ではあったが、
相手にご足労をかけずに丸く収めることができた。
さすが竹田さんだ。
竹田さんはわずか３か月前に転職して来た営業のベテランであり、
さらに社長の知り合いでもあることから、
入社間もない時から、存在感を漂わせていた。
お客様への心配りもすごいと思う。
お客様がお帰りになった。
この後の展開は想像がつく。
「いや～。同じ名字だから間違いもあるよなぁ。ま、そんなもんだよなぁ～」
そういう会話を竹田さんがケイコにして、いつもの大笑いでその場を納める。
だれもがそう思っていた。
しかしである。
お辞儀の頭を上げた竹田さんは
「ケイコさん、私の来客は、何日の何時に誰が来るといつも伝えているでしょ。
今日私には来客の予定が入っていないから、相手が「竹田様」って言ったら、僕ではなく
Ａ営業所の竹田君ではないかと、機転を利かせてくれよ。
そうすれば僕が出てこなくてもよかったのに」とイ
ライラしながらケイコに言った。
ケイコのような弱い立場の人に刃をむける人は最低だ。
竹田さんの言葉を聞いたのり子は、この会社の未来はないと感じた。
だからのり子は、
深々と頭を下げる人を信じられない。
一見、丁寧な風を装い、その頭の中で何を考えているのか。
また、口がうまくて調子のよい人も信じられない。
いわゆる「勝ち組」は
人の弱いところに平気で塩を塗るような人が多いから。
今回は
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本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
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