懺悔と自分褒め

「おっさんずラブ」の沼にハマッた。

一つ、この話を進める前に、懺悔をしなければならない。
これを書いてる現時点で、私はこのドラマを7話しかまともに見ていない。
え?、って自分で思う。ちゃんと最初から最後まで見たのは、7話のみ。何なら、もう何回見たかもわからないぐらい繰り返し見ている。
が、それ以外の話は、まだ、ちゃんと見たことがない。
それでも、今私は沼の住人である。

もうすぐ、ちゃんとドラマを見る時間を作る予定なので、見る前にここに至った経緯を残しておこうという備忘録みたいなものです。
たくさんの人が経験した、自分の中にこんな気持ちがまだあったのか!、という驚きをちゃんと残しておきたいと思う。


2016年の単発から、ドラマの存在は知っていた。
面白そうだな、とは思っていたし、何よりおっさんが乙女ってそんなん私大好き、とまで思ったけれど、何となく見なかった。特に理由はない。本当に、ただ何となく見なかった。
そんなうっすい情報の私が把握していたのは主演の二人のみで、てっきり私はこの二人の恋模様を描いたコメディドラマだと思っていた。

そして今回の、連ドラ化。
今度こそ、見ようと思った。特にアンテナ張っていたわけでもないのに、ちゃんと情報キャッチしたからには見ようと思って、連ドラ開始前にやっていた単発の再放送も録画した、がお察しの通りまだ見てない。
見てないまま、私は部長いち押しであった。おっさんで乙女でヒロイン、そんなん応援するに決まってる。私はおっさんが好きなのだ。
単発がどんな風なドラマだったか知らなかったので、部長と結ばれるといいな~、と呑気に思っていた。少なくとも、私はこの頃から、6話直前まで、本当に、本気で部長強火押しだった。
今回はライバルがいるんだな~、年下、可愛い、でも、部長の方が可愛いよ!、と本気で思ったまま放送を迎えた。(単発のハセの存在を知らなかったので…)

しかし、1話目放送で私はピンチを迎える。
他に録りたいものとドラマの時間がかぶっていた。私は迷わず、「おっさんずラブ」の録画を諦めた。今となってはもう、一体何を優先させたのかすら思い出せないのだけれど、まぁいいやと録画は諦め、その上リアルタイムで見ることもしなかった。(これについては現在、激しく後悔している…)
普段、初回を見なかったドラマはそのまま見ない私だが、何故か「おっさんずラブ」は初回がないまま、2話目以降を毎週録画設定して録ってはいた。録画してはいたけど、見る気にはなれなくてそのままにしていた。
ちょうどその頃、友達が「武蔵の部屋」について呟いていらして、ナニソレと見にいって、更に部長が好きになった。可愛い、キャラとしてとてもいい!、と思って、本編見てもいないのにインスタを時折確認するようになり、さすがにこちらを見て公式を見ないのはアレかな、と思って公式のインスタも見ていた。
すると、途中から何だか部長の影が薄い。フラれたとはいえど、でもこれ、部長と春田の話じゃないの…?部長出てる…?と私は思っていた。
でもどうやら牧の元彼がいるとの情報に、私は最終的には牧は元彼のもとへ戻り、春田は部長と結ばれるのかな、と誰がそんなドラマ見たいんだといううっすーい内容の予測をしていたぐらい、牧に興味がなかった。
そうしてドラマ本編を見ないまま、私は部長を応援し続けてていた。

そうして、ついに運命の6話放送日。
しつこいようだが、私はその日まで本当に本編を見てないまま、部長の恋を応援していた。色々障害はあるけど、部長には幸せになって欲しいと、本当に思っていた。
あまりに見ていなかったので、放送時間もあやふやだった私は、その日別の局を見ていた。CMになったので、何となくチャンネルを変えた。きっと、誰もがよくやる行為だ。
その時、チャンネルがテレビ朝日になったのは、たまたまだった。
途端、「まーきまきまきまきまき、まき!」と聞こえてきた。
次の瞬間、私はテレビを消した。
は?、と思った。え?、と思った。「え?」って口にした。
ヤバい、と思った。見たら、私絶対ヤバい、と思った。

好きじゃん。あんな呼び方、めっちゃ牧のこと好きじゃん!、と思った。

ヤバいと思って頭抱えて、でも堪らずツイッターで検索かけて、結局放送は見なかったけれど、ずーっとタイムラインを追いかけていたので、6話の内容はあの時の皆さまのおかげで把握することができた。
最後、部長と春田が同棲している、と知った時の私の素直な気持ち。
何でだよ!牧と幸せになってよ、春田!!こんなん嫌だよ~。
…部長押し、だったんです、本当に。
本当に、本当に、マジ部長押しだったんです!部長とはるたんが幸せになって欲しいと、本当に思っていたんです!

でも、春田のあの牧連呼聞いた瞬間から、私の気持ちは別世界へ飛んでいってしまった。自分でもびっくりの急な心変わり。こんな経験今までなかった。
所謂オタクとしてほぼ人生歩いてきたけれど、ドラマでこんな気持ちになったのは初めてだし、押しカプ(て言っていいのかわかりませんが)を変更せざるを得ない事態になったのも初めて。
それだけの破壊力が、あの春田の牧連呼にはあった。
蝶子さんじゃないけど、マジ「破壊神」だよ、春田!!

そこからの7話までの私は、寝る間を惜しんでのツイッター検索。
部長のインスタを見ては、「いや、ゲームじゃなくて、牧からメールでもきたんじゃないの?」などと無駄な抵抗に明け暮れていた。
結婚式のタキシード着た二人の姿に、びっくりするぐらい心を抉られた。
でも、もともと部長が好きだったので、途中からは「いや、これでいいんじゃない?だって、部長に幸せになって…あぁ!でも、牧を選んでくれよ、春田ー!!」と、情緒不安定この上ない日々。
見てないんですよ、この時点ではまともにドラマを。6話も、ツイッターでの情報以外は何も知らないのに、情緒不安定。
でも、もしかしたらこんな人私の他にもいたんじゃないかと思う。
ちゃんと見てなくても、たった数秒の春田のセリフだけ、しかも「まき」しか言ってない、あれだけでも十分に伝わってくるものがあった。
田中さんが、「これが伝わらなかったら」って言ってたことを後から知った時、それを知らなくても伝わったよと思った。

7話は、ちゃんと見ようと決意して良かったと本当に思った。
どんな結末でも、リアルタイムで知りたいと思い、前半から思いがけない展開に笑ったりしながら、後半ではもう、3人の役者にやられた。
話数やオンエアタイムの時間の関係もあって、正直展開は怒涛のように進んでいくのだけど、でも置いてけぼりにされる感覚はなく、ハラハラドキドキさせられた。彼らの一挙手一投足に目を凝らし、バカみたいに歓喜した。
自分の中に、こんな感覚まだあったんだなと、本当に思った。
そうして、ドラマが終わった瞬間、自分が沼にインしたのがわかった。
いやいやいや、と思いながら、次の日にブルーレイも公式本も予約完了。

そうして、今に至るまで楽しい沼生活は続いている。
これからも、きっと続いていく。


オタクとして長年生きてきたので、どうしてもハマると妄想をしてしまうのだが、正直ここ数年はそういう気持ちがあんまりなかった。
ちょっと頭で考えては、そのまま満足、という状態。
けど、今回は思い立ったら速攻書くまでして、ツイッターも専用アカ作って呟いて。
自分の内側から湧き上がるものを、吐き出さずにはいられない。
本当、こんな気持ちになるのは久しぶりで、あぁ、まだ私の中にこの感情があったのか!、と嬉しい気持ちになった。
もう、とっくに枯れてなくなって、もう二度と新しい出会いなんてないと思っていたのに、そんなことなかった。
出会ったら、動き出すのだ。ドラマの中の二人のように。


多分、普通の人なら恋愛をしたくなった、というところ、私はオタク故にこういう結果に落ち着いたけれど、こんな風に自分の中にあるものを引きずり出してくれる作品に出会えるのは、それがドラマであれアニメであれ凄く嬉しい。
だから、公式にその感謝の気持ちを伝えたいが故、グッズは全て買うつもりだし、何ならもっと色々追加で発売していただいて構わない。
もちろん、この作品に関わった人達の次の仕事も応援したいし、できるなら、続編とかスピンオフとかの決定が何より嬉しいけれど、それは気長に待てるぐらい素晴らしい最終回だった。
なくていい、とは言ってないですけどね。
気長に待てる、ってだけですけどね。

しかしよくまぁ、あの瞬間にチャンネルを変えたよ、自分。
まだ全然見てないけど、そこだけは褒めたい。
あの牧連呼聞いてなかったら、きっとどれだけ話題になってても録画を見なかった。いつか見ようと思っても、きっとそのまま何年もたってしまうところだった。ヘタしたら、見ないままだった。最後どうなったかわからないけど、部長可愛いからいいかって思ってた。
今私が録画を見てないのは、見たら更なる生活への支障が懸念されるから見てないだけで、本当は見たくて見たくて堪らない。あの二人がどんな風にして、この結末まで辿り着いたのか見たいし知りたいに決まってる。
ツイッターでどれだけセリフを把握していても、実際どんな風に放たれた言葉なのかは、まだ私は知らない。
沼の中にズブズブなのに、まだ楽しみがあるってどんだけだと思うけれど、自然と口角があがってしまうし、日々ちょっとでもこの作品のことを考えると不審者丸出しでニヤけてしまう。

本当に、そんな作品に出会えたことが嬉しい。
この作品を、そんな風に作り上げてくれた全ての人に感謝しかない。

そして、好きなものを好きだと言えるツールがあって、それが楽しさを更に倍増させてくれる。
好きを分かち合える仲間がいる。

それがとても幸せだってこと、思い出させてくれて感謝しかないです。

ちゃんと全話見た自分が、どんな風になるのか、それが今一番の楽しみ。



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